猛禽類に属するフクロウは、近年フクロウカフェといったフクロウを間近に眺めながらお茶ができる場所ができる程の人気っぷりです。

モコモコの羽毛に大きな瞳、種類によってはニッコリ笑っているように見えるものなど様々です。

フクロウは小型の物でも10~15年、大型の物だと飼育環境にもよりますが30年近く生きる場合もあります。

そんなフクロウについて、どのように飼育すれば長生きできるのかをご紹介します。

フクロウの寿命は最高で30年くらい

先程もご紹介したように、フクロウと一口に言っても大きさや種類も様々で、寿命は最高で大型の物が約30年位と言われています。

これは、犬や猫といった一般的なペットの倍近い年数を生きるということになり、一般家庭で飼育をすることは家族の移り変わり等を考えても難しいことです。

長生きの秘訣はやはり食事

猛禽類とは野生下ではその名の如く生きているエサを、狩りにより捕食して食べています。

しかし、個人で買う場合はそのようなことをさせるには呼び戻し訓練も必要となりますし、そういった環境がまず見つかりにくいということが挙げられます。

ですので、エサ用に冷凍されたマウスや生きたマウスを購入することも必要となってきます。

エサは虫でも大丈夫?

マウスや鳥の雛をさばくのが苦手な場合、爬虫類のエサとして売っているコオロギやミールワーム、シルクワームでも大丈夫ではないかと思われますが、それだけで大丈夫とは言えないのが現状です。

フクロウは生きたエサを捕食した際に、そのエサの栄養素を最大限に吸収する必要があり、足りなければ餓死します。

実際に軽い気持ちで飼い始めたフクロウに充分なエサを与えられず餓死させたという話は少なくないことです。

虫ならばより沢山与える必要があります。

ストレスを与えない環境

人間や他の動物同様、フクロウだってストレスを感じます。

ストレスがあれば自ずと寿命に影響したり病気になりやすくなります。

フクロウにとってのストレスフリーとは、より広いケージの確保です。

放し飼いは飼い主との生活スペースの区切りが感じられず、安心した場所が持てないため、余計にストレスとなります。

更には可愛いフクロウを見ていたいという理由から、ケージにとまり木を渡しただけのシンプルな物で飼育される方が多いのですが、常時周囲を気にしていなければならなくなり、フクロウにとっては非常に負荷がかかります。

是非、フクロウが身を隠せるように巣箱なども置いてあげてほしいものです。

そして、できればフクロウのケージを置くためだけの外気や日光を取り入れられる個室があればベストです。

フクロウをしつけようとしないこと

フクロウはしつけが非常に難しい動物と言われています。

鋭いくちばしとカギ状の爪があり、人間を傷つけてしまうことがありますが、怒って振り払おうとすればフクロウが飼い主を敵と認識してしまうことがあります。

触れ合う時には手袋をつける等の装備も必要なことがあります。

無理やりしつけようとすればストレスとなり、寿命を縮めてしまう結果となってしまいます。

距離感を保つこと

フクロウカフェでは短時間であればフクロウに触ったりすることができますが、基本的にフクロウは人に慣れるものではありません。

インコやオウムと同じように考えてフクロウを飼い始めることはやめましょう。

あくまでも野生の生き物を自宅のケージ内で世話をする、程度に考えておくのが良いと思います。

テレビに出る人に懐いたフクロウも、かなり稀な個体であると心得ておくべきです。

無理に人間に慣れさせようとすることは人間の身勝手なことで、これもストレスになってしまいます。

清潔保持

フクロウはとてもキレイ好きな動物です。

もふもふの羽毛を維持するために自然のフクロウは砂浴びや水浴びをしています。

ですから、飼育の際もそのような設備が必要になります。

ケージの飼育では爪も削れずに伸びてきます。

嫌がるフクロウもいますが、切ってあげないと怪我の原因になります。

近年ではそういったことに対応してくれる獣医さんも多少は増えて来ましたが、窓口でフクロウと言っただけで断られるケースもありますので、最低限のケアは飼い主ができるようにしておくべきです。

常日頃から清潔保持に努めることで、病気にもかかりにくくなります。

室温、湿度をある程度一定に保つこと

野生のフクロウは森で暮らしています。

厚い羽毛に覆われていますので、ある程度の寒さでも生きていけるのですが、飼育する場合はなるべく過酷な環境を避け、過ごし易い環境整備が必要です。

よって、必然的な暖房や冷房といった電気代もかかってくることを覚悟してください。

フクロウが快適に過ごせる環境が、寿命を延ばす

現在世間はフクロウはブームです。

ブームが起きれば、必ず捨てられたり保健所に持ち込まれたりする動物が増えます。

捨てフクロウを生まないためにも、飼育前にしっかりと勉強しフクロウを知ることが大切です。

またフクロウを飼い始めるにあたって、近場にフクロウを診察できる獣医がいるか、エサを確保できるショップや環境があるかなども忘れてはいけない大切な事項です。