サソリに対して、皆さんはどういう印象を持たれるでしょうか?
多くの方がネガティブな印象を持たれるのではと思います。
しかし、サソリほどペットとして魅力的な生き物はいません。
今回はそんなサソリの中でも、ペットとしてポピュラーなダイオウサソリをご紹介します。
ダイオウサソリとは?
ダイオウサソリはサソリの中でも最大の種類で、その体長は約20㎝にも達します。
アフリカの熱帯雨林に住んでおり、昆虫や小動物をエサとしています。
体色は光沢のある黒色で、大きなハサミを持っています。
イメージとしてはサソリというよりも大きな黒いザリガニと言ったところです。
しかし、サソリですからもちろん尻尾の先に毒針があります。
比較的毒性は低いですが、刺されると腫れ、痛みが生じますのでご注意を。
寿命は5~10年程と意外に長生きです。
動きは他のサソリに比べれば緩慢ですが、エサを目の前にすると俊敏な動きを見せます。
夜行性で昼間は隠れ家に潜み、獲物が近づくのを待ちます。
夜になると地面を徘徊しながら獲物を探します。
飼育しているとこのような多様な表情を見せてくれるので楽しいです。
ダイオウサソリの入手方法・価格
さてダイオウサソリの入手方法ですが複数あります。
まずお店で買う方法ですが、大型のペットショップや熱帯魚店で取り扱われていることがあります。
爬虫類などのエキゾチックアニマルを取り扱っているお店ならば確実でしょう。
また爬虫類関連のイベントに行けばかなりの確率で巡り合うことができます。
最も簡単なのはインターネット通販で購入することです。
犬や猫などの動物(爬虫類を含む)は法律により、対面販売が義務付けられているためネット通販はできませんが、昆虫やサソリ・タランチュラなどその他の虫はネット通販で購入することができます。
しかし、取扱店から居住地までの距離が遠かったり、取引の時期の気候が厳しかったりすると、届いたときに弱っていたり、最悪の場合死んでしまったりということもあり得ます。
店頭で直接購入した方がオススメです。
店員さんに飼育状況や個体の好むエサなどの情報を聞くことができます。
ネット通販は最後の手段であると考えてください。
価格ですが、時期や個体の年齢、状態にもよりますが大体3,000~8,000円程度で入手することができます。
イベントでの購入が安く手に入れるコツです。
飼育に必要なもの
飼育に最低限必要なものは、①フタのついたプラケースまたは水槽、②床材(ヤシガラや昆虫マット)、③水入れ、④霧吹き、⑤隠れ家、⑥温湿度計です。
まず①ですが、サソリはタランチュラなどと違って壁を登ることはないため、脱走することはめったにありません。
ただ夜間は活動的になりますし、長い尻尾をつっぱって脱走を試みることもあります。
毒のある虫ですから、脱走が絶対にないようしっかりフタのできる容器で飼育しましょう。
②床材ですが、ダイオウサソリは熱帯雨林に住んでいます。
サソリといえば砂漠というイメージがあり、意外に思われるかもしれません。
ある程度の湿度を保つためにもヤシガラなどの床材が適しています。
ヤシガラは100円ショップなどにもありますから入手しやすいかと思います。
③水入れです。
サソリはエサ切れには強いですが、水はしっかり取らせる必要があります。
生体が溺れないように浅めのお皿などを用意してください。
④霧吹き。これも湿度を保つために必須です。
⑤隠れ家は既製のシェルターなど立派なものでなくても、石や木などでも構いません。
ただし、外から拾ってきたものは虫やなどがついていることがあるので、しっかり洗い天日で干してから利用するようにしてください。
⑥温湿度計は安価なものでよいので必ずケース内に設置してください。
温度は28~30℃前後、湿度は60~80%に保ちます。
冬場、低温になるようでしたら、パネルヒーターをケースの下に敷いて温度調整をして下さい。
ダイオウサソリのエサ
ダイオウサソリが飼いやすい理由として、何でも食べるという点があげられます。
コオロギやジャイアントミルワームなどの虫が最も適していますが、魚や鶏肉なども食べるようです。
必ずしも生きエサでなければならないということもないので、冷凍コオロギや乾燥コオロギなどでも大丈夫です。
ピンセットや箸でエサをつまみ、生体の前へかざすと勢いよく捕食します。
エサ入れを用意しておき、そこにエサを放置しておいても食べてくれます。
成体ならば週に1~2回、身体の大きさの半分程度の量を与えます。
春から秋口にかけてはバッタやコオロギを外で見つけることができます。
これらを生体に与えることはあまり好ましくはありません。
なぜならば寄生虫や農薬などの影響がないとは言い切れないからです。
ペットショップやネットで購入したエサを与えたいところです。
日頃の世話・お手入れ
エサは週に1回程度。
あまり手間のかからないダイオウサソリですが、日頃の手入れもそう多くありません。
まずは水入れの水を新鮮なものに保つこと。
毎日水は交換し、1か月に1回は洗って天日干しをしましょう。
湿度の管理も重要です。
湿度が低いようでしたら、霧吹きをして下さい。
これは2日に1回程度を目安に。
水槽のガラス面に結露がついている場合、それは湿気がこもっているので適度に風が通るよう水槽の置き場所やフタの通気性を改善すべきです。
エサの食べ残しがあれば取り除きましょう。
放置すると悪臭の原因になりますし、生体の健康状態にも悪影響を及ぼします。
手ごわいダニ対策
ダイオウサソリを飼育する上で厄介なのがダニです。
湿潤な環境を好むダイオウサソリですが、彼らが過ごしやすい環境というのはすなわちダニにとっても過ごしやすい環境ということです。
ダニを防ぐためには、まず日頃の手入れを怠らないことです。
日頃の世話・お手入れ
で挙げたことをしっかり守りましょう。
またケースのガラス面に生体の排泄物がついていればキレイにふき取る、床材を数か月に1回は交換するなどのダニ対策も怠ってはなりません。
ダニが発生しにくい床材や床材に混ぜるタイプのダニ対策用品などもありますからこれらを利用するのもよいでしょう。
1度発生すると非常に厄介です。
手間のかからないサソリだからこそ、ここだけはしっかり対策したいところです。
ブラックライトを当てると…
ちなみに、サソリの不思議な特性として、ブラックライトを当てると青白く光るという特徴があります。
特にダイオウサソリは全身が濃い色をしているので、暗いところでブラックライトを当てると、蛍光塗料をベタ塗りしたかのように青く光ります。
ダイオウサソリを飼っている方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
サソリの魅力と付き合い方
サソリを家にお迎えして1番始めのイベントは、「生体をケースの中に移す」という作業です。
サソリを梱包されている容器からおそるおそる出して、逃げないように素早くケースに移し替える。
非常にスリリングな体験です。
初めはそんな様子だった人も、飼っているうちに次第に可愛らしく思えてきて、最終的にはサソリの虜になります。
サソリは上手に飼えば10年程生きます。
他の動物でもそうですが、育てきれない、飽きたという理由で手放すという行為は無責任です。
長い付き合いになりますが最後まで責任を持って飼育してあげてください。