ネズミが媒介し感染する病気

最終更新日:2016年7月20日

ネズミは常に不衛生な場所を移動するため、体の表面や体内に色々な病原菌やウィルスを持ってしまいやすく、また移動することによりあちこちに病原菌やウィルスを運ぶことになります。

中にはペットや人間に害を及ぼす病気もあり、深刻な症状になる場合もあります。

1.鼠咬症(そこうしょう)

鼠咬症スピリルム、またはストレプトバチルスなどの病原菌を持ったネズミに咬まれることで起きる病気です、7~10日間程の潜伏期間を経て、咬まれた場所がただれたようになって赤く腫れ、発熱、頭痛、激しい筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が現れます。

また、多くの場合で赤黒い発疹が出ることもあります。

肺炎や肝炎、髄膜炎といった合併症を引き起こすこともあり、早急な治療が必要になります。

原因はネズミに咬まれたことで起こるものなので、予防法はネズミに咬まれないようにすることです。

ネズミを発見しても無理に駆除しようとはせず、専門の駆除業者に依頼した方が良いでしょう。

また、ネズミに咬まれてしまった場合は傷口を洗浄・消毒し、医療機関でネズミに咬まれたという事を伝えて適切な治療を受けましょう。

人によってはネズミに何度か咬まれることで体内の免疫機能が過剰に反応する激しいアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起こることがあり、呼吸困難など非常に危険な症状が出る場合があるので、過去にネズミに咬まれたことがある場合は特に注意した方が良いでしょう。


2.サルモネラ感染症

いわゆる食中毒を起こす原因となる菌です。

ネズミの排せつ物に潜んでいるので、ネズミが台所や食料保管庫を荒らした際に食料や食器や調理器具等が排せつ物で汚染されたことで感染します。

サルモネラ菌が体内に入ると腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状が現れます。

健康な人であれば特に治療をせずに回復する場合もありますが、激しい下痢や嘔吐により脱水症状が引き起こされた場合には危険な状態になることもあり、入院しての治療が必要になります。

特に体力のない小さい子供やお年寄りは重篤化しやすいので、消化器症状が続く場合は医療機関で診察を受けましょう。

予防には、ネズミを駆除し、食べ物にはしっかり火を通して菌を殺すことが必要です。

3.レプトスピラ症

レプトスピラ属の細菌が原因となり引き起こされます。

レプトスピラ属の細菌は250以上存在し、現れる症状も感染した菌のタイプにより違います。

レプトスピラ菌に感染したネズミの尿が土壌や水溜まりを汚染し、それらに触れることで人や犬などに感染します。

人に感染すると発熱、頭痛、筋肉痛などの風邪に似た軽症型から、黄疸、口腔粘膜や歯茎からの出血、肝臓、腎臓障害を起こす重症型になる場合があります。

重症型の場合致死率は5~50%とされています。

犬が感染すると多くの場合は症状が現れない不顕性感染となりますが、急性の場合口腔粘膜や歯茎からの出血、発熱、嘔吐、血便、黄疸、腎炎などが起こり2~4日で死亡に至ります。

レプトスピラが現在発生している地域は熱帯・亜熱帯地帯に多く、日本では発生数が激減していますが、沖縄などの暖かい地方では散発することもあります。

発生が疑われる地域では、ペットの犬にレプトスピラに対応したワクチンを接種させたり、不用意に水に入らないようにしたりするなどの予防をする必要があります。


4.ツツガムシ病

ツツガムシ病は、ツツガムシリケッチアという病原体を生まれながらに持った一部のツツガムシの幼虫に刺されたことで起こります。

ツツガムシ病に感染すると、まず強い頭痛や悪寒、リンパ節の張れ、発熱などの風邪に似た症状が現れ、その後体中に赤黒い水膨れができます。

初期のうちに適切な治療を受ければすぐに治ってしまいますが、治療が遅れたり適切な治療を受けられなかった場合は症状が長引き、重症化した場合は脳炎、多臓器不全などを起こし、死亡に至る場合もあります。

ツツガムシに刺された時の痛みや痒みは感じにくいため、初期の場合は単なる風邪だと思い込んで受診せず、発疹が出るなどの特徴的な症状が出て初めて医療機関を受診して、初めてツツガムシの刺し傷を発見するという場合が多くなります。

ツツガムシは一生に一度しか他動物の血を吸わず、リケッチアを持ったツツガムシが卵を産むことでリケッチアを持った幼虫が増えていきます。

ネズミが直接人間に媒介するものではありませんが、ツツガムシがネズミの血を吸ったことで増えていくので、ネズミが多くいる場所ではリケッチアを持ったツツガムシがたくさんいる危険があります。

野生のネズミには安易に触ったりしない

ネズミは野生動物ではありますが、下水道や民家の屋根裏など人間の生活している場所のすぐ近くに生息していることも多いので、最も身近でたくさんの病気を媒介する野生動物でもあります。

また非常に繁殖能力が高く、ネズミ算式という言葉があるように、天敵が少なく、食料が豊富な場所ではあっという間に増えていってしまいます。

下水道や屋根裏はそういう意味ではネズミがとても暮らしやすい環境であると言えます。

ネズミが媒介する病気は決して少なくありません。

中には重篤な症状を引き起こす病原体もあります。

ネズミの駆除時に咬まれてしまったということもあるので、ネズミを発見したら刺激せずに専門の駆除業者に依頼した方が良いでしょう。

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