ヘラクレスオオカブトは、世界一大きなカブトムシとしてその名を知られ、上下に伸びた角が特徴のひとつで、迫力があり、オスで最大の体長が角も含めて約18センチにもなります。

その名前の由来となっているのは、ギリシャ神話の英雄であり力持ちの「ヘラクレス」から来ています。

一般的にカブトムシはひと夏しか生きられないのですが、ヘラクレスオオカブトは一年前後生きると言われています。

ヘラクレスオオカブトムシの生息地

中央アメリカから南アメリカにかけての熱帯林に生息していて、その分布により多くの亜種が確認されています。

特に大型の個体は高山地帯にしか生息していないと言われています。

全体でも自然に生息する個体で、16センチ以上の個体は稀です。

価格

ヘラクレスオオカブトの価格は、孵化してから何ヶ月経った個体かで変わってきます。

また、幼虫のときからサイズが比較的大きなものは普通のサイズのものより、倍ほど価格が高い場合があります。

幼虫時代から大きければ、それだけ成虫になったときのサイズが大型になる可能性が高く期待できるからです。

孵化して2ヶ月ほどで、だいたい700円~1,000円くらいで購入できます。

また、孵化から4ヶ月ほどで、オス・メスのセット価格で、約3,000円ほどで売られています。

成虫からの購入になりますと、オスで、10,000円~40,000円くらいの価格帯となっています。

この価格の幅は成虫の大きさによるものです。

ヘラクレスオオカブトはなんといってもその大きさに迫力がありますので、大きければ大きいほど価値が上がるということです。

温度管理とエサ

温度は25度前後がベストであり、30度を超えた状態が長く続く場合は危険です。

夏場の蒸れにも注意が必要です。

また、冬場は15度以下が危険な温度となり、冬はヒーター等で温めることが必要となります。

単独飼育で飼い、飼育ケースは中くらいから大きめのプラケースが一般的です。

飼育スペースに余裕があるなら、できるだけ大きめのものを使用するといいでしょう。

底には売られている専用の飼育マットを敷き、マットの上には落ち葉や樹皮を乾燥させたものを敷き詰めます。

マットの水分量はあまり多いと底から腐ってしまうので、気を付ける必要があります。

水分量を調節してあるヘラクレス専用のマットも売られています。

ケースを置く場所は直射日光を避け、暗めの静かな場所がよいとされます。

エサは高タンパクゼリーを与えます。

外国産のカブトムシはよく食べることで知られていますが、ヘラクレスオオカブトも例にもれず大食漢ですので、エサ切れに注意して毎日与えましょう。

バナナなどのくだものも食べますが、日もちせずに腐ったりと管理が難しいので、専用ゼリーを与えたほうがよいでしょう。

繁殖について

飼育下の環境で、150センチ以上の個体を育てるのは非常に難しいと言われていますが、たくさん繁殖させてできるだけ大きな個体を作りだしたいと考えるブリーダーは多く、大変夢の持てる作業です。

繁殖を望むなら、購入の際にオスとメスの大きさのバランスをみます。

大きさに差があると、交尾につながらないケースがあるためです。

基本的に別々に飼育し、ペアリング、繁殖させるときだけ一緒にします。

交尾には30分から1時間ほどかかりますが、終わったらすぐにオスとメスは離し、メスには産卵前にたくさん栄養を与えます。

そしてメスに卵を産ませるケースとなる産卵セットの準備にかかります。

産卵セットは市販ですべてそろってセットになっているものがありますので、初心者はそれらを基本にしながら、経験や口コミとともに独自のやり方に変えていく、という方法があっているでしょう。

ヘラクレスオオカブトの飼育の魅力

ヘラクレスオオカブトは大型の外国産のカブトの中でも、繁殖しやすいと言われています。

一年前後生きるという丈夫な個体ということもありますが、メス一匹の生涯産卵数は50個から100個と言われており、それだけ、繁殖させやすいところがまた魅力となっているのです。

上記のように、飼育スペースの確保とエサと温度管理ができれば、ブリーダーとしてヘラクレスオオカブトを繁殖させ、次々に飼育していくことも夢ではありません。

カブトムシの短い一生をこのように繁殖させることにより、長く楽しみながら育てていけることが魅力のひとつとなっています。

カブトムシの中でも人気の高い種なだけに、飼育して様子を観察するだけでも十分楽しめるでしょう。