男性であれば幼い頃は誰しも、田舎の山中でカブトムシやクワガタムシを採集した思い出があると思います。
特にミヤマクワガタと言えば、クワガタの中でもグレードが高く、採集できればその夏は子供たちのヒーローにもなれる程の存在でした。
最近ではペットショップでも取り扱われるミヤマクワガタですが、より長生きさせるにはどうすれば良いのでしょうか。
ここではミヤマクワガタの正しい飼育方法についてご紹介します。
温度管理に気を付ける
ミヤマクワガタは夏によく見られるクワガタですので、高い温度で飼育した方が良いと思われるかもしれません。
しかしそれは間違いです。
ミヤマクワガタは標高の高い山間部の涼しい場所に生息していることが多く、そのため成虫は非常に高温に弱いのです。
特に直射日光に当てるのは厳禁で、短い時間でもミヤマクワガタに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
ミヤマクワガタを飼育する際は最低でも26度、理想を言えば23度位の温度を保つ必要があります。
30度を超えるような場所に置いていると、あっという間に弱ってしまいますので注意してください。
ミヤマクワガタの成虫を飼育するのであれば、断熱性の高い大き目の容器を用意して、なるべく日の当たらない日陰の涼しい場所で飼育するようにします。
湿度は高めに保つ
ミヤマクワガタも虫ですので、乾燥した場所よりも、程よく湿った場所を好みます。
飼育ケースに中に吸水性のあるマットや湿った土などを入れておくようにします。
ミヤマクワガタは高温だけでなく乾燥にも弱いため、常に霧吹きなどで一定の湿度を保つようにします。
霧吹きを使う場合はミヤマクワガタに直接掛けるのではなく、止まり木や土、マットなどを湿らせてあげる様にしてください。
直接水を掛けてしまったらミヤマクワガタを弱らせる原因になってしまいます。
しかし高い湿度を保っていると、特に夏場は腐食やカビの原因にもなりますので、床材などは2日に1回のペースで交換することをオススメします。
止まり木を入れる
ミヤマクワガタの成虫は大変によく歩き回ります。
転倒防止のために止まり木を入れるようにしましょう。
森に行って自分で拾ってくるのもいいですが、ペットッショップなどに行けば専用のものが売っていますので、そちらで購入した方が楽でしょう。
止まり木を選ぶ際はなるべく長くて表面がボコボコした物を選んだ方が良いでしょう。
表面がつるつるした物だと、ミヤマクワガタが止まり難くなります。
長めの止まり木を斜めに幾つか配置しておくとミヤマクワガタは移動がし易いです。
また、細長い小枝などを床に幾つか敷いておくことをオススメします。
ミヤマクワガタは体が軽く転倒しやすいため、止まり木から落ちた際に足掛かりになる小枝を必要とします。
単独で飼育する
ミヤマクワガタの醍醐味と言えばクワガタ同士、またはカブトムシとの対戦でしょう。
しかしこういった戦いはミヤマクワガタに大きなストレスを与えてしまいます。
ミヤマクワガタを飼育する際は1つの飼育ケースに1匹だけで飼育することをオススメします。
ミヤマクワガタはその屈強な外見とは違い、非常に神経質でデリケートな生き物です。
たくさんのカブトムシやクワガタムシと一緒に飼育すると、ケンカや場所取り等のストレスで弱らせてしまいます。
基本的には単独で飼育するようにしましょう。
また繁殖を考える際も、オスとメスを一緒の飼育ケースに入れっ放しにするのではなく、交尾の時以外は別々の飼育ケースで育てるようにすると繁殖率が上がります。
あまり手に取らない
ミヤマクワガタはとても恰好良い生き物ですので、ついつい構いたくなってしまうのは仕方ない事かもしれません。
しかし上でも説明した通り、ミヤマクワガタは大変デリケートで繊細な一面を持っています。
特にエサを食べている時や木に登っている時に人に掴まれて引き剥がされるのはミヤマクワガタにとっては多大なるストレスになります。
あまり構わずに、観察するだけに留めておくのが良いでしょう。
またミヤマクワガタは非常に驚きやすく、ちょっとした衝撃でもストレスを受けたり、木から落ちてしまいますので、飼育ケースは成るべく動かさず、動かす際にはゆっくりと動かすようにします。
ミヤマクワガタは他の仲間に比べると転倒しやすく、死因の原因のほとんどが転落死とも言われる位です。
なるべく転倒しないように止まり木をレイアウトしたり、飼育ケースに衝撃を与えないように優しく扱ってあげてください。
ミヤマクワガタの飼育方法を知ろう
ミヤマクワガタの成虫は自然界では3ヶ月の命と言われており、採集された個体は精々2ヶ月弱しか生きられないとされます。
ミヤマクワガタはオオクワガタのように越冬をして生きることはなく、冬を超えて生きることはありませんが、飼育環境によっては長生きする事例も多いです。
中には採集後1年生きた例もあり、育て方によってはかなり長生きできるようです。
幼い頃の夏の風物詩を、大人になった今育ててみるのも良いかもしれません。