クワガタの飼育方法。種類ごとに最適な飼育環境を作ろう

夏になるとよくペットショップで目にするクワガタは子どもたちだけでなく、大人にもマニアがある人気のペットです。

ここではクワガタを少しでも長く元気な状態で楽しめるような飼育方法をご紹介します。

それぞれのクワガタの特徴を知る

クワガタと一口で言っても、その種類は非常に多く、飼育の方法も少しずつ異なっています。

クワガタを手に入れて飼育する前に、その種類の特徴を調べておきましょう。

中には飼育の難易度が高いものもいますので、初心者ならそういった種類のクワガタは避けるようにしましょう。

例えばオオクワガタ、コクワガタやノコギリクワガタは高温などに強く飼育はそれほど難しくはありません。

一方、ミヤマクワガタやアカアシクワガタなどは生息地が比較的高地であるため、低めの温度管理が重要となってきます。

また、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは成虫で2~3カ月程度の寿命ですが、コクワガタなどは越冬して2~3年生きます。

そのため、成虫が越冬する場所が必要となってきます。

このようにクワガタによって飼育に必要なものが異なるので、まず自分が飼育できそうな種類を選ぶのが重要です。

飼育容器を用意する

クワガタは乾燥に弱いので、飼育容器はある程度密封できるものが望ましいです。

ホームセンターなどで売られている虫用のプラケースは、空気穴が大きすぎる傾向があります。

その場合乾燥しやすいので、乾燥防止のために穴の開いたビニールシートをかぶせるなどの対策が必要です。

それよりも、密閉できる衣装ケースやプラスチックコンテナなどに小さな空気穴を開けて使った方が良いでしょう。

中が見えてしっかりと蓋が出来るものがベストです。

クワガタは互いにケンカをすることが多いので、1匹または1つがいに1ケース用意するのが望ましいです。

少し値段は高くなりますが、クワガタをなるべくいつも観察したいならテラリウムなどで使われる水槽を使うと良いでしょう。

中に止り木などを配置すれば、インテリアとしても見栄えの良い物になります。

クワガタは力が強いので水槽は丈夫なものを選び、ふたは金網などでしっかりと閉じましょう。

マットを用意する

飼育容器が用意できたら次にマットを入れます。

マットとは、クワガタなどを飼育するときに使う土代わりのおがくずのことです。

白っぽいおがくずそのままのものや、幼虫などが食べられるように発酵させたものまで、いろいろなものが市販されています。

幼虫の時はマットはエサにもなるので専用のものが必要ですが、成虫の場合はどれでもさほど変わりありません。

マットはクワガタがもぐれるように5センチ以上の深さにします。

マットで重要なのは適度な湿り気です。

強く握りしめて水が出るようでは水分が多すぎます。

握ると少し固まる程度の、しっとりとした水気が感じられるくらいが良いでしょう。

飼育中にもマットが乾燥してきたら霧吹きなどで水分を補給してください。

とまり木やエサなどを用意する

クワガタのエサは基本的にクワガタ用ゼリーを使います。

エサがひっくりかえるとマットを汚してしまうので、エサ用の台木を用意すると良いでしょう。

ゼリーは様子を見ながら数日ごとに入れ替えます。

他に水分の少ないりんごやバナナなどの果物も食べますが、コバエなどが発生しないように毎日交換しなければなりません。

スイカやキュウリなどは水分が多いので与えてはいけません。

また、クワガタはひっくり返ったときに起き上がるのに時間がかかると、体力を消耗してしまことがあります。

ひっくり返った時に捕まることができるよう、止り木を入れておくと良いでしょう。

種類によって温度管理をしっかりと

クワガタの成虫の飼育で、特に種類によって変わってくるのは温度管理です。

国内の平地に生息する、ノコギリクワガタやコクワガタなどは比較的高温には強い種類です。

とはいえ、飼育容器内が30度を超えるようだと死んでしまいますので、あまり暑くならない場所に飼育ケースを置くようにしましょう。

ミヤマクワガタやアカアシクワガタなどの高地性のクワガタは、25度を超えると生存が危うくなります。

これらのクワガタを飼う場合は室内でしっかりと温度管理を行うようにしましょう。

海外産のクワガタの場合はその生息場所によって適切な温度も変わってきます。

種類や季節によっては何らかの保温器具が必要となるので、購入の前にペットショップで尋ねておきましょう。

繁殖や越冬は種類によって異なる

クワガタの飼育は成虫を短い期間飼育するだけなら、それほど種類による差はありません。

しかし、成虫で越冬させたり産卵や幼虫の飼育など、数年にわたって飼い続ける場合は種類によってかなり扱いが異なります。

例えば、越冬はそもそもできる種とそうでないものがいます。

産卵は木にするものや、マットの中にするものがいます。

幼虫のエサも種類によって好みが異なります。

もしクワガタを繁殖させるのなら、そのクワガタの種類に応じてその方法を調べるようにしましょう。

海外産のクワガタの場合、そもそも繁殖方法があまり知られていないものもあるので、繁殖を目指すなら購入前に注意が必要です。

クワガタの種類によって飼育方法を変えよう

クワガタは手軽に手に入るペットですが、飼育方法を間違えるとすぐに死んでしまうこともあります。

しかし、ここでご紹介したクワガタの飼育方法のポイントをしっかり押さえておけば、夏の間その姿を楽しむことが出来るでしょう。

その上でさらに意欲と知識があれば産卵、繁殖をさせて一年中クワガタを楽しむことも出来るようになるでしょう。