カブトムシ。
男の子にとってはクワガタと並び憧れの昆虫です。
そんなカブトムシの魅力はやはり、エサ場や雌をめぐっての雄同士の激しいバトルでしょう。
今は昔と違い国内でも様々な外国産のカブトムシを手に入れることができますが、一体どのカブトムシが最強なのでしょうか。
世界の強豪カブトムシ
世界には様々なカブトムシがいます。
大きい種では日本のカブトムシの倍以上の大きさで、ツノの形も様々です。
世界最大のヘラクレスオオカブト、重量級のゾウカブト、3本のツノと長い前脚が特徴のコーカサスオオカブト。
実に多種多様な世界のカブトムシの中、バトルにおける重要な要素別に検証してみましょう。
体長
世界のカブトムシの中で最長を誇るのはヘラクレスオオカブトです。
ブリードされた固体では最大で17cm以上になります。
ボクシングや空手など人間の格闘技においてもリーチが長い方が有利であるように、やはり自然界の闘いにおいてリーチは重要な要素です。
例えば日本のカブトムシがヘラクレスオオカブトの体の下にツノを刺し込み投げ飛ばそうと思えば、まずヘラクレスの長いツノをかいくぐる必要があります。
人間で例えるなら170cmの人と200cmの人が殴りあった場合、パンチの届く範囲も違えば顔までの距離も違います。
リーチの差があるということがどれほど有利に働くか想像に難しくありません。
しかも大きな胸角と頭部から生える頭角に挟み込まれるとダメージはかなり大きいでしょう。
体重
世界最重量のカブトムシ。
それはゾウカブトです。
成虫の体重は50g、幼虫時の体重は最大でなんと200gを越える固体も存在します。
前述のヘラクレスオオカブトでさえ、体重ではゾウカブトの2/3程度です。
相撲や柔道でそうであるように重さもまた、バトルにおいて大きな武器となります。
体重60kgの人が150kgの人を投げ飛ばす。
人間で考えるとどれほど困難なことかわかりますね。
カブトムシは体重の100倍以上の重量を引っ張ることができるほどの力持ちですが、それでも体重差が大きな武器になることは間違いありません。
ツノの形状
カブトムシ最大の特徴といえば立派なツノです。
世界のカブトムシは形状も本数も様々なものが見られます。
中でも目を引くのは5本のツノを持つゴホンヅノカブトムシですが、体長は大きいもので9cmほどとヘラクレスやゾウカブトと比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
3本のツノを持つカブトムシとしてはアトラスオオカブト、コーカサスオオカブトが挙げられます。
しかし、アトラスオオカブトは産地によっては11cmに達するものも存在しますが、一般的には日本のカブトムシと大差ないサイズです。
その点、コーカサスオオカブトは13cmを超えるものも多く、また、相手に絡みついたりしっかりと地盤を掴んだりできる長い前脚は大きな武器であり、他の大型カブトムシとも十分戦える力があるでしょう。
ネプチューンオオカブトもヘラクレスオオカブトに似た形状に加え、左右に小型ながらも一対のツノが特徴的です。
体長もヘラクレスに次いで2番目に大きく16cmに達します。
唯一の弱点といえば暑さに弱いということでしょうか。
闘争心
好戦的な性質を持つカブトムシで真っ先に名前が挙がるのはコーカサスオオカブトです。
コーカサスオオカブトの凶暴性はヘラクレスオオカブトやゾウカブト等の他の大型カブトムシとは一線を画しており、同種や他種の昆虫との闘争はもちろん、交尾相手の雌ですら攻撃対象となることもあります。
また、相手を投げ飛ばすだけではなく、死骸すらも攻撃対象となりバラバラにしてしまうこともあるそうです。
成虫はもちろん、幼虫でさえ非常に好戦的な性質で近づくものはすぐに噛み付こうとし、顎の力も強く一生を通して非常に凶暴な性質と言えます。
以上のことから、闘争心に関してはコーカサスオオカブトが群を抜いています。
テクニック
カブトムシ同士の戦いは主に樹上が舞台となるため、地の利を得ることは非常に重要です。
また、ひとくちにテクニックといっても個体差があり、簡単に優劣をつけられるものではありません。
しかしながらネット上では一時、コーカサスオオカブト、ヘラクレスオオカブト、ネプチューンオオカブトと闘い、そのすべてを投げ飛ばした種の動画が話題となりました。
特に大型でもないその種が大型種を投げ飛ばす姿には、驚きと賞賛のコメントがたくさん書き込まれました。
その種とは、なんと日本のカブトムシです。
最強のカブトムシは…?
カブトムシのバトルにおける重要要素を項目ごとに検証しましたが、総合的に判断するとやはりサイズ、三本の大きなツノ、前脚の長さ、闘争心と多くの要素で優れているコーカサスオオカブトが最強に一番近いカブトムシと思われます。
しかしながら、最強といえど百戦百勝といかないのが戦いの世界。
小さな日本のカブトムシでも最強に勝ち得るのですから真剣勝負はおもしろいですね。