畑などの身近で見つけられる、ふわふわと舞う様子がかわいらしい白い蝶、モンシロチョウ。

小学校では課題として飼育するなど親しみのある蝶ですので、お子さんから飼ってみたい。と言われることもありますよね。

ではモンシロチョウを上手に飼うには、いったいどうしたら良いのでしょうか。

卵から育てる

モンシロチョウの卵はキャベツなどの畑や、キャベツやアブラナなどアブラナ科の植物を育てている家庭のプランターなどで見つけることができます。

また、飛んでいる蝶を注意して見ておいて、そのあと周辺の葉の裏を見てみると見つかるということも。

卵はとても小さいですが、葉の裏に黄色っぽい卵が一粒だけ付いていたらモンシロチョウの卵かもしれません。

直接触らずに葉っぱごと持ち帰り、乾燥に気をつけて容器に移したら生まれるのを待ちましょう。

薄い黄色の卵が次第にオレンジ色になっていきます。

幼虫を育てる

畑などで、切れたり穴が開いていたりする葉を見かけたらその近くでモンシロチョウの幼虫を見つけられるかもしれません。

しかし、モンシロチョウの幼虫である青虫は寄生虫が付きやすいので、青虫を拾ってきた場合はすでに寄生虫が付いていることも。

寄生虫は青虫がある程度成長しないと寄生できないため、卵から育てるか、生まれたばかりの青虫から育てるのがオススメです。

また、卵を拾ってきてもモンシロチョウだと思って育てていたら、実は蛾の一種であるヨトウガなど、まぎらわしい別の虫の幼虫だったということもあります。

もし幼虫が育っていくうちにキレイな青虫でなくなってきたり、見た目が変、歩き方が変、などの異変が見られたら別の幼虫の可能性も疑いましょう。

幼虫はとてもデリケートです。

病気になってしまうこともありますので、異常が見られたら他の幼虫もいる場合はすぐに容器を分けるようにしましょう。

さらに、絶対に直接触らないことも大切。

幼虫を移動させたいときはちぎったキャベツの葉や筆などの細長いものにのせて移動させましょう。

幼虫の飼い方

まずは、虫かごなどの容器にティッシュやキッチンペーパーを敷き、新鮮なエサを用意しましょう。

エサはキャベツや大根の葉、ナズナ、ブロッコリーの葉などが良いですが、いずれもすぐに傷むのでこまめに交換します。

交換が面倒だからといって、水に生けたりすると、幼虫が水に落ちて死んでしまったりしますので気をつけましょう。

また、湿気が多いのも良くありません。

容器の掃除はこまめに行いますが、水滴を残したりすることのないように気をつけてあげましょう。

キャベツの苗をあらかじめ育てておいて、苗ごと一緒に育てるという方法もあります。

虫かごなどの場合は容器のフタなどの隙間が大きいと小さな幼虫が出て行ってしまうこともありますので、ラップをして空気穴を開けるなど工夫しておきましょう。

容器は直射日光を避けた暖かい場所に置きます。

直射日光が当たったり暖かすぎたりするとエサが傷むのも早くなるので注意しましょう。

また、幼虫のフンは水っぽく、放っておくと雑菌が繁殖したりエサが傷んでしまったりするので掃除はこまめに行い、清潔に保ってあげましょう。

成虫を育てる

幼虫はやがてさなぎになり、成虫になります。

成虫になると寿命は2~3週間で、その間にオスとメスが出会ってメスはまた新しい卵を産みます。

そのため、蝶のためには自然に帰してあげるのが一番ですが、観察してみたい、野外で捕まえてきたという場合は蝶のための環境をきちんと用意してあげましょう。

虫かごなどに入れてしまうと、蝶がプラスチックの壁や床にぶつかって羽を痛めたり、疲労して死んでしまったりしますので、飼育用のネットを用意するのがオススメです。

飼育用のネットは市販のものでも良いですが、高価なこともありますので、100円ショップで手に入る洗濯用ネットや針金ハンガーなどで手作りするのもオススメ。

エサははちみつや砂糖を水で薄めたもの、昆虫ゼリーの液を水で薄めたものを用意し、小さいテイッシュに含ませます。

甘すぎると死んでしまうこともありますのでほんのり甘い程度にし、注意しましょう。

スポーツドリンクでも代用できます。

エサが準備できたら蝶の近くに置いてみますが、なかなか自分では気づいてくれないことも。

全く気づいていないようなら、蝶をそっとつかんでエサのもとに近づけてあげ、蝶の口である口吻を針やピンセットを用いて広げ、エサの中に入れて教えてあげます。

エサを吸っているようなら手をはなして様子を見ましょう。

なかなか覚えてくれない場合は1日1回程度試してあげると良いですが、あまり無理強いも良くありませんので、様子を見ながら行います。

蝶を長生きさせるには、なるべく体力を消耗させないように低温や暗い場所で管理するという方法もあります。

蝶は明るいところへ飛ぼう飛ぼうとするので、なるべく飛ばせないようにすることで寿命が延びることもあります。

儚い命のモンシロチョウ

モンシロチョウの一生を知り、小さな幼虫を一生懸命に育て、成長を見守ることは子どもにとって命の尊さを学ぶ良い機会になります。

お子さんが飼いたいと言ってきたらぜひ手助けして一緒に挑戦してみましょう。

もちろん、蝶が好きな大人の方がペットとして育てるのも癒しになるものです。