日本全国に幅広く生息し、見た目の格好良さから人気の高いノコギリクワガタ。
飼育するためには固有の生態や特徴を理解しておく必要があります。
一体どういった生物なのか、それを知って上手な育成ができるようになりましょう。
ノコギリクワガタの大きさと特徴
ノコギリクワガタは幼虫時代の栄養によって、成虫になったときの大きさに違いがでます。
大型か小型によってアゴの形状も変化し、大型だと外国のクワガタに匹敵するほど大きくもなります。
オスは3センチから7センチほどになり、メスでも3センチから4センチの大きさまで成長するでしょう。
羽化後は一年ほどの休眠期間をとり、その後は数か月で寿命を迎えます。
比較的簡単に発見できるわりに、見た目が大きく派手であるため幅広い世代から人気を集める種類です。
大アゴの形状も千差万別で、中には類を見ない特殊な形状を持つノコギリクワガタもいるかもしれません。
また亜種が多数存在し、そのグループ内でも特徴が細かく分かれます。
多種多様な見た目はノコギリクワガタの魅力を後押しする大きな特徴といえるでしょう。
ノコギリクワガタの野生での生態
ノコギリクワガタは日本や朝鮮半島などに生息し、国内なら本州はもちろん北海道やその他日本のほとんどの地域に分布しています。
6月から8月の夏真っ盛りに一番よく見られ、昆虫採集などでは定番の種類となっています。
山間部で広く活動していますが、都会でも少しの自然があれば十分に生きていけるたくましさがあります。
クヌギやナラ類、ブナ科、ヤナギ類などの木につき、樹液をエサとして生きています。
生息する地域によって個体差があり、南九州などのノコギリクワガタは大型化することが多いと言われています。
分布している地域によっては採集が禁止されているところもあるので、ノコギリクワガタを探す場合はよく確認してからにするようにしましょう。
生態系を壊さないように観察することは、昆虫に対する最低限のマナーです。
ノコギリクワガタの飼育環境を整える
飼育キットはホームセンターなどで売られている一般的なもので十分です。
プラスチックの小屋はノコギリクワガタの大きさと、止まり木など必要になるものに合わせて余裕のあるサイズを選んでください。
地面に敷くマットはクヌギやコナラが原料のものにして、なるべくノコギリクワガタの生態と相違ない飼育環境を作りましょう。
エサはゼリータイプのものを用意し、合成着色料などが入っていないものを探してください。
ノコギリクワガタは食事量が多いので、エサをあげるタイミングにも注意しましょう。
エサ入れは天然素材のものがベストですが、何よりもノコギリクワガタの重さで倒れないような、しっかりとした重さをもつものを選びましょう。
その他霧吹きやスコップなどメンテナンスに必要なものを取りそろえれば、ノコギリクワガタを飼う準備は万端です。
ノコギリクワガタのメスの違いと繁殖方法
他のクワガタと同じように、ノコギリクワガタのメスもアゴが小さく、オスと比べて全体的にこじんまりとした体になっています。
色も赤黒く、ツヤのない表面も特徴的です。
野生ではエサ場を確保したオスと一緒にいることが多く、そのまま交尾して産卵するのが一般的です。
人間の飼育下で繁殖させるためには、マットへ産卵してもらうために大きめのケースを用意し、目の細かいマットを使用しましょう。
厚さを十分に保ち、水を多めに入れてマットは硬めにします。
黒土や腐葉土を使用することもできるため、各家庭で扱いやすいものを選びましょう。
羽化したノコギリクワガタはそのまま活動せずに休眠したまま冬を越します。
その間はずっと土の中で過ごすので、過度な刺激を与えずに初夏までそっとしておきましょう。
ノコギリクワガタはどこで手に入るのか
ノコギリクワガタはデパートやその他ショップで購入することができます。
インターネットの通販や地域のお祭りなどでも見られるので、手に入れる方法は多数あります。
値段は大きさや個体の状態によって大きく異なり、数百円のものもいれば、数千円の値がつくこともあります。
大きく立派なアゴをもつ個体は、やはりそれなりにお金がかかるようです。
購入する以外にも、野生のノコギリクワガタを捕獲するという方法もあります。
ノコギリクワガタは樹の中や樹皮に隠れるといった習性をもたず、枝や樹皮の外側にいることが多いです。
樹をゆらしたりちょっと衝撃を与えたりすれば、上から落ちてくることもあります。
基本的に夜行性ですが、中には日中だろうと構わず行動している個体もいるので、子どもでも簡単に捕まえることができるでしょう。
ですが無理な捕獲や乱獲はしないようにしてください。
自然の形を壊さないような配慮を忘れないようにしましょう。
大きくて格好良く、身近にいる人気者のノコギリクワガタ
意外にもノコギリクワガタは私たちの身近にいて、比較的簡単に手に入れることができるとわかりました。
大きさや見た目が様々で、その多様性が人気となり、一つの魅力となっているのでしょう。
格好いいノコギリクワガタを見つけたら、ぜひ大切に世話をしてあげてくださいね。