子供だけなく、大人をもその勇ましい姿で魅了するカブトムシ。

きっと、飼育したことのある、もしくは飼育してみたいと思う人も多いはずです。

しかし、カブトムシの飼育経験者の方の中には臭いが気になるというケースもあります。

今回はその臭いの対処法をご紹介します。

水分過多は避ける

乾燥した状態が続くとカブトムシが干からびて死んでしまう、と飼育ケース内を潤すあまり、水分が多くなりすぎている人がいます。

自然と比べて通気性の良くないケースの中では水分が循環しにくく、溜まりがちになっていき、水が腐ってしまうこともあります。

多湿な環境ではカブトムシの寿命を縮めるだけでなく、雑菌も湧きやすいので臭いの元になってしまいます。

止まり木などを入れている場合、木が腐敗してカビの発生源にもなりかねませんので、衛生的にも水分は適度に保つことが大切です。

成虫の管理には針葉樹のマットを用いる

カブトムシを産卵させるつもりであれば広葉樹のマットを用いないといけませんが、成虫の鑑賞を楽しみたいだけの人には針葉樹のマットを用いる方が好ましいです。

広葉樹マットは雑菌のエサとなりやすく、マットが腐敗して臭いの原因となりますし、葉ダニの温床ともなりかねません。

それに比べて針葉樹は、他分野でも抗菌防臭として用いられることもあり、ケース内を衛生的に保つことが可能です。

成虫は木を食すことはないので、抗菌効果のある針葉樹が毒となることはありません。

それでも臭いが気になる場合、ケース内を占める針葉樹マットの分量を増やすと、カブトムシの排泄物の吸着効果も上がって効果的です。

飼育ケースの側面と蓋はこまめに掃除する

カブトムシの臭いの発生源で最も強烈なのが、飼育ケースのあちこちに飛ばされた排泄物です。

カブトムシの排泄物は白濁色なので、ケースの汚れが目立ってきたらウェットティッシュなどで拭き取りましょう。

強烈な臭いの元がわからず、マットまで全交換したくなる気持ちもわかりますが、カブトムシは上方へ排泄物を飛ばす習性があるので、マットには排泄物による臭いがついてることはあまりないです。

作業量としてもマットを変えると大掛かりになってしまいますし、効果も薄いです。

常日頃からケースの側面と蓋の清潔さを保つことを心がけて下さい。

コバエ侵入防止対策の施されたケースを使用する

ホームセンターなどに売っている蓋が網状になっているケースでは、臭いがケースの外部に漏れてしまいます。

そのようなケースを使用している場合、コバエ対策用のシートを蓋とケースの間に挟むことでコバエの侵入だけでなく、ケースの外部に臭いが漏れることも防げます。

一番オススメなのが、最初から蓋にコバエ対策用のフィルターの付いているケースを購入することです。

これらのケースはカブトムシが窒息することのない適度な通気性が保たれるよう設計されているので、臭い対策としてだけでなく、カブトムシにとっても居心地の良い環境を維持しやすくなっています。

他にも、網状の蓋ではカブトムシが破壊して脱走するといったアクシデントも起きかねないので、ケースの吟味も重要です。

飼育ケースは日の当たらない涼しい場所に設置する

排泄物だけでなく、与えているエサの腐敗も臭いの原因になります。

カブトムシは糖分を好んで摂取するので、エサもそのようなものを与えることになりますが、糖分は温度の高いところでは発酵しやすく、酸っぱい臭いの元になってしまうので、可能な限り涼しい場所に飼育ケースを置くことも大事です。

日本のカブトムシは夏に発生するので、暖かい場所を好むと勘違いされがちですが、カブトムシは日陰の多い涼しい山の中に生息しており、そのような環境を好むので問題ありません。

涼しい場所ではエサが長持ちするだけでなく、カブトムシにとっても好ましいのです。

エサの交換を適度に行う

5.にも書いたように、カブトムシのエサは糖分の多く含まれているものを与えることになります。

糖分が多い分雑菌の温床ともなりやすく、腐敗臭の原因ともなります。

もしカブトムシがエサを食べきっていなくても不快な臭いが気になってきたら、多少勿体無くてもエサを交換しましょう。

昆虫ゼリーの場合、交換の目安としてはゼリーがどろどろに液状になってきたら頃合いです。

カブトムシは新しいエサを好み、エサへの食いつきや反応が良くなるので、観察が好きな方には楽しい瞬間も増えるはずです。

臭い対策で快適な飼育生活を

近年では外国産のカブトムシの輸入も解禁されて様々な種類が飼育できるようになり、一度は飼育してみたいと興味を抱く方も増えてきました。

しかしながら、その独特な臭いから、衛生状態に対する懸念で飼育までには至らない方も多くなります。

今回掲載した臭い対策は私達人間が不快にならずに済むだけでなく、カブトムシを長生きさせるのにも大切な基本事項です。

臭い対策をすることで、カブトムシにとっても快適な飼育生活を楽しんで下さい。