毎日一緒に犬と暮らしていると、その表情やしぐさに意味があるのだなと感じる瞬間はあると思います。
そこで今回は、犬が安心しているときに見せるしぐさにはどのようなものがあるのかご紹介します。
お腹を見せてゴロゴロする
これが一番典型的な安心しているしぐさと言えると思います。
犬の急所はお腹なので、まず信頼している人や心を許している人にしかお腹を見せるという行動はとらないと言われています。
犬は人の感情や雰囲気を敏感に感じ取る動物なので、少しでも人間に対して怖さを感じていたり、何か不信や不安を感じている場合には絶対にお腹を見せるような行動は取りません。
その代わり、一度お腹を見せてくれるようになると、驚くほどお腹を見せて安心したようにゴロゴロと近くに寄ってきます。
その信頼は少し叱ったくらいでは崩れないような、見えない信頼関係が犬とできた瞬間だと思っても良いでしょう。
犬がお腹を見せて甘えてくれるようになったら、やっと本当に心が通い合ったということなのかもしれません。
また、一緒に過ごしている家族でも犬がお腹を見せる家族と見せない家族がいます。
犬はその家に慣れるのではなく、人一人ひとりに慣れていく生き物なので、お腹を見せてもらえる人とそうでない人との間には、犬なりに大きな違いを見せているのだということを覚えておきましょう。
犬が信頼していない、安心していない人が犬と遊んでいておもちゃに手を出したり、嫌がる部分を触ったりすると噛みつかれたり、「うー」っと唸られてしまったりするので、きちんと犬との信頼関係を作っていくようにしましょう。
背中やお尻を向けて座ったり伏せたりする
犬の急所はお腹以外にもう1つあります。
それはお尻と後ろ足で、いざという時敵から逃げる場合に後ろ足が攻撃されてしまっては命に関わるためと言われています。
犬が飼い主に寄ってきたのに、人間の体の一部にお尻をくっつけたまま背を向けてお座りしていたり伏せているという状況があります。
せっかくこちらに寄ってきたのになぜお尻を向けるのだろうと人間は不思議に感じますが、この行動こそ、犬としては大きな信頼感をもっていて安心しているよというしぐさです。
犬がお尻と背中を向けてくるということは、完全に飼い主さんに後ろをとられても攻撃される心配がないと安心できている状態ですので、犬が背やお尻を向けてもプラスに受け取ってあげるようにしてください。
そこで無理に手を出したり体勢を変えたりしてしまうと犬も不安に感じてしまうことがあるので注意しましょう。
そっと声をかけながら撫でてあげると、さらに犬との信頼感が深くなるでしょう。
飼い主に体の一部をくっつけて眠っている
これも安心している人でないと犬がとらない行動です。
極端に人懐こい犬の場合は別ですが、ほとんどの犬は最初に必ず警戒心を持っています。
そのため人いきなり人に寄ってきたり、ましてそばで寝るというようなことは絶対にありません。
何日もかけてその環境や飼い主に慣れて、初めて少しずつ犬も歩み寄ってくれるのです。
飼い主に体の一部をくっつけるという行為は、飼い主さんがそばにいるということを体温で感じることができて、犬も安心できるのです。
優しい言葉がけも大切ですが、言葉がわからない犬にとっては雰囲気で感じているだけであって、実際には温かいと感じる体温に触れた方がより安心すると言われています。
その体温から感じる安心で眠りにつける、近くで眠ってしまうというのは完全に安心しきっています。
膝の上で眠ってしまう犬も、甘えている部分と安心できる場所を確認したり感じたりしている部分があって、人にくっついてくるという犬のしぐさには、大きな安心感を感じたいという気持ちが表れているのです。
人間の口元をぺろぺろ舐める
この行動は犬同士でも、相手のことを好きだよとか信頼しているよ、安心しているよという気持ちを表現する行動だと言われています。
犬は人間に対しても、信頼しているひとや大好きな人へはこのような行動をとることが多いです。
よく飼い主さんの口元をめがけてぺろぺろ舐めている犬を見かけますが、それは犬からの精一杯の愛情表現で安心しているというしぐさでもあることがわかります。
またこの状態の時の犬は非常にリラックスしている状態であると言われています。
抱っこをねだる
これは個体差があり、抱っこの嫌いな犬には見られない行動です。
本当に信頼している人や認めている人だけに犬がとる行動でもあります。
前足をかけてきて後ろ足をジャンプするようにピョンピョンと跳ねさせて抱っこをねだってきます。
犬にとって空中で抱かれることは不安なことでもありますが、それ以上に飼い主さんの抱っこが安心でき、信頼できるものであることを知っているのです。
抱っこする場合はくれぐれも落としてしまうことのないように注意が必要です。
犬の安心をしぐさから感じ取ろう
以上のように、犬が安心しているときに見せるしぐさはたくさんあります。
そして、そのしぐさは人間の子供の甘えるしぐさと非常に似ている部分もたくさんあります。
飼い主として犬の行動の意味をしっかりと知り、犬を安心させリラックスできる環境で過ごさせてあげられるようにしていきましょう。
また、犬とこのような関係が築けていない場合は、少しずつ関係を見直していきましょう。