犬の鼻といったら黒やこげ茶を一般的に思い出す方が多いと思います。

しかし、中には生まれた時からピンク色、最近色が変わってきたという場合もあります。

どんな原因が考えられるのか、よく観察して適切な対処をしてあげましょう。

生まれながら鼻の色素が薄い

人間も色素の濃い方、薄い方がいて、肌の色や瞳の色が多少異なるように犬にも生まれつき色素量で差があります。

もって生まれた色素が薄い犬は鼻も色が薄くなったりピンクになりがちです。

これは特に遺伝子の異常ではなく、個体差ですのでピンクの犬だから問題があるということではありません。

健康で元気な犬ならあまり気にすることはないでしょう。

また、色素量が少ない犬は鼻がピンクと黒の2色混ざっていたり、ある程度大きく成長してからピンク色になることもあります。

小さいころから鼻の色が薄い場合はわかりやすいのですが、成長とともに薄くなることもあります。

突然でなければ様子を見ても良いでしょう。

日差しに対する過敏症

紫外線は犬の皮膚にとってもダメージを与えます。

特に鼻は毛に覆われていませんので真っ先に紫外線があたり症状が出てしまいます。

日差しに対して過剰に反応してしまい、色が抜けてしまったりただれたり、かゆがったりします。

人間と同じように日差しが強い時は鼻先だけでも日焼け止め対策をすると良いでしょう。

この原因は主に夏場が多いですし、1日で変わってしまうことはあまりなく、数日間の蓄積で色がピンクに変わってきます。

散歩だけではなく庭など外で主に飼育している場合は、特に注意が必要です。

放置すると最悪、皮膚がんに発展してしまうケースもあるので気を付けましょう。

日差しを避けるようにするとだんだんと落ち着いてきますが、あまりにも長期にわたり症状が改善しない時は獣医に診察してもらう方が良いでしょう。

ウィンターノーズ

冬鼻(ウィンターノーズ)と呼ばれる症状の場合も考えられます。

季節によって紫外線の量が異なり、特に冬場は日差しが弱く、日照時間も減ります。

これが原因ではないかと言われているのですが、まだ厳密な理由はわかっていません。

ただ、冬になると鼻の黒の色が薄くなったり、一部分だけほんのりピンクになることが多く、また春になってくると黒一色に変わってくる一過性のことが多いです。

特にラブラドールやゴールデン、シベリアンなどの血が入った犬に多くみられるようです。

また、冬に色が抜けて、また戻るのではなくそのままの鼻の色の個体もいます。

他に鼻周辺の症状がなく、元気で変わらないようなら問題はありません。

これも数日で突然変わるものではないので、飼い主がチェックしていれば自然な現象と言えるでしょう。

天疱瘡にかかっている

皮膚と粘膜の境目にできやすい皮膚病の一種で、鼻の弱いドーベルマンやダックスフンド、秋田犬などに多く発症します。

免疫が弱っている時や高齢犬は要注意です。

天疱瘡は異物を攻撃するべき免疫力が、間違って自分の体を攻撃することで起こってしまいます。

患部がただれたり、水泡ができたり、かさぶたができたりします。

こうなる前はかゆがったり炎症を起こすので、赤くなることもあります。

鼻であればピンク色に見えることもあります。

悪化させてしまうと自力での治癒は難しく塗り薬など使用します。

原因は紫外線が多く浴びてしまうことと言われています。

そのため、毛色が白に近い犬種は要注意です。

膿皮症にかかっている

膿皮症は犬の中で最も多い皮膚病です。

多くは不潔な生活環境で細菌に感染してしまうことが原因です。

細菌がいても健康であれば免疫力が優位に働き感染しません。

しかし、体内に汚れをたくさん持っている、シャンプーをあまりしない、もともと傷があるなどの環境だと炎症を起こしたり、湿疹が出たり、腫れや脱毛まで起こります。

これは鼻でも起こります。

炎症が起こっていれば鼻の色は赤みがかってきますのでピンク色に見えます。

他の部分に症状がないかチェックして、早めに対処してあげれば重症化することはありません。

軽傷であれば自然治癒するケースも多いです。

ただ、膿皮症は犬の体調よりも飼育環境の問題が大きいので、一度環境を見直して清潔を保てるように考える必要があります。

加齢による退色

犬も年齢を重ねると体に老化現象が起こります。

その1つが退色です。

鼻の黒色も毛の色も、体の中で活発に色素が作られて維持されています。

これがだんだんと機能が低下したり、サイクルが遅くなってくるのが加齢です。

ひげも毛の色も鼻の色も褪せてきて、薄くなってしまいます。

鼻の色だけではなく体全体を見て色が薄くなってきている、他は健康であれば老犬の場合は加齢で病気ではありません。

ただ、年齢を重ねている証拠ですので、食事などを含む飼育方法を考えてあげるタイミングです。

また、犬種や個体によって加齢による退色が出てくる年齢も異なります。

退色イコール健康度ではないので油断は禁物です。

犬の鼻がピンクになる原因を知ろう

犬の鼻がピンクになる原因もいくつもあります。

ポイントとしては鼻だけではなく体全体をチェックして、他にかゆがったり炎症や発疹がないこと、犬が気にしていないようなら季節的なものや年齢的なものでしょう。

ただ、他にも気になる点があれば早めにかかりつけの獣医に見てもらった方が犬にも負担が少ないでしょう。