犬の発情期。
飼い犬にとっては子孫を残すための大切な時期であり、飼い主にとっては子犬を飼育できるのか、できないのであれば虚勢等の処置も考慮しなければならない時期です。
その時に見せる行動の特徴とはいったいどんなものがあるのでしょうか。
飼い主として知っておきたい犬が発情期に見せる行動をご紹介します。
オスは興奮し、メスは尿の回数が多くなる
人間には発情期というものがなく、女性の生理的な受精の身体的環境が整えば妊娠することができますが、犬には妊娠をする為の期間が周期的に訪れるようになっています。
となれば、特別な期間と言える発情期には身体的にも精神的にも普段とは違う特徴が現れるようになります。
オスの場合には、年中を通して性的刺激があれば交尾することができます。
この時の性的刺激とは、発情期に入ったメスが出す特殊なフェロモンを嗅ぐ事を指しています。
メスの場合には、年に2回ほど発情期と呼ばれる期間が訪れます。
その時期のメスの尿にはオスの性的な神経を刺激する特殊なフェロモンが含まれており、その匂いを嗅いだオスが発情期のメスと交尾をすることによって妊娠にいたります。
メスは性器の外陰部が大きくなる
メスは発情期を控える頃になると(交尾によって妊娠可能になるおおよそ10日ほど前)、体内で発情ホルモンが増加し身体的にも精神的にも変化をします。
発情ホルモンンの増加によって、子宮内膜の血流が増加して出血を伴うことがあります。
そして発情期に向かっていくにつれて性器の外陰部が大きく肥大していき、最終的には普段の2、3倍にまで大きくなります。
メスは尻尾を片側に寄せる
いよいよメスの身体が妊娠を受け入れるようになると、メスにも回りのオスにも変化が起こります。
メスは周りのオスに対して自分が妊娠可能であることを示すために、尻尾を片側に寄せて外陰部を見せるようになります。
この頃のメスの尿にはオスを性的に刺激させるフェロモンが含まれているので、周囲のその匂いを嗅いだオスが発情するようになっています。
飼い主として考えておきたいのは妊娠をさせるか、させないかということとしっかりと向き合うことです。
メスの飼い主で妊娠を望まない場合には、周りのオス犬を刺激しないように散歩の時間をズラしたり、犬用のオムツをするなどして不用意に回りのオスを刺激しないようにする、交尾に至らないようにする配慮が必要になります。
オスはマーキングが増え、落ち着きがなくなる
人間も出産を控えたり、生理の時期に来ると精神的に不安定な状態になることは皆さんご存知かと思います。
これもまた体内のホルモンバランスが普段とは異なることが引き起こす精神的な変化ですので、やはり犬にも見られるのです。
オスは発情期のメスが近くにいるとフェロモンを嗅ぎつけて興奮状態になります。
そのに時には特に縄張り意識が強くなり尿によるマーキングの頻度が増えたり、飼い主に甘える時にマウント(足などに乗っかって腰を振るような動作をする)などが見られるようになります。
また、発情期のメスを執拗に追い回すなどもあり、犬のサイズによっては飼い主では手がつけられないようなこともあります。
発情したオスにとって交尾ができないことは強いストレスとなることが多く、精神的な不安定になりやすくなります。
具体的には食欲不振や、イライラしたりウロウロと落ち着きがなくなったり過度に吠えるなどします。
メスは上記にも書いたようにオスを惹きつける為のフェロモンが含まれた尿の排尿回数が増えたり、普段は他のオスに興味を示さなかった犬でも自分からスキンシップを図りに行くなどします。
また、飼い主に甘えることが多くなることも特徴です。
発情期はオスの争いを生む期間。?
もともと生命の本能としてより強い遺伝子を持った子孫を残すというのは当たり前のことです。
犬のメスが妊娠可能になる前、発情期よりも10日ほど前からフェロモンを発するようになるのは、一説には周囲のオスを刺激して争わせることが目的なのではないかとも言われています。
周囲のオスを争わせることで、より強い遺伝子を持つオスと交尾できるようにします。
強い遺伝子を持った子孫を残そうとするのは自然の摂理のようにも思いますね。
ということは、オス犬にとっては周囲のメスが発情期に入ると、本能的に他のオスを排除しようとする本能が働くことになります。
実際、発情期に入ったメスが近くにいるとオス同士の争いが多くなります。
怪我をしてしまい、傷口から病気をしてしまう可能性もありますし、精神的なストレスも多大なものになるでしょう。
メス犬を飼っている飼い主さんは、そういったことも理解して他の犬への配慮を忘れないようにしてあげたいですね。
発情期は犬にとって大事な時期
大切な飼い犬の発情期。
これからも大切なパートナーと共に楽しく過ごすためにも、発情期にだけ見せる行動を見逃さないように、接してあげるようにしましょう。