マダニは家のふとんやカーペットにいるハウスダストマイトとは全く別物で、血を吸う生き物です。
犬が散歩に行った際に草むらで付いてきたり、アウトドアで山に行った時などに犬についてくることが多いです。
本来のサイズは2-3mm程度なので目をこらさないと見えませんが、血を吸うと1㎝ほどになります。
犬は毛が多いので飼い主さんも気付かないことも多いですが、もしマダニが付いていることを発見したらどのように対応すべきかご紹介します。
予防薬を利用する
最近では耳にすることが多くなってきましたが、マダニが付いたことを発見しても予防薬を使用することが重要です。
マダニは犬に噛みつくような形でくっついています。
少し触っただけでは落ちないレベルです。
指でつまんで取ってしまうとマダニの口の部分が犬の皮膚に残ってしまい、皮膚炎の原因になってしまう可能性がとても高いです。
また、マダニは人間に感染して死亡してしまう可能性のある病気の媒介です。
重症熱性血小板減少症候群やバベシア症、日本紅斑熱、ライム病などがあります。
数年前に重症熱性血小板症候群では亡くなった方が多くみられ、とても問題になったことは記憶に新しいかと思います。
手で取ってしまうと、ウイルスに人間が感染してしまう可能性もあります。
このような理由で現在では必ず予防薬を使用するように言われています。
予防薬という名前でもマダニを殺す薬剤なので、しっかりと効果を発揮してくれます。
人間にマダニが付いている時も同様に、人間の皮膚科を早急に受診して対応してもらいましょう。
予防薬の種類
予防薬にはいくつかの種類があります。
従来はスポットオンタイプの液体の薬が一般的でした。
首のところに液体をたらして塗布すると、数日かかって薬用成分が吸収され、1カ月ほどの効果が発揮される、という商品です。
この商品はやはり昔から売っているのでとても人気で、様々な会社から販売されています。
ただこの液体の商品だと、多頭飼育のご家庭では他の犬が舐めてしまうかもしれない、小さいお子さんがいるご家庭ではもし触って口に入ってしまうかもしれない、というのが心配されることが多くありました。
その他にも液体を垂らすと犬が気にしてしまってカーペットに擦りつけてしまって効いているのか心配という方もいました。
こんな方に向けてオススメしたいのが、錠剤タイプのお薬です。
最近ではお肉タイプのおいしい予防薬も販売されているので、他の犬が舐めてしまう心配も、小さいお子様がいる家庭でも何も心配ありません。
犬も気にすることはありませんし、近々シャンプーの予約が入っていても気にせず予防をすることができます。
ただ稀に飲んだ後に薬ごと吐いてしまう犬がいるので、体質によって選んでいただければよいと思います。
予防薬にはノミにも効く・ほかの寄生虫にも効くなど、様々な種類があります。
スポットオン剤・錠剤・お肉タイプなど剤形によっても値段が異なります。
通年、毎月予防をしていただきたいものなので、獣医師に相談をしてみることをオススメします。
愛犬にあったものを選び、使ってあげましょう。
予防薬は必ず動物病院で購入
犬を飼っている方は、予防薬がホームセンターでも販売されています。
しかし、実はホームセンターで売っているものは「医薬部外品」なので、病院で購入するものとは効果が全く異なります。
実際に市販の商品を使用していても、マダニが付いていることは多々あります。
その上、効果が劣っているにも関わらず動物病院で販売している商品と価格もあまり変わらないので、しっかりと効果のある医薬品を使用しましょう。
価格が気になる方には「ジェネリック薬品」の予防薬もオススメです。
現在では、ほとんどの動物病院でも取り扱っています。
日頃から出来る犬のマダニ対策
マダニが付いてくる時というのは、犬が外出した時で、家の中に居たら基本的には付いてくることはありません。
しかし散歩に行かないわけにはいきません。
では、どうやって犬にマダニがつくのか。
これを知ることが予防にもつながります。
マダニは普段草の葉っぱの裏に付いていて、犬の体温や二酸化炭素濃度の変化等を感じて、葉から落下してくると言われています。
でも犬には毛が沢山あるので、すぐに皮膚に噛みつくことは不可能です。
毛に付着してから少しずつ皮膚まで移動して、皮膚に噛みつくのです。
つまり散歩に行って草むらへ入っても、家に帰る前に毛を払ってあげればマダニも簡単に落ちてしまうのです。
噛みつく前に落ちれば問題はありません。
そして感染症の心配もありません。
犬は顔から草むらに入るので、顔(特に目のまわり、鼻)、足先にマダニが付いていることが多くあります。
これらの場所は入念に払ってあげましょう。
犬のマダニ対策をしっかりしよう
マダニはとても小さい虫ですが、感染症の元にもなる非常に怖い病気です。
きちんと毎月、一年を通して予防していただくことが大切です。
犬のためにも、マダニの予防(その他フィラリアの予防・各種ワクチンの接種)は必ずしてあげましょう。