愛犬を抱っこしたときなどに、犬があなたの顔を舐めてきたことはありますか。
今回はそんな犬が顔をなめてくる心理をご紹介します。
愛してるの証
ほとんどの場合、犬達が人間の顔や口をなめるという行動の理由は、人間が大好きだからです。
赤ちゃんの頃から、人に大切にされ愛されてきた犬は、飼い主はもちろん、犬が好きだという気持ちを持ってくれている人に対して、この行動を取ることにより愛情表現をしています。
これは、人間との大きな絆を築きあげられているという証。
飼い主がかけてきた愛情を、同じ分だけ、犬達もあなたにあげたいのです。
恭順
ある意味、親愛の印とも取れ、一見、先ほどの「飼い主に対しての愛情表現」に似ているように思えますが、これは彼らがオオカミの血を引いていることに大きく関係しています。
オオカミは群れで生活をし、その中で一番強い者である、アルファオオカミと呼ばれるリーダーを筆頭に行動をします。
弱いオオカミは、このアルファオオカミに対し、口や顔をなめるという仕草で「自分はあなたに従います」と表現をするのです。
つまり、犬達の行動もこれの名残で、ある意味群れである家族の中で、アルファオオカミの立場である飼い主のあなたに、服従するという気持ちを伝えるために、行っているのでしょう。
飼い主として認めているという証ですね。
お腹が空いた
これもオオカミが関係しています。
オオカミは母親が狩りから帰ってくると、子供達はその口元をなめることで、エサの催促をします。
それに反応した母親が、取ってきたエサを吐き出して子供達に与えるのです。
犬にもその習性が残っており、自分のお腹が空いたときに、親・保護者だと思っている飼い主に対して、なめるという行動を取るのです。
人間が何か食べていると犬達も欲しがるので、甘えられるとついつい与えてしまいますが、これが習慣になると、なめればおやつを貰えると思ったら彼らは、お腹が空いていなくても、しつこく顔をなめてくるようになってしまいます。
肥満を防ぐためにも、ご飯やおやつは時間を決めて、必要な分だけあげるようにしましょう。
落ち着かせようとしている
これは、犬が相手が怒っているなど、気持ちの昂りを感じたときに、落ち着かせようと取る行動です。
自分には敵意はなく、争いたくないとの気持ちの表現。
飼い主さんが犬を叱っているときに、ペロペロとなめられた経験があるのではないでしょうか。
彼らにしてみれば、言葉の代わりになめることで「そんなに怒らないで」と伝えているのでしょう。
心の病
繊細で臆病な犬は、ストレスなどが原因で、強迫性障害になってしまうことがあります。
人間の病気だとお思いの方も多いと思いますが、実はこの障害は多くの動物に見られ、その中には犬も含まれています。
自分がとても弱い存在だと思っている犬は、緊張や不安を感じると、なめるという行動によって心を落ち着かせようとするのです。
これを止めると、また不安に襲われ、再びなめ始める。
これを繰り返します。
犬が不安げに飼い主さんの顔色を伺いながら、この行動をしつこく行うようであれば、彼らにとって何かが大きなストレスになってしまっている可能性があります。
原因を早く見つけて、犬達を安心させてあげましょう。
その他の、反復行動や常同行動と呼ばれる「同じ動きを繰り返す」仕草が見られ、それがあまありにも酷い場合は、獣医に相談をすることをオススメします。
犬が顔をなめてくる理由を知ってあげよう
中には「止めて」と言ってもベロベロと盛大になめてくるような、困った場合もあるかもしれません。
しかし、その裏には、あなたに対する深い愛情があることを忘れてはいけません。
叱る前に、まずはしっかりと、彼らの気持ちを受け取ってあげるようにしましょう。