猫には自分自身で毛づくろいをする習慣がよく知られています。
それには、毛に着いた汚れを取ったり、自分のにおいを付けるためという意味がしっかりあります。
では、犬が自分の毛を舐めるのには、どういった意味があるのでしょうか。
毛づくろいをする理由について、考えられる原因をご紹介します。
犬の毛づくろいは異変のサイン
犬が他の犬を舐めたり、あるいは人の手や顔を舐めたりするのはごく一般的な行動です。
この「舐める」という行為は、親しみといった意味合いが強いものです。
例えば、他の犬を舐めるということは、犬にとって挨拶のようなものです。
また、仲間内で、他の犬のにおいを消したりという意味合いもあったりします。
飼い主を舐めるというのも、親愛の証であり、心を許しているとも取れる行動だったりします。
しかし、自分自身の毛を舐めていたり、執拗に一か所を舐めているときは要注意です。
これは、何かしらの異常があったり、欲求のサインと捉えるべきでしょう。
また、同じ部分を舐めすぎて皮膚病に繋がることもあるので、軽く考えて見過ごさないようにしたいものです。
ダニやノミのかゆみによる毛づくろい
基本的に、犬は猫のように自分で毛づくろいをしない動物です。
ですので、犬が急にそのような素振りを見せたら何かしらの異常を疑うというのが基本のスタンスです。
よくあるパターンとしては、ダニやノミによるかゆみということが考えられます。
小さな虫ではありますが、私たちにとっても耐え難いかゆみをもたらす忌々しい存在です。
犬が掻いたり舐めたりして、そのかゆみを緩和させようとしている可能性があります。
家の中でどんなに気を付けていても、外を散歩中にノミが付着してしまうこともあります。
普段から定期的にブラッシングをして、ノミなどがいないか確認をするようにしましょう。
そうすることで異変にも早く気が付いてあげることができるでしょう。
アレルギーなどの炎症による毛づくろい
ダニやノミ以外にも、かゆみをもたらす原因はいくつか考えられます。
その最たるものが、アレルギーによる炎症です。
最近では血液検査などでどういったものにアレルギーがあるかを調べることが可能です。
原因がわからないままだと、一時的に治まったとしても、この先、何度も同じようなことを繰り返してしまう可能性もあります。
皮膚が赤く炎症を起こしているときには、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
また、家で使っているシャンプーや、ノミ取りグッズなどが肌に合わないこともあります。
普段は毛で被われているので、犬の地肌の異変にはなかなか気付きにくいものです。
やはり、ブラッシングなどのときにスキンシップを取りながら、皮膚の異常がないか確認するようにすることが大切です。
ストレスによる影響による毛づくろい
はっきりとしたかゆみや炎症といったことがなくても、自分の毛づくろいをするように舐めることがあります。
このような場合には、ストレスを感じているということが考えられます。
犬はストレスを感じたときに、普段見ない行動を見せたりすることがあります。
そうした行動の一つが、自分の体を舐めたり、噛んだりするような行為になります。
しっかりとストレスの原因は何なのかということを考えて、対処していく必要があります。
これは、ある種の「かまってほしい」というサインであることも多いです。
性格的に飼い主と触れ合ったりいっしょにいることが好きな犬も多いため、かまってあげられないとこうしたことが起こることがあります。
しかし、軽く考えてしまうと、そこから皮膚病などに繋がるような自傷行為にも近いということを忘れないようにしましょう。
いろいろあるストレスの原因
犬がストレスを感じるシチュエーションというのは、本当に多岐にわたります。
性格的な問題や、個々で異なることも多いので、非常に線引きが難しいポイントでもあります。
しかし、最近では室内飼いの犬も多く、運動不足になりがちな傾向があります。
こうした運動不足やスキンシップの不足が、問題行動を引き起こしている場合も多く見かけます。
きちんとした散歩や運動の時間が取れているか、一度考える機会にしましょう。
他にも、一人暮らしの方で、飼い主が不在の時間が長かったりすることもあるでしょう。
生活が不規則であったり、引越や長距離の移動の後にも、ストレスを抱えやすい傾向にあります。
毛づくろいはこうした欲求のサインでもあったりするので、ひどくなる前に対策を取るようにしたいものです。
犬が毛づくろいをする意味を知ろう
犬でも、時々自分の体を舐めたりすることがあります。
しかし、基本的には、頻繁にそうした毛づくろいを行う動物ではないということは、しっかりと覚えておくようにしましょう。
毛づくろいをしている姿は、見ていて思わず「かわいいな~」と思ってしまうかもしれません。
しかし、そうした行動には、何かの異変の前兆や欲求のサインという意味があります。
こうした異変にはなるべく早く対処して、愛犬にはぜひとも健やかに生活してもらいたいものですね。