犬の目やには、愛犬の大切な健康状態を伝えてくれるバロメータの1つです。
常日頃から愛犬がどのような目ヤニを持つ子なのかを観察しておくことで、ちょっとした変化に気づき対応してあげることが出来ます。
そのためには、まずは正しいお手入れ方法をは知っておきましょう。
まず目やにのお手入れに必要なものを並べて置く
犬は基本的に、目の周りなどのデリケートな部分のお手入れは苦手です。
お手入れを出来るだけ素早く手短に終えてあげ、繰り替えし行うことで少しずつ苦手意識もなくなってきますので、あらかじめ必要な道具などを手元に並べて置きましょう。
日常のお手入れでは、お化粧用のコットン、ぬるま湯、ノミ取り用のコーム、柔らかい手触りのタオルが必要です。
ノミ取り用のコームは、特に毛の長い犬種や毛の多い犬種にはぜひともオススメしたい道具の1つです。
手のひらに収まるくらいの小さいものを選ぶのもポイントです。
これらを専用のコップなどに入れてセットしておけば、いつでも気軽にお手入れをしてあげられます。
コットン綿で拭く
まずはコットン綿にぬるま湯を浸します。
この時のポイントはぎゅっと固く絞り、中指に挟むことです。
お湯が滴り落ちることのないように注意します。
そして愛犬のマズルを優しくつかみ、顔が動かないように固定します。
お手入れ時に飼い主が緊張をしていると、つかむ手が自然に強くなっていたります。
犬はこの手の力の入れ具合で感情を読み取ることが出来ますので、飼い主さん自身もリラックスをして、愛犬の目を見ながら「大丈夫だよ」など優しく声をかけます。
その際に、愛犬の目の周りに何か変わったことが起きてないかを瞬時に確認しておきます。
コットンは目がしらに優しく当て、滑るようにマズルの方へ動かします。
目ヤニが乾燥している子は数秒ほど目ヤニにコットンを当ててから拭くと、目ヤニが柔らかくなり取れやすくなります。
絶対にこすったり押し付けたりせずに行うのが、ここでのポイントです。
ブラシやコームで梳かす
目ヤニといっても、粘膜っぽい子、乾燥してる子、ほとんど出ない子などのようにそれぞれ個性があります。
コットンで拭くまでは全ての犬種で共通ですが、その後の仕上げ方を個性によって分けてあげます。
まずは目ヤニが粘膜っぽい子、毛の長い犬種、毛の色が白、または淡い子などは、目ヤニがシミとなって、涙やけという症状に発展しやすい為、目ヤニを残さないということが大事なポイントとなってきます。
粘りのある目ヤニは毛にこびりつきやすく、また一度ついてしまうとなかなか全てを拭うことが難しくなってきます。
その為ノミ取り用のコームを使い、瞬時に残った目ヤニを取り除きます。
これもコットン綿で拭くのと同様、目頭から毛にそって優しく梳かします。
超小型犬などは女性のマスカラを梳かすコームなどでも代用しても良いでしょう。
ただこれらのコーム部分は通常金属などで作られていますので、皮膚部分に直接当たらないように気を付けます。
また愛犬が動いてしまい、コームが直接目に当たってしまうなどの事故のないように取り扱いは厳重に注意が必要です。
そして乾燥している子、ほとんど目ヤニの出ない子などは、自然素材の豚毛などのブラシで優しくブラッシングしてあげます。
ポイントはコームでもブラシでも、寝かせるようにするではなく、金魚をすくうようなイメージで梳かしていきます。
ブラシは愛犬の顔の大きさによって、合うものを用意してあげると良いでしょう。
柔らかいタオルで拭く
仕上げに柔らかいタオルで濡れた部分を拭きます。
この時は緊張するお手入れが終わり、愛犬もホッとしている時です。
「いい子だったね」などたっぷりと褒めながら拭いてあげましょう。
ここでも擦るように拭くのではなく、包み込むように拭くのがポイントです。
拭くというよりは、優しく、気持ちの良い感触のもので軽くタッチしているという感じのイメージを持ちながら行うと良いでしょう。
そしてこのタッチをしながら拭き残しがないか、目を痛がっていないだろうかなどの最終チェックをしておきます。
タオルはハンドタオルくらいの大きさで十分ですので、素材の良い柔らかいものを厳選してあげるましょう。
優しく犬の目やにをとろう
こうしたお手入れは、飼い主との信頼関係がなにより大切になってきます。
子犬の頃から顔を触られる、アイコンタクトが出来る、マズルを抑えるという行為に慣れているなどのトレーニングをしておくことも大事です。
また飼い主側もてきぱきと作業を行うことで、愛犬にとって苦痛な時間を短縮できますので、慣れていない方の場合は、まず犬の人形などで一連の流れを練習してから行うとイメージが掴みやすく良いでしょう。
そして何よりも終わった後は、思いっきり褒めてあげ、愛犬の一番大好きなもので遊んであげて下さい。