かわいい愛犬のイタズラ、かわいいものもありますが絶対に許してはいけないのがマウンティング。
マウンティングする犬と飼い主が抱える問題や、対処法をご紹介します。
どうして人間にもマウンティングしちゃうの?
立ち上がって人や犬にしがみつき、腰を振るマウンティング。
犬に詳しくない人なら「飼い主をメスと勘違いしてるの?」「去勢がまだなんだね」と勘違いしがち。
実は、マウンティングはオスだけではなくメスも行う行為です。
発情期だけではなく「お前よりこっちのほうが偉いんだぞ」と自分の強さを見せつけるときにも行う行動です。
何が原因でマウンティングしているのかを見極めるのは、犬と暮らしていくうえでとても大切なこと。
放置すると犬が家で一番偉いと勘違いして、さまざまな問題行為に発展します。
犬が抱える問題を発見して、マウンティングに対処していきましょう。
問題行動になるマウンティングは上下関係の勘違いが原因
発情期のマウンティングは、基本的に相手のメスが発情しているときにしか起こりません。
人間にもマウンティングすることもありますが、そのマウンティングはほとんどが上下関係の問題です。
子犬のころに甘やかされすぎた、家の中で正しい立場を教えてもらえなかった…。
コミュニケーションに問題を抱えている犬は、家庭の中での自分のポジションを勘違いしたまま育ち、自分が飼い主よりも上位にいると思ってしまいます。
すると、「散歩に行くよ」と不自由なリードに繋がれたり、群れの中で人間が自分の意に沿わない状態になると「こっちのが偉いんだ。言う事を聞け」と、リーダーとしての自分を誇示するマウンティングをしてしまうのです。
愛犬と家族が正しい関係を築けているか、反応で確認しよう
では、犬が自分の立場を正しく理解しているか確認してみましょう。
問題を抱えている犬は、エサやおやつ以外の時に名前を呼ばれたり命令をしても無視することが多くあります。
これはもちろん「自分の方が上の立場だから」。
自分にとって都合のいい時だけいう事を聞く犬は、正しいポジションから外れていると考えていいでしょう。
犬から認められるためには「この人にリーダーを任せた方が良いことがある」と思わせることが必要。
非常に根気のいるしつけになりますが、この後ご紹介する方法で犬と正しい関係を手に入れることが出来れば、マウンティングはもちろん、甘噛みや散歩中の勝手な行動も防ぐことができますよ。
マウンティングへの対処法1.アイコンタクトをする
犬のしつけの基本はアイコンタクト。
犬がこちらの顔を見て「次は何をしたらいいの?」と指示を待っている状態にすることから始めましょう。
まず、手にフードを持ち、飼い主が自分の顔に近づけて犬の注意を引きます。
目があった瞬間に犬にフードを食べさせて「目を見るといいことがある」と教えます。
それに慣れたら名前を呼び、注目した瞬間にフードをあげましょう。
犬は嬉しいことがあったタイミングをよく覚えてくれる生き物。
かつ、自分のリーダーには注目するという群れの習性を持っています。
何度も繰り返すことで、「この人に注目すればいいことがあるぞ」という上下関係の第一歩を築くことからはじめていきましょう。
マウンティングへの対処法その2.言う事を聞かない時は無視
アイコンタクトに慣れないうちは、反抗的な態度に振り回されることもしばしば。
一度自分が偉いと思い込んでしまった犬を矯正するのには時間もかかります。
特に叱り方がわからず、中途半端に褒めてしまったり、諦めてしまいそうな人も多いはず。
しつけの途中にマウンティングをして落ち着かないなど、言う事を聞かない時は、「顔を一切見ず、無視して家の中に入る」のがポイントです。
犬と人間の立場が入れ替わろうとしているとき、犬は飼い主が自分のリーダーにふさわしいかしっかりと観察しています。
少しでも甘やかすと「やっぱりこっちが偉いんじゃないか」と間違った認識を深めてしまうのです。
反対に、スムーズに命令を聞いたりアイコンタクトに応じたときにはちょっと大げさなくらい喜んで褒めてあげましょう。
言葉が通じない分態度にメリハリをきかせ、わかりやすい態度で示してあげることで、犬の理解を助けることができます。
「自分が下になったときに嬉しいことがたくさんある」を繰り返し強化していくこと、で犬は自分が本来あるべきポジションに戻り、マウンティングの回数もどんどん減っていきます。
しつけ中のマウンティングへの対処法、とっさの対処は「リードを下に」
とはいえ、時間のかかるしつけの間にも人に対してマウンティングすることは少なからず起きてしまいます。
そんな時についやってしまいがちなミスが「リードを犬の背中側に引っ張ってしまう」こと。
背中側に引っ張られると、犬は本能的にそれに抵抗します。
上方向に引いた場合はさらに首が苦しくなるので抵抗はますます激しくなってしまうのです。
ですから、とっさのときには「リードを短くつかんで、下方向に引く」ように心がけます。
こうすると自然にスワレ、フセの姿勢になるので落ち着きやすくなります。
これで落ち着けば褒めてあげるのが良いですが、嫌だと大暴れするようなら静かにケージや犬小屋につなぎ、20分~30分は犬を無視して過ごしましょう。
犬のマウンティングへの対処は長い目でやろう
マウンティングは、その場しのぎの対処ではなかなか根本的な解決にはなりません。
叱るとちょっとかわいそう…という気分になりますが、これが2年後3年後の犬との暮らしに大きな影響を与えます。
小さいうちからしっかりと家庭でのポジションを教えて、犬が家族の中で幸せな生活を送れるようにしてあげてくださいね。