犬が鼻を鳴らしてピーピー鳴くことがあります。
このような鳴き方にはどんな意味があるのでしょうか?犬がピーピー鳴くときに考えられる原因と対処法をご紹介します。
1.ピーピー鳴きと同様の鳴き方
犬がピーピー鳴くのは、鼻を鳴らしている音です。
喉を使うと少し違う音になって、キューキュー、キュンキュン、クークー、クンクン、ヒーヒー、ヒンヒン、という感じになります。
これらはすべて同じ種類のもので、甘えや要求、恐怖や不安、痛みに耐えている、などの時に発せられる鳴き声です。
2.甘えや要求で鳴く場合
甲高く鼻にかかった甘えるような感じで鼻を鳴らしたり、喉から音を出します。
「遊んでほしい」「散歩に連れて行ってほしい」「おもちゃが欲しい」「ここから出してほしい」「いっしょに寝たい」「お腹が空いた」「おやつが欲しい」「水が欲しい」「トイレに行きたい」
こうした要求を訴えているのです。
この時犬の目線は飼い主の顔をじっと見つめたり、欲しいものをじっと見ていたりします。
尻尾を振ったり、後ろ足で立ちあがって飼い主に体重をかけたり、飼い主の顔を舐めたり、鼻で突いたりして甘えを表します。
前脚で地面をかいたり、飼い主の足を突いたりすることもあります。
3.甘えや要求で鳴くときの対処法
エサや水、トイレなどの大切な要求ならすぐにきいてあげましょう。
おやつの場合は要求されたらすぐにあげるのではなく、芸をしたらあげるなどというふうに条件付けをして、飼い主が主導権を守りましょう。
子犬が夜鳴きでピーピー鳴いて「一緒に寝てほしい」と訴えることがありますが、鳴くたびに一緒に寝ていると一人で寝ることができなくなるので、無視して一人で寝られるようにしましょう。
きいてあげるべき要求はきいてやって良いのですが、過度な要求に対してはピーピー鳴いても無視するようにしましょう。
根くらべになりますが、鳴いても要求が通らないということをわからせなければなりません。
4.恐怖や不安で鳴く場合
恐怖や不安でピーピー鳴くときは、甘えるときよりももっと切迫した感じで悲壮感があります。
犬を驚かすようなものに出会ったとき、飼い主が留守にする前に不安を感じるときなどによくこのような鳴き方をします。
「怖い」「嫌だ」「心配だ」「さみしい」「置いていかないで」などといった気持ちを表しています。
こうしたときに犬は目をそらせて耳を後ろに伏せています。
鼻水を出したり鼻を舐めることもあります。
後すざりするような体勢になって、尻尾を足の間に巻き込んだり、地面にへたり込んでしまいます。
身体をこわばらせて震えていたり、毛が逆立っていたり、肉球に汗をかいたりします。
またいろいろなものを噛んだり、隠れようとしたり、逃げ出そうとします。
5.恐怖や不安で鳴くときの対処法
犬が恐怖を感じるようなものを見つけてそれを取り除くか、慣れさせるようにしましょう。
いつまでもおびえ続けるときにはPTSD(心的外傷症候群)の可能性もあるので、獣医師に相談しましょう。
留守にするたびにピーピー鳴く犬の場合は分離不安からきています。
飼い主に依存しているために、飼い主と離れることにストレスを感じてしまいます。
鳴くだけなら良いのですが、飼い主の留守中に吠え続けたり、破壊行動や自傷行為を起こすようなら分離不安症というストレス障害なので対策が必要です。
短い時間から飼い主と離れる訓練をして、うまくいったら褒めてあげるようにして、徐々に時間を延ばしていくようにしてしつけます。
6.痛みに耐えていて鳴く場合
身体に不調があったり怪我をしていて、痛みに耐えているときにこのような鳴き方をすることがあります。
「痛い」「苦しい」「つらい」といったことを訴えているので、犬の体をよく確認して対処してあげましょう。
身体に問題があるときには元気がない、食欲がない、動かないなど他にも異常があるはずです。
犬は身体に痛みがあるときには背中を丸めていたり「祈りのポーズ」を取ることがあります。
祈りのポーズとは、伏せの姿勢で前脚を前に出して腰を浮かしているポーズで、犬が痛みに耐えるときにはしばしばこの体勢になります。
痛いところに触ると突然激しく「キャン」と鳴いたり、痛いところに触らせないようにするときにはその部分の病気が疑われます。
7.痛みに耐えていて鳴くときの対処法
ピーピー鳴く原因が病気や怪我とわかったら、すぐにそれに応じた対処をしましょう。
必要なときは獣医師に連れて行きましょう。
また暑すぎる、寒すぎるという場合にもこのように鳴くことがあります。
熱すぎると熱中症になるし、寒すぎると風邪をひきます。
犬がいる環境の温度にも気をつけましょう。
犬がピーピー鳴くときの原因を知ろう
犬がピーピー鳴くのは鼻を鳴らしているときで、キューキュー、クンクン、クークー、ヒーヒーなどの鳴き方をするのと同様です。
これらは甘えや要求、恐怖や不安、痛みや体の不調を訴えている鳴き方です。
鳴き声と同時に動作や行動も合わせて犬の様子を見て、何を表しているか判断しましょう。
犬が何を訴えているのかを読み取ることができたら、それに応じた対処をしましょう。