犬の女の子には人間と同じように発情期の出血、いわゆる生理があります。
お家の犬に生理が来た際、どんなことを気を付け、どんなことを対処すべきか、ご存知ですか?
そこで、犬の生理で気を付けるべきことについてご紹介します。
他の犬と極力接触させない
生理中の女の子の犬からはフェロモンが発せられ、そのフェロモンに誘発されてオスの犬は発情します。
その発情によって交配ができるようになるため、行なった場合、望まなくても妊娠してしまう可能性があることはもちろんですが、発情によって興奮し普段はおとなしい子でも興奮により凶暴化するなど、性格の変化をきたすこともあります。
そこで、犬同士の喧嘩などのトラブルにもつながりかねないため、接触させないことがオススメです。
また、マナーパンツなどをはかせていても、そのフェロモンはにおいとして感知されるため、同じ空間にいるだけでも興奮状態に陥らせてしまうことがあります。
他の犬との距離感を含め、接触に関してはこの期間は気を付けた方が良いでしょう。
生理の始まり・終わりを見逃さない
出血の量など、個体差があるのでなかなか難しいですが、生理が始まっていたのに飼い主さんは全然気が付かなかった、ということももちろんあります。
それを避けるためにも、ご自宅の犬の生理周期をだいたい覚えておいて、そろそろかな?と気を付けることも大切です。
犬の周期としては半年から1年に一回くらいの周期で、期間としては2週間から、長い子では1か月くらい続く子もいるとは言われています。
若い犬の場合は最初からしっかり把握することは難しいので、まずはスケジュール帳などに記録することから始め、何回か生理を繰り返してきて、なんとなくお家の子のパターンを掴めるようになりましょう。
ちなみに、生理が関連する病気やそういった体調変化によってもたらされた不調で病院に行く際、獣医さんにお伝えするととても有意義な情報となります。
出血以外の生理の兆候を見逃さない
生理というと出血というイメージにつながりがちですが、実はそれ以外にも体はサインを出しています。
まず犬の陰部ですが生理ではないときと比べて、大きくふっくらとします。
その他にお乳も少し大きくなり張ることが多いです。
その他にも性格の変化で甘えん坊や神経質になったりということが見られる子もいますが、全く性格の変化の見られない子もいて、この点には個体差があるので、確実な変化は陰部の大きさとお乳の様子だと言えます。
なぜ出血以外の生理の兆候が大事かというと、出血の量にも個体差があってごく少量で気づかないほどで、かつ神経質で舐めとってしまうような子の場合、床やハウスにも血液は付着しないことがあるため、出血だけに注目していると気づけないこともあるからです。
気づかずほ他犬と接触させてしまってトラブルに、ということを避けるためにも、このようなことを理解しておくことはとても大切です。
生理によって起こる可能性のある体調変化や病気を把握しておく
生理では、体も普段とは違う状態になるため、ホルモンバランスの変化や免疫力の変化などをもたらします。
基本的には生理後ですが、体調変化や病気をもたらすこともあるのです。
具体的にはどんなことかというと、まず偽妊娠と呼ばれる、交配・妊娠を実際にはしていないのに、まるでお産をしたかのような行動をとることがあります。
その場合、生理後に妊娠していないのに母乳が出たり、ぬいぐるみを我が子のように抱え込み、取ろうとすると怒ったり…という行動変化が見られます。
これは病気ではありませんし、赤ちゃんと錯覚している対象と切り離してしまえば自然と治まることが多いですが、何度も繰り返したり、ずっと続いている場合、ホルモンバランスで子宮環境にも変化をもたらし、後に病気にもつながる可能性もあるので、兆候が見られたら獣医さんに相談されることをオススメします。
他には子宮に膿のたまる子宮蓄膿症が挙げられ、やはりホルモンの影響により子宮に膿がたまってしまう病気で、生理後になることが多いです。
症状としては陰部から膿のようなものが出てくることで気づくこともありますが、膿が排出されず、子宮に溜まり続け、最終的には子宮破裂などを起こしたり中毒症状により死に至ってしまったりということもあります。
膿が確認されたり、確認されなくても元気食欲がないという兆候が見られた場合は、すぐに獣医さんにご相談ください。
その他にも、アレルギー性の皮膚炎や膀胱炎等持病を持っている子の場合、生理により免疫力の変化がもたらされることによって、普段は落ち着いていた症状が、その時期に限り悪化するということがあります。
この場合もだいたいの周期がわかっていると悪化するタイミングが把握でき、早い段階で動物病院に連れて行けたり、早期の処置ができるので、犬の大きな負担になることも避けられるかもしれません。
犬の生理周期を把握しよう
生理は出血でお家が汚れたり犬の体が汚れたりするだけでなく、他の犬との交配・妊娠・出産であったり、病気などとのつながりもあります。
女の子の犬を飼っている飼い主さんはもちろん、男の子の犬を飼っている飼い主さんも同様に、上記のような気を付ける点を把握することで、お互いに起こりうるトラブルなどを防いでいくことができます。