
身近な存在で種類も豊富、ペットとして根強い人気を持つ金魚。
あまり手間のかからないイメージですが、きちんとお世話をしてあげないと様々な原因で病気になってしまうことも。
何かあっても声をあげられない分、日々観察し、普段と違う動きをしていたらその都度対応してあげることが重要です。
今回は、金魚がパクパクと口を動かすような動きがあったときの対処法を、その原因別にご紹介します。
お腹が空いている
単純に空腹で餌がほしいときにとる行動です。
長年飼育していて、人に慣れている金魚、また餌の時間がだいたい決まっている金魚に多くみられます。
餌の時間帯に、飼い主や人間が近づいた際、水面で激しく口をパクパクさせ、餌が欲しいとアピールするために行われます。
この姿を見るとついつい餌をあげたくなりますが、金魚はそれ程空腹でなくても習慣で人が近づいたらパクパクしている可能性があります。
食べきれず残ってしまった餌はアンモニアを発生し、水質悪化の原因となります。
いつもの量の餌をすでに与えている場合、この行動を見かけても餌をあげる必要はありません。
酸素が足りない
水中の酸素が少なく、酸欠状態になった金魚は水面でしきりにパクパクするようになります。
鼻上げとも呼ばれるこの行動は、金魚が水面を動かすことで少しでも水中に酸素を入れるための行動です。
見つけ次第、エアーレーションを入れるか、ホームセンターやペットショップで売られている酸素を出す石などを使って、すぐに対応してあげる必要があります。
餌をあげても収まらない、飼って間もなくまだ懐いていない金魚が行っている、この2つの場合は空腹でなく、酸欠である可能性が高いです。
また、酸欠に陥る理由としては、水槽の大きさに対して金魚の数が多すぎることも考えられます。
体長5センチ程度の小型の金魚1匹に対して、水の量は5リットルが目安とされ、水の量が多いほど水質が安定し金魚も快適に過ごせます。
一見かわいらしく見える金魚鉢など、小さな容器での飼育は水質の変化が激しく酸欠になりやすいため、数日間のみの使用にとどめるをオススメします。
しかし、水槽の大きさに合わせ運動量も増えるため、餌の量に気を付けないと金魚はどんどん大きく成長していきます。
計画的にお世話しやすい大きさで育てるよう注意しましょう。
水質の悪化
エアーレーションを付けても収まらず、餌にも興味を示さずぼんやりと口をパクパクさせている場合は水質の悪化、または水質が安定していないということが考えられます。
セッティングしたばかりでバクテリアが定着せず、残り餌やフンが原因で水質が悪化してしまう場合、特に夏場は水温も上がるため水槽内が汚れやすく、苦しそうに水面をパクパクすることがあります。
明らかに水が濁っていたり、悪臭がするなど、はっきりと判断できる場合はすぐに水替えを行いましょう。
その際、早く水をキレイにしようと温度やph値があまりにも違う大量の水を交換してしまうと、金魚にとっては急激な水質の変化がさらにストレスとなり、最悪の場合ショックで死んでしまうこともあります。
とはいえ、水質というものは私たち人間が目で見て確認できるものでもなく、特に初心者にとって水質の良し悪しを判断するのは難しいもの。
市販されている試薬を使って、より正確に水質を管理することをオススメします。
病気
丈夫で育てやすい金魚ですが、口をパクパクさせる行動は病気のサインである場合もあります。
元気がなくヒレも垂れ下がりぼーっと水面を漂っているような場合は、エラ病の可能性があります。
ぼーっとしていたと思うと突然早く泳いだり、泳ぐ姿がおかしかったり、餌を食べても吐き出してしまうような症状も現れ、重症化するとエラが腫れたり、最悪の場合死に至るケースも少なくありません。
原因は急激な水温、水質の変化、水質悪化が考えられます。
他の金魚が健康な場合はうつりませんが、それ以上に水質や環境が悪化するようであれば同じように発症する危険があります。
通常のお世話では、こまめな水替えが基本ですが、病気を発見した場合薬浴という治療を行う必要があります。
何匹か飼育しているうちの1匹が病気の場合は、治療の間隔離しましょう。
エアーレーションをし、グリーンFゴールドやリフィッシュなど市販の薬を使用し、治療中は絶食させましょう。
その他、目で見て確認できる変化がある場合は別の病気にかかっていることもあります。
よく観察して、見合った対処をしていきましょう。
金魚がパクパクする理由を見つけて対処しよう
このような病気を発見した場合でも、初期の段階であれば治療で治してあげることができます。
金魚を飼い始めたらまずは普段の動きを観察し、ちょっとした変化を見逃さないことが大切ですね。
小さな生き物ですが、大切な家族の一員です。
ひとつひとつの行動には意味が隠されているので、注意深く見守ってあげましょう。
わたしたち人間の空気の悪い環境で暮らせないのと同様、金魚も快適な水質を保たなければ健康で長生きできません。
こまめな水替えと適度な餌やりを心がけ、金魚との生活を楽しんでみて下さいね。