ハムスターなどの小動物から、小鳥、爬虫類のエサとして用いられているミルワーム。

見た目が苦手な方も多いかもしれませんが、栄養価も高くペットのエサとしてとても優秀です。

また値段も安く、上手に飼育・繁殖できれば経済的です。

手間要らず、しかもコスパに優れたミルワームを育成する上で知っておくべきことをご紹介します。

ミルワームの入手方法

普段、“虫”を買うという機会はなかなかないため「ミルワームなんてどこに売っているのだろう」と思われるかもしれませんが、案外簡単に手に入ります。

まずはペットショップ。

小鳥を扱っているペットショップには必ずと言ってよいほどあります。

ペットショップが隣接しているホームセンターでも取り扱われています。

近くに取り扱っているお店が見つからないという方は、インターネットで注文するのがよいでしょう。

ミルワームなどを専門に取り扱っているネットショップもあります。

これらはきちんとした飼育環境で高栄養のエサを与えられているため、安心してペットに与えられるという利点はありますが、送料がかさんだり、少量で取引ができなかったりとデメリットもあります。

専門店でなくてもAmazonなどのネットショップでも取り扱っています。

釣具店など、釣りエサとして売っているところもありますが、化学薬品が添加されている場合もあるので避けたほうが無難です。

ミルワームの育成に必要なもの

絶対にそろえるべきものはたったの2つ、「入れ物」と「ふすま」だけです。

まず「入れ物」ですが、ある程度高さと床面積があるものなら何でも大丈夫です。

オーソドックスなのは昆虫を飼うプラスチック製の飼育かごです。

大き目のタッパーでもよいでしょう。

どちらも内面がすべすべしていてミルワームが登って脱走するということもありません。

高ささえあれば、フタがなくてもめったなことでは脱走はしません。

次に「ふすま」ですが、これは小麦粉を作るときに出るカスで、ミルワームが潜って住みかとするために必要となります。

ふすまが手に入らないという方はパン粉でも代用できます。

準備ができたら

必要なものが揃ったら、いよいよ育成開始です。

まず飼育ケースにふすまを5~10cmほど敷きます。

買ってきたミルワームをケースに移します。

たったこれだけです。

いくつか注意点を挙げるならば、買ってきたミルワームの中にはすでに死んでいたり、さなぎになっていたりしているものもあるので、それらは割りばしなどで丁寧に取り上げてください。

さなぎになっているものは繁殖(後述)に使いますので、ほかのケースにより分けておきましょう。

ケースの置き場所ですが、風通しの良い場所が理想です。

温度は人が過ごしやすいと思う温度がちょうどよいです。

5℃以下になると活動が停止し、その状態が長く続くと死んでしまいます。

高温も同じで、死んでしまいますし臭いが発生しますので避けてください。

夏場など涼しいからといって外に置くのはやめましょう。

野鳥のエサ食となってしまいます。

ミルワームのエサ

ミルワームは雑食で何でも食べます。

極端な話、ふすまだけでも長い間生きることができます。

しかし、ペットのエサとしてミルワームを用いる場合にはふすまだけでは栄養価が低くなってしまうため避けたいところです。

バランスの良いエサを心がけましょう。

ミルワームはリンが豊富に含まれていますが、反対にカルシウムに乏しいので小松菜などの野菜を与えるとよいです。

また動物性のタンパク質をたまに与えることも大事です。

水でやや湿らせたハムスターのエサを与えてもよいでしょう。

どうしても気になる臭い対策

ミルワームを飼育したことがない方にとっての懸念材料となっている「臭い」についてです。

他のジャイアントミルワームやコオロギなどの虫に比べれば臭いは少ないですが、適切な手入れを怠ると臭いが発生します。

1番の臭いの原因は水分です。

ケース内に水気や湿気がこもらないよう注意する必要があります。

臭いの点に限らずミルワームは水が苦手なので水の取り扱いには気を付けましょう。

残ったエサはこまめに取り除くべきです。

また死骸も臭いの原因となります。

黒くなったミルワームを床材の表面に見つけたら、すぐに取り除いてください。

臭いからとフタで密閉するなんてことはご法度です。

逆にフタはしないことです。

高さがあるのならフタなしで常に換気がされている状態にすると、臭いは軽減されます。

湿気を防ぐため、床材のふすまは薄く敷き1か月に1回は交換するようにしましょう。

繁殖の方法

ミルワームは比較的簡単に成虫になります。

さなぎを見つけたら、飼育ケースをもう1つ用意して隔離しておきます。

黒い成虫が増えて来たらそのまま放置です。

交尾をし、卵を産みます。

卵も生まれたての幼虫も小さいため、なかなか確認はできないかとは思いますが、そのまましばらく置いておくとちょうどよい大きさのミルワームに成長します。

時間はかかりますが、焦らず経過を見守りましょう。

ミルワームと付き合う上での心構え

初めて見れば気持ちの悪いミルワームですが、育てているうちに愛着がわいてくるものです。

顎も小さく、噛まれる心配もありませんから、見た目に慣れさえすれば手で扱えるようになります。

小動物のエサとしてミルワームを飼育していると、小動物の世話をしている時間よりミルワームの世話をしている時間が長いことに気づくことがあります。

これを機会にミルワームを飼育してみてはいかがでしょうか。