猫が出てくる映画は古今東西はアニメーションから実写までいろいろありますが、今回は猫が出てくる実写映画を紹介します。

猫はツンデレ気味で犬は忠誠な感じがしますが、映画に出てくる猫にもしぐさも見ていると楽しいです。

グーグーだって猫である

大島弓子さんのエッセイコミックを実写映画化した作品です。

グーグーというのが猫の名前でアメリカンショートヘアという種類の猫です。

グーグーな名前の由来は英語のグッドグッドからきているらしいです。

以前大島弓子さんはサバという名前の猫を飼っていました。

1982年から飼い始めて、1995年に亡くなるまで共に生活をしていたそうです。

大島弓子さんの漫画には猫の擬人化の表現があり、「綿の国星」では主人公を捨てられた飼い猫として表現しています。

この主人公の猫は自分自身を人間と思っているという事で話が進みます。

永い間猫を暮らしてきたことで、猫に対する興味・共感が深くなり、この様な作品が生み出せたのかもしれません。

この映画では、グーグーと共に暮らしている主人公の漫画家の周辺で起きる日常の出来事を描いています。

生きていれば誰でも感じる生きずらさ、そしてその生きずらさをどの様に納得していくか、を映画のマジックで上手く表現しています。

猫好きの方も、そうでない方にもオススメです。

陽だまりの彼女

越谷オサムさんの小説をもとに実写映画化した作品です。

「女子が男子に読んでほし恋愛小説No.1」といううたい文句の書店のポップから火がつき、現在は累計発行部数100万部を超えています。

この映画はいわゆる、昔話の「鶴の恩返し」に代表される「恩返しもの」であり、好きになった相手がかつて助けた猫かも知れないという話です。

動物を飼う時あわよくば、何か自分に良い事が返ってこないかと想像することが有りますが、これはその代表例です。

猫は昔から妖怪じみたところがあり、猫又という妖怪は長生きした猫が知性を持つことに寄り登場した妖怪です。

猫又の名前の由来は尻尾は二つに分かれて二本ある状態を指します。

また、猫は九つの魂を持っているとも言われ、猫はとてもたくましいという印象があります。

しかし、実際の猫の寿命は大体5年ぐらいで、野良猫になると1~2年程度のようです。

たくましく生きている印象がある動物たちですが、実際はとても短いのです。

人が人と出会うのも運命なら、人が猫と出会うのもまた運命。

この映画は出逢いを大切にしようというメッセージが込められていると感じます。

ちなみにテーマソングはビーチボーイズの「素敵じゃないか」です。

黒猫

エドガー・アラン・ポーの小説をもとに実写映画化された作品です。

この作品が生まれたのは1934年です。

なんと80年以上前の作品になります。

ポーの作品は怪奇趣味、ミステリ趣味が強くホラーファンには魅力があります。

ポーの作品の特徴に、生きながら埋葬される早すぎる死や、分身のイメージがあり、この作品は両方のエッセンスが入っています。

物語としては昔からあり、多くの人に知られているために面白みは薄くなっているかもしれませんが、古典の物語の強度があり、楽しめる内容です。

欧米の黒猫は不吉の象徴として扱われ、魔女狩りの対象として殺されることもあったようです。

また黒という色の為、存在を隠すことができるという事で魔女の使い魔として扱われてきており、

それに対して、日本での黒猫の扱いは、夜でも目が見えるという事で「副猫」として魔除けとして扱われてきました。

文化が変われば内容も変わるので、ポーの持つイメージはイメージとして、楽しむのが良いと思います。

猫にも猫の物語があると思うと、ひとが猫を見る目がそれぞれあり、猫の生活も楽じゃない、と思ったりします。

まあだだよ

内田百閒さんの小説をもとに実写映画化した作品です。

この映画は黒澤明監督が生前に残した最後に作品です。

後期の黒澤監督は「夢」などに代表されるように幻想や奇想に対する親近性が強くなっていました。

そのため、幻想的私小説を描いた内田百閒を主人公にして映画を撮ろうとしていたのではないか、と思われます。

この作品は内田百閒さんの門下生が摩阿陀会という会を先生の為に作り、門下生たちが「まあだかい」と呼びかけると先生が「まあだだよ」と返すところからきています。

なにが「まあだ」なのかというと「まあだ死なないのかい」ということで、それに対し「まあだしなないよ」と返しています。

この作品にノラという猫が出てきます。

内田先生はノラをとても可愛がっていましたが、ある時行方不明になってしまいます。

突然可愛がっていたノラがいなくなり、ノラや、ノラやと言いながら生活をして、新聞に折り込み広告を出すことまで考えます。

この時の事も内田先生は「ノラや」という随筆に書いていて、猫の事を四六時中考えて暮らしていたと思うと、猫冥利に尽きると思われます。

猫は動物なので多分に自分勝手に生きています。

しかし、猫を愛していた内田先生の気持ちは本物だったと思います。

猫映画を楽しもう

今回は猫の出てくる映画をご紹介しました。

猫は動物なのでどの様な感情があるのか知れません。

国や文化によりその動物の持っている物語や説話は変化して、どの様な意味合いを持つのかさえも人間にも計り知れないものです。

人間の事さえも知れないのなら、猫に気持も計り知れません。

依然として、猫はツンデレ気味で可愛いのですが、時には主人の事を考えて行動してほしいものです。

飼い主の勝手な推測で、たまに意地悪して、猫と共に生活するのが猫を飼う楽しみの一つかもしれません。