猫の口元

家の猫がよく口元を気にしていたり、頻繁に掻いていたりしていると思って口元を見たら、赤くなってただれていたりするとびっくりしますよね。

その、口元の赤くなっているときに考えられる原因をご紹介します。

掻き過ぎ

猫は痒みにとても敏感な動物です。

猫がよく、後ろ足を使って体を掻いているのを見たことがあるかと思います。

毛づくろいの一環で、体の痒いところを掻いているのはごく普通のことですが、しきりに同じ場所を掻いている場合は何か問題がある場合が多いです。

特に口元は掻きやすい場所でもありますし、掻くのが癖になっていたり、何らかの原因によって痒みがあるために掻き過ぎたりしていると、元々の原因となるものがひどくなくても、爪で傷をつけてしまい、そこからバイ菌が入り炎症が起こり赤くなってしまいます。

ですので、爪で皮膚を傷つけないように、日ごろから爪を短くしておきましょう。

こすりすぎ

猫は、顔をスリスリとこすり付けてくる習性があります。

あごや口元などに臭腺という臭いを出すところがあります。

顔をこすり付けることによって、自分のものや縄張りを示すために自分の匂いを付けるようなマーキングや、人や猫同士なら挨拶や、愛情を表現するためにこういった行動をします。

しかし、このこすり付ける行動が行き過ぎるときや、マーキングをする場所や物がこすれて痛いような素材のときだと、気付かないうちに口元が赤くなってしまうこともあります。

癖や、猫の性格の問題でもありますので、よく色々な所にスリスリしているような猫なら、定期的に口元はチェックしておきましょう。

ニキビ

ニキビと言ったら、赤みのある吹き出物のようなものが顔全体に出来るという印象ですが、猫のニキビは、口元やあごにブツブツした黒いものが出てきます。

人とのニキビのイメージと少し違うので、初めてみるとニキビと分からない場合が多いです。

この猫のニキビは、皮脂の過剰な分泌、ストレスやニキビダニなどの他にも様々な事が原因でできてしまいます。

軽度だったら、少しの黒いものが見える程度ですが、重度になるとあごや口元が炎症を起こして赤くなり、掻いたりすることによって出血してしまうこともあります。

重度になる前に、温めたタオルで拭いてあげたりして清潔に保つように心がけてあげましょう。

アレルギー

アレルギーは、食べ物や花粉、ほこり、接触したものなどによって引き起こされます。

症状としては、発疹、皮膚の赤み、腫れなどです。

食べ物によるアレルギーは、全身に出る事が多く、口元に出る場合もあります。

また、食事の際、金属の食器に触れ口元が赤くなる金属アレルギーの猫もいます。

この場合は、食器を変えてあげることで症状が治まります。

その他、外へ行く猫の場合、アレルギー反応を起こす植物に顔が触れ、顔や口元が赤くなってしまう場合もあります。

いずれにしても、アレルギーによる皮膚の異常はかなりの痒みを伴うので、引っ掻いてしまい、さらに症状が悪化してしまいます。

なるべくアレルギーの原因を把握して、避けるようにしてあげましょう。

口唇炎

口唇炎とは、ウイルスや細菌の感染によって唇に起こる炎症です。

赤くただれたり、唇が腫れたり、潰瘍になったりもします。

口唇炎は、口内炎と併発することが多くいので、口唇炎の症状が見られたら、口内炎にもなっているということもあります。

抵抗力が弱っていたり、栄養不足になっていたりすると口唇炎を引き起こしやすいです。

また、猫が高齢になると、歯周病になり歯が抜けそうになってグラグラになったり、歯の位置がずれてしまったりすることがあります。

そのとき、特に犬歯がずれて、唇に当たる位置にあると、炎症が起こってしまう場合もあります。

口内炎や口唇炎や歯周病になると痛みや違和感でしきりに気にするようになり、前足などでこすり、そこがまた赤くただれて悪化する場合もあります。

好酸球性肉芽腫

好酸球性肉芽腫とは、猫独特の皮膚炎の1つで、病型は大きく分けて、無痛性潰瘍、好酸球性プラーク、線状肉芽腫といった3つの種類があります。

この中の口元に関する病型は、無痛性潰瘍と言って、上唇や上あごが赤くなったりただれたり、潰瘍になったりするのが主な症状です。

この病型は、見た目の割に痛みが無いのが特徴です。

原因は、アレルギーや寄生虫、細菌感染などがあると言われています。

皮膚を清潔に保ち、抵抗力を落とさないように家でしっかり管理してあげることが大切です。

猫の口元が赤くなっている時は病院へ

基本的に口元が赤くなっている原因は、口周りの皮膚の炎症や唇や口内などの粘膜の炎症がほとんどです。

今回、6つの考えられる原因を紹介しましたが、主に考えられる原因であって、他にも色々な事が原因で赤みを引き起こします。

自己判断せずに、赤みが治まらなければ、動物病院で診てもらいましょう。