最近流行っている動画で、飼い猫にきゅうりを見せたらびっくりして飛び跳ねるものがあります。
猫の動きがとてもユーモラスで、思わず笑みがこぼれます。
しかし、猫は怯えて怖がっているようにも見えます。
何故、猫は生き物ですらないきゅうりを見て怖がるのでしょうか?
猫にきゅうりを見せると怖がる理由をご紹介します。
ヘビに見えるから怖い
好奇心旺盛で怖いもの知らずな性格の持ち主が多い猫。
敵や縄張りに侵入してくる相手に対しては、強烈な猫パンチをお見舞いすることもあります。
一見怖いものなんてなさそうな猫ですが、そんな猫にも怖いものがあります。
それはヘビです。
室内飼いの猫が多くなり、屋外でもなかなかヘビを見ることがなくなった昨今ですが、猫の遺伝子の中に「ヘビ=怖いもの」というイメージはしっかりと刻み込まれています。
ヘビは細長い形状をしていますので、同じように細長い形状をしているきゅうりをヘビが現れたと勘違いし、怖がっているのではないかと考えられています。
表面のトゲが痛いから怖い
きゅうりにはトゲがあります。
最近は品種改良が行われてトゲが少ないきゅうりも増えてきましたが、昔ながらの品種のきゅうりにはトゲがあり、素手で触れないくらい鋭いトゲを持つきゅうりもあります。
何故きゅうりにトゲがあるのかというと、鳥や虫などから食べられないように自分の身を守るためにトゲを持つようになりました。
親戚などにきゅうり農家や家庭菜園などできゅうりを育てている人も多く、たまたま飼い猫がトゲの鋭いきゅうりを触ってしまって痛い思いをしたために、
後日きゅうりを見て痛かった記憶を思い出して恐怖心を抱いた可能性があります。
見慣れないから怖い
猫は見慣れないものに対して、恐怖心を抱く傾向があります。
猫は、本来肉食系の動物ですので、スズメなどの鳥類やネズミやうさぎなどの小型の哺乳類、カエルなどの小型の両生類などを捕まえて食べる習性があります。
しかし、人間と生活をするうちに人間がエサを用意してくれるようになり、自分の力で獲物を捕まえる必要がなくなりました。
その結果、きゅうりなどの野菜などを与えられて食べるようになった猫もいますが、本来であれば食べないものなので、見慣れなくてびっくりし、怖がっているのではないかと考えられています。
ちなみに、猫がきゅうりを食べるのは問題ありません。
ただし、水分が多いためあげ過ぎには注意が必要です。
細長いものに対してトラウマがあるから怖い
猫は記憶力が優れているため、嫌だったり辛かった記憶は、いつまでも心に残って覚えていることがあります。
いわゆる、トラウマになっている状態です。
例えば、細長い棒状のもので殴られたりした経験がある猫は、同じような細長い形状のものを見ると、そのときのことを思い出し、怖がります。
きゅうりは棒状の形状をしているため、「殴られるかも知れない」と思い、怖かった記憶がよみがえり、怯えたり仰け反ったりする反応を見せます。
これは猫にとってトラウマになっており、このような猫にきゅうりを見せるのは大変ストレスがかかった状態になりますので、やめておいてあげましょう。
そこにあるとは思っていなかったから怖い
今流行っている猫がきゅうりを見てびっくりして飛び跳ねる動画をよく観てみると、猫が後ろを向いてエサを食べている隙に、飼い主がそっときゅうりを置いていました。
当然、猫からしてみれば、そこにきゅうりが置いてあるなんて想像していません。
そして、何気なく振り返ってみると、そこにはきゅうりが。
「そこには絶対にあるはずのないものがあった」という事実にパニックを起こしてしまい、怖がってしまったのではないかと考えられます。
びっくりしている猫を見るのは、飼い主からしてみれば微笑ましい光景かも知れませんが、猫からすれば毎回びっくりするだけで心が休まってないのかも知れません。
もともと臆病な性格だった
一口に猫といっても様々な種類の猫がおり、、色々な性格の猫がいます。
好奇心旺盛な猫、甘えん坊な猫、寂しがり屋な猫、賢く飼い主の行動パターンを学習する猫、明るく活動的な猫、気が強く攻撃的な猫、穏やかで優しい性格の猫…。
そして、臆病で内気な性格の猫もいます。
臆病な性格の猫でも、きゅうりを普段から見慣れていれば怖がらないこともあると思いますが、臆病な性格の猫が初めてきゅうりを見たらどうなるか…。
突然起こった事態に怯え、臆病ではない猫以上に驚いた上に、最悪飼い主と築き上げてきた関係を崩してしまう可能性もあります。
きゅうりを嫌がる猫の気持ちを知ろう
猫がきゅうりを怖がる理由を見てきました。
猫にとっては、きゅうりがヘビに見えたり見慣れていないために恐怖心を抱いてしまっているケースもあります。
怖がる猫の中には、もともと臆病な性格の猫もいます。
猫にきゅうりを見せる動画は、「面白い」、「自分も飼い猫に試してみたい」という肯定派と、「びっくりしている猫が可哀想だ」という否定派の2つの意見が出ています。
自分の飼い猫に試すのは自由ですが、自分が面白いと思っても、もし猫が嫌がるようでしたら、それは嫌がらせでしかありません。
飼い猫の性格を考慮しながら、試すかどうか決めた方が良いでしょう。