猫の瞳孔はまんまるに大きくなったり、スッと縦に細くなっていたりと色々変化します。
瞳孔の大きさで可愛く見えたり怖く見えたりと、顔の表情も変わって見えて面白いですよね。
瞳孔が大きくなったり細くなったりするのはどういう時に起こるのでしょうか。
1.明るさによって変わる
人間と同じように猫の瞳孔も明るさで大きさが変わります。
暗い所では大きくなり、明るい所では小さくなるのは一緒ですよね。
人間と違うのはどのように瞳孔を小さくするか、という点です。
人間は丸いままギュッと小さく絞るのですが、猫の場合は縦に細く絞ります。
なので猫の瞳孔は明るくなるにつれてはどんどん細くなっていきます。
何故猫は縦に絞るのかというと、明るさの変化に素早く対応できるのだそうです。
暗い所や興味ある物を見つけた時は瞳孔を大きく開いて沢山光を集めて見ているので、その状態で急に明るい光が来たら目を痛めてしまいますもんね。
素早く光を調整する機能は暗闇で活動する猫にはとても重要なんでしょうね。
また、昔の人は猫の目を見て時間を調べていたという面白い話もあります。
明るさで変わる猫の目の大きさを見れば、今が大体何時かわかったんだそうです。
室内で飼われていることが多い現代では思いつかないような知識ですよね。
2.何かに興味を持っている
突然クワッと黒目を大きくしてジッと何かを見つめている・・・なんて時は、何か興味がある物を発見した時です。
光をより多く集めて獲物をしっかり見るために、大きく瞳孔を開いて見ようとしています。
猫じゃらし等のおもちゃで遊んでいる時はとてもわかりやすく瞳孔の大きさが変化します。
猫じゃらしを動かしている間は瞳孔は小さくなるのですが、ピタッと止めると瞳孔が大きく広がります。
動かしたり止めたりを繰り返すと、瞳孔が大きくなったり小さくなったりするのを観察することができます。
たまに瞳孔を大きくして部屋の隅をジーっと見ているのに、視線の先には何もなくて「猫には何か見えてるんじゃ・・・」なんて思ってしまう人もいますよね。
でも実際は人間には気づかないような小さな虫やホコリ等を「なんだろう?」と一生懸命見ているだけなんでしょうね。
3.怒っている・興奮している
瞳孔が開いて黒目がちになっている猫は凄く可愛らしい顔に見えます。
しかし、明るい所でも黒目がちになっている猫は、物凄く怒っているかもしれませんので気をつけましょう。
猫の瞳孔はアドレナリンの分泌量でも変化するともいわれます。
怒りや興奮状態になった時はアドレナリンが放出されて、明るさに関係なく瞳孔が開いてしまうのです。
瞳孔が細く鋭い時の方が顔が怖くて怒っているように見えるのですが、まったくの反対なんですね。
まんまるな目で可愛い顔だからとうっかり近づくと、噛まれたり引っかかれてしまったりする危険があるので注意が必要です。
遊んでいる時でも瞳孔が開いていることは考えられます。
どちらにしろ興奮している状態の時は攻撃される危険があるので、あまり近づかないようにした方が良いでしょうね。
4.驚きや不安、緊張している
とてもリラックスしている状態の時に急に大きな音がなったり、何かビックリするようなことが起こると瞬時に瞳孔が大きくなります。
「何だ?」という興味や、「何か起こった」というちょっとした興奮状態になるんでしょうね。
ビックリした原因によってはすぐに大きさが元に戻ったり、そのまましばらく大きいままになったりします。
また、不安や何か緊張することあったりすると左右で目の大きさが変わり、瞬きもせず目を見開いたままになってしまうことがあります。
知らない人や初めての場所で凄い緊張状態になった時になりやすいようです。
この状態は全ての猫に起こるわけではないのですが、一度なってしまうと何度もなりやすくなってしまうとか。
また、子猫の頃に猫風邪にかかって目を痛めた猫にも起こりやすいようです。
ほとんどの場合が自然に治るようなのですが、何か病気の可能性もあるので原因を知るためにも一度病院で診てもらうことをオススメします。
5.病気にかかっている
明るさも関係なく何かに興味を持っていたり興奮しているような感じでもないのに、常に瞳孔が開いている状態の場合は注意が必要です。
このような状態になっている場合は、緑内障や網膜、神経系の病気にかかっているかもしれません。
高齢の猫になってくると、慢性腎不全や甲状腺機能亢進症等の病気の可能性も高くなります。
脳の病気なども考えられますが、どのような場合でも瞳孔以外にもおかしな症状が出てくるはずです。
視力を失ってしまったり、命にかかわる病気が潜んでいるかもしれません。
少しでも異常を感じた場合は、様子をみるということはせずにすぐに病院で診てもらうようにしましょう。
瞳孔の変化で感情までわかる
無表情で何を考えているかわからない猫ですが、瞳孔はこんなにも感情を表しているんですね。
しっかり見るためだけではなく、怒りや興奮といった感情でも瞳孔が大きく変化するというのは面白いです。
「目は口ほどに物をいう」という言葉は、人間よりも猫にぴったりな言葉かもしれませんね。
猫の目を観察することで病気にも気づいてあげられるかもしれませんが、ジッと目を見ると猫はとても嫌がるので気をつけましょう。
普段からスキンシップを取ることで自然な感じで目を観察して、少しでも異変があった時に気づいてあげられるようにしたいですね。