猫の歯周病を防ごう。症状・原因・治療法を解説

最終更新日:2016年6月5日

猫にも人間と同じように歯周病があるってご存知ですか?

動物は人間よりも丈夫で野生の本能があるから病気になりにくいはずだし、虫歯や歯周病なんて聞いたことがない、という方も多いかと思います。

しかし、歯周病は猫の宿命と言っても良い病気です。

1.歯周病とは

そもそも、歯周病ってどういう状態なの?という方も多いと思います。

歯肉(歯茎)に炎症が限局している状態を歯肉炎と言い、歯肉炎が慢性的に経過して歯の周りの歯周組織に広がった物を歯周炎と呼びます。

歯肉炎と歯周炎を合わせて歯周病と呼ぶと考えていただければ概ね間違いはありません。

一般的に年齢を重ねるごとに罹患する可能性が高い病気で、三歳以上の猫では80%が何らかの歯の病気にかかっていると言われています。

高齢の猫は特に要注意です。

歯は食事の要ですから、ご飯が食べられない猫はすぐに弱ってしまい、他の病気にもかかりやすくなってしまいます。


2.歯周病の症状

一般的に、歯肉炎では歯茎が赤く腫れあがったり、出血しやすくなったります。

歯周炎まで症状が進んでしまうと、
・プラーク(いわゆる歯垢)や歯石が歯に沈着する
・歯肉から膿が出てくる
・口臭が臭くなる
・人間でいうところの歯周ポケットができる
・歯茎の色が変わり、痩せてくる
・歯茎が下がり歯の根っこが露出する
・歯がグラグラする
・歯茎に触れると痛がる
といった症状が出てきます。

また、見えない部分では歯槽が溶け出している場合もあります。

・息が臭くなってきたり、よだれをいつも垂らしている
・歯が抜けてしまったり、食欲が以前よりもなくなった
・噛み方や食べ方がいつもと違う
等の事に気づいたら歯周病を疑ってみてください。

3.歯周病の原因

歯周病の原因は前述のプラークにあります。

唾液や食べ物の残りかすが歯や歯肉との間に蓄積し、細菌が増殖してプラークとなります。

プラークをそのまま放置していると石灰化して沈着し、石灰化したプラークはやがて歯石になります。

歯石は歯肉に炎症を起こして歯肉炎となり、炎症がさらに進行すると歯や歯肉を支えている組織に炎症が広がり、破壊します。

そうなると、猫も痛みを感じ、酷いときには歯が抜け落ちてしまいます。

そうなってしまうと、食欲も段々なくなっていき、弱ってしまいます。

犬では歯が密集していることから、小型犬でより多く見られる歯周病ですが、猫ではアビシニアンやソマリといった品種で比較的多く見られるようです。

とはいっても、他の品種だから大丈夫というわけでは決してないので甘く見てはいけません。


4.歯周病の治療

歯肉炎に対しては、プラークの除去と抗菌薬の投与が有効とされています。

ペニシリン系かテトラサイクリン系の抗菌薬を数日間投与することで回復が見られます。

歯周炎まで進行してしまっているのであれば、プラークや歯石を外科的に除去する必要があります。

またスケーリングといって歯の表面や歯肉ポケットをキレイにし、ヨード系の消毒薬や抗菌剤を塗布することになります。

あまりにも酷い歯周囲に感染が広がってしまうので抜いてしまい、抜いた後のカスもキレイにする必要があります。

ただし、スケーリングを行うには麻酔をかけなければいけないので、あまりにも弱っていたり高齢の猫には行う事ができません。

いずれにしても獣医さんにしかできないことなので、気づいたら早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。

5.歯周病の予防

歯周病の予防は人間と同じです。

すなわち、しっかりと歯磨きをしてあげることです。

日頃からブラッシングをしてあげて、プラークをしっかりと除去してあげましょう。

ペットショップやネット通販で動物用の歯ブラシは簡単に手に入りますし、綿棒で代用しても構いません。

水は常に新鮮なものを用意し、食物繊維が多く含まれたフードをあげるのも良いですね。

また、年に1~2回くらい獣医さんにスケーリングをしてもらうのが好ましいです。

先ほども述べたように、歯周病は猫が年齢を重ねるごとにかかりやすくなっていく、避けられない病気の一つです。

それでも、しっかりと予防すればある程度は防げる病気ですので、面倒くさがらずしっかりとケアしてあげましょう。

猫を歯周病から守ろう

人間と同じように、歯に病気があると、動物はすぐにご飯を食べなくなって病気になってしまいます。

また、歯周病の細菌が心臓や肝臓、腎臓に広がってしまう事もあります。

なにより、ペットにとって美味しくごはんが食べられないというのは何よりも辛いことです。

猫が幸せに長生きするために決して欠かせないのが歯のケアですので、しっかりと見てあげるようにしましょう。

猫と末永く暮らしていくために、今日から猫の歯磨きを考えてみてはいかがでしょうか?

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