日本にも、秋田犬などの伝統的な日本犬が多数存在しています。

しかし、日本スピッツはそうした犬とは少し一線を画す生い立ちがあります。

洋犬をルーツとしながらも、日本で独自に改良が進んだ日本スピッツは、北欧などでも人気のある犬種のひとつです。

今回は、そんな日本スピッツの体の成長や、大きさについてご紹介します。

1.日本スピッツの特徴

日本スピッツは、その名前の通り日本が原産のスピッツ系の犬種のひとつです。

特徴はスピッツ犬らしい細く長い口先と、真っ白でふわふわの被毛です。

現在のところ、洋犬の人気に押されて爆発的な人気はありませんが、根強い愛好家が存在しています。

ベースとなっているのは、ジャーマン・スピッツやボルピノ・イタリアーノといったスピッツ犬です。

明治から大正にかけて、こうした犬が大陸を渡り日本に輸入されるようになりました。

その後、日本で繁殖や交配が進められていくうちに、日本スピッツという犬種の確立に至りました。

性格はとても活発で、遊んだり体を動かしたりするのが好きなアクティブさがあります。

飼い主にはとても忠実に接し、積極的にコミュニケーションを求めることもある愛嬌があります。

しかし、中には警戒心が強かったり、臆病な性格の犬もいたりします。

2.日本スピッツの体の大きさ

日本スピッツは、多くの場合には中型犬に分類されます。

ルーツとされるジャーマン・スピッツには、比較的大型になる犬もいたりします。

しかし、日本スピッツは、ペットショップなどによっては小型犬とされることもあるほどです。

標準的な日本スピッツの体高は、だいたい30〜38cmくらいでしょう。

オスとメスの間に身体的な違いはそれほど大きく見られません。

しかし、メスの方が少し小柄であることが多くなります。

大人になると、日本スピッツの体重は6〜10kgくらいになります。

もともと明るく元気の良い性格を持っており、元気に走り回る子が多い犬です。

そのため運動量も少なくない犬種ですが、それほど扱いに困るというサイズではないでしょう。

3.日本スピッツが産まれてから大人になるまで

日本スピッツの赤ちゃんは、約200g〜300gくらいの体重で母犬のお腹から出てきます。

多くの仔犬は、だいたい生後2ヶ月から3ヶ月くらいで家に迎え入れることが多いでしょう。

その時の体重は、概ね2〜3kgになっているでしょう。

このくらいの時期には、まだ非常にあどけない表情を残しています。

スピッツ犬の特徴である少し尖ったマズルの影は薄く、ぬいぐるみのように可愛い姿です。

大人の犬の特徴が出てくるのは、生後6ヶ月を過ぎたくらいからです。

生後6ヶ月から1年にかけては、緩やかに体重が増加していきます。

徐々に顔の立体感も出てきて、だんだんと凛々しい顔つきに変化していきます。

被毛もふさふさの毛がたっぷりと生えてきて、徐々に大人の日本スピッツへと成長していきます。

4.日本スピッツの成犬期を過ぎてから

日本スピッツの体の成長は、だいたい生後10ヶ月〜12ヶ月くらいで落ち着いてきます。

成長期の期間に関しては、若干の個体差がありますが、それほど体が大きくなる犬種ではありません。

早い段階で成長がおさまる犬もいたりするので、体重の変化は参考程度にするのがよいでしょう。

成犬になってからは、骨や関節のケガや病気に注意するようにしましょう。

ふわふわの被毛に隠れて分かりにくいのですが、日本スピッツの足はとてもほっそりしています。

そのため、膝蓋骨や股関節の異常が起きやすい犬種でもあります。

日本スピッツの平均的な寿命は、だいたい12〜14年くらいが目安になります。

6歳を過ぎた中年期からシニア期にかけては、心臓病や甲状腺の機能低下などが起きやすい犬種です。

こうした病気は肥満が原因であることも多いため、日頃の食事や運動に気を使う必要があります。

5.日本スピッツの成長と気を付けたいこと

日本スピッツは、かつて日本で非常に多く飼育されていました。

しかし、甲高く吠えたりするのでうるさいといった理由で、一時期は人気が落ちこんだ時期があります。

ですが、決してもともとこうした性質を持ち合わせているわけではありません。

最近では、犬種の改良も進み、それほど無駄吠えの多い犬も少なくなりました。

ですが、好奇心旺盛でやんちゃな性格でもあるので、しっかりとしたしつけが大切になってきます。

生後3ヶ月から6ヶ月くらいの成長期には、吠えグセをきちんと直しておくようにしましょう。

また、利口でしつけの飲み込みも良い犬ですが、他人への警戒心が強く働くこともあります。

吠えグセと同時に、多くの人や犬に触れて社会性を培うことも重要です。

そうすることで、非常に快活な性格で、飼いやすい犬に成長してくれるでしょう。

成犬の日本スピッツについて知ろう

日本スピッツは、古くから日本で飼われていることもあり、とても日本人の生活にあっている犬と言えます。

体も大きくなり過ぎず、一般の家庭で扱いやすいサイズでしょう。

室内飼いでもできる犬ですし、体の大きさがネックになるようなことはないはずです。

性格に関しては、成長期のしつけなども大きく影響しますが、それほど手を焼かせることもなく、小さな子どもように可愛がることができるでしょう。