近年、全国各地で地震や水災害などが頻発していて、ペットとどのように避難するか考えている方も多いかと思います。

ペット用の支援物資は、人間のものより遅れて届くことが想定されており、環境省では最低でも5日分の準備を呼び掛けています。

では、どのような避難用グッズを準備しておけば良いのでしょうか。

水は飲料水にもなりますし、災害で負った傷の手当や、日頃のケアにも使えます。

災害状況によっては避難所が断水になることもあり、ペット用に配るお水がない、と言われる可能性もあるので、ペット用のお水は準備しておきたいものです。

体重5キロの犬の5日分の必要なお水量は、約2リットルになり、結構な量になります。

ただし、人間用の市販ミネラルウォーターは、ペットにとってはミネラル過剰摂取の原因となることもあり、悪影響を及ぼす可能性もあります。

犬猫用のミネラルを抜いたお水も売っていますので、前もって準備しておきましょう。

また、赤ちゃん用の純水も代用できます。

フード

フードは日頃食べ慣れているものを準備しておくのが良いでしょう。

ペット用の救援物資の到着は、遅くなることが想定されます。

また、届いたとしても、ペットがそのフードを嫌って食べない、という状況も考えられます。

また療法食や特別食については、長期化を想定して、多めに準備しておきましょう。

日頃食べているフードを与えることで、避難で生じた生活環境の変化によるストレスも軽減できるかもしれません。

また避難用には、現在食べている開封済みのものや、大きな袋に入っているタイプのものではなく、開封されていない小袋タイプのものを、あらかじめ幾つかストックしておくと、持ち運びしやすくなります。

ペットがどのくらいの量を一日に食べているのかを日頃から把握して、フードはできるだけ多くの日数分を用意しておくことをオススメします。

トイレグッズ

避難所ではペットの衛生面に配慮しなければいけないので、きちんと準備しておきたいグッズの一つです。

猫用には室内でも使える携帯用トイレが便利です。

犬用には、超薄型のトイレシーツがあります。

かさばらないので、枚数をたくさん準備することができます。

トイレシートは吸水性があるので、防水シートにも使えます。

また洗えるタイプのシーツもあります。

犬用のトイレシーツは、ゴミになりますので、避難所でお水の問題がなければ、洗えるタイプを使用するというのも一つのアイディアです。

また便処理袋も必須です。

ペーパーと袋が一体化しているので、ゴミとして捨てることもできます。

袋は柄が入って中が見えないようになっているものや、消臭効果があるタイプのものもあるので、なるべく周りの迷惑にならずに処理できるように準備しておきましょう。

ケージ・キャリー・サークル

避難所では、犬猫が苦手だったり、アレルギーがある方もいます。

皆さんやペットが快適に過ごせるように、ケージ、キャリーやサークルの準備も必要になります。

小型犬や猫には、リュック・手提げ・ショルダーになる3wayのキャリーもあります。

他の避難用グッズが収納できるポケットもたくさんついていて便利です。

他にも、メッシュ構造で外が見える折り畳み式のペットハウスやキャリーもありますし、狭いところが苦手な犬には折り畳み式のサークルを使う方法もあります。

また犬用カートも便利です。

重さにある程度耐えられるので、ペットと重い荷物を載せて避難先まで向かうことができます。

移動や避難所でのペットスペースについても考えましょう。

タオル・ブランケット

ブランケットは、避難所内を移動する時にキャリーの目隠しにしたり、不安がるペットを包んであげたりと、季節によっては防寒にも使えるので重宝します。

柔らかいブランケットは緊張しているペットを落ち着かせる効果もあります。

また床・地面に座る時のマット代わりにもなるので、色々な方法で使えそうです。

余裕があれば、速乾性のあるタオルもオススメです。

散歩時に雨に濡れてしまったり、土やほこりで手足を汚してしまったペットを拭くためのものです。

ペットをできるだけ清潔に保ち、避難所を汚さないために、小さなタオルがあれば便利でしょう。

その他

環境省が定める「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」には、水やフードと並んで優先順位の高いものがいくつかあります。

フードやお水をいれる携帯用食器。

近年の災害における避難所では、人間用の食器類の不足が問題になりました。

ペット用は飼い主の責任で準備しておきましょう。

予備の首輪やリードも、避難用グッズと共に入れておきましょう。

急いで避難する状況になった場合、玄関先に思わず忘れてしまいがちです。

また首輪やリードには、飼い主の連絡先などを必ず記載しましょう。

ワクチンの接種証明やかかりつけの病院情報も必要になります。

過去では、ワクチンやフィラリア予防をしていない犬が避難所で生活していることが問題になりました。

人間への配慮だけでなく、同じ場所で生活する犬猫の健康や安全に迷惑をかけないようにするのも、飼い主の責任です。

また病気があるペットは、かかりつけ病院とも連絡が取れるように、避難用グッズにもメモを入れておきましょう。

避難グッズは事前に備えておこう

環境省はペット同行避難を基本としました。

しかし、多くの人々と共同生活する避難所では、ペットを苦手とする人、アレルギーがある人もいて、飼い主次第では、ストレスやトラブルの原因にもなりかねません。

愛するペットの健康と安全を守るためにも、避難所でのトラブル回避のためにも、責任を持って、日頃から避難用グッズを備えておきましょう。