プードルは巻き毛で毛が抜けにくく、抜け毛の処理が必要ないため室内でも飼いやすい犬です。
しかし、毛が抜けにくいことから日々のブラッシングやトリミングが必要です。
以前は狩猟犬として実用的なトリミングがされていましたが、今ではその豊富な毛をいろいろな形にカットして楽しまれています。
そこで今回は、プードルのヘアカットの種類をご紹介します。
ティディベアカット
名前の通りティディベアのようにカットする方法で、もとは日本のトリマーである江頭重知が考案したとされています。
プードルではそれまで顔の毛を短くしてしまうカットが多かったのですが、あえて残してぬいぐるみの熊のようするのがかわいいと人気になりました。
現在のプードル人気の一因となった代表的なカットです。
今ではプードルと言えばこれという風にも思えるカットですが、やはり似合う場合とそうでない場合があります。
ぬいぐるみの熊のような顔になるには、やはり鼻から口にかけてが少し短い方がかわいく仕上がるでしょう。
また、毛質が大きく巻いているような場合の方がふんわりと仕上がります。
ただし、トリミングの技術も進んできており、ちょっとあわないかなと言うような場合でもうまくカットできることもあるのでトリマーの方と相談してみましょう。
また、口の周りに毛を残すので、食べ物などで汚れる場合があります。
年齢が高めで健康に気をつけたいので、清潔にしたい場合などは短くカットするスタイルの方が良いかも知れません。
モヒカンカット
名前の通り頭中心部分の毛の立たせるカットです。
立たせ方を大きくしたり、リボンをつけたり耳や口の周りの毛を大きく残したりすると、ワイルドになったりコミカルになったりといろいろな表情を楽しめます。
頭の部分のみのカット方法なので、体の他の部分には違うスタイルで組み合わせることもできます。
そのため、いろいろなカットと組み合わせて個性を出すことができる楽しいスタイルです。
トリマーの方と相談してはじめは控えめに耳などのボリュームとのバランスを調整し、表情を確かめながらだんだんと大きくして行くと良いでしょう。
アフロカット
人の髪型のアフロのように頭の周りに大きく丸く毛を残して広げるカット方法です。
人間の場合、アフロはちょっと怖いようなイメージがありますが、プードルではむしろ丸い曲線が柔らかい印象を与えかわいらしく感じます。
毛質によってはアフロと言うよりも、タンポポの綿毛のように放射状にキレイにやわらかく広がります。
カットの技術である程度整えられますが、キレイに丸く毛を立たせるためにはふんわりとした毛質のほうが良いかも知れません。
耳や口から鼻にかけての部分など、他の部分とのスタイルのバランスを考えるのも楽しいカットです。
ラム&ケネルクリップ
以前、プードルと言えばこれというぐらい一般的だったスタイルです。
シンプルなスタイルで他の全ての基本となるカットとも言われています。
顔と足の毛をすっきりとバリカンで切り、体の毛はシルエットがキレイなるように同じぐらいの長さにそろえます。
顔と足は食べ物や泥で汚れやすいので、短くすることで手入れが楽という特徴があります。
かわいらしさの中にもりりしさや高級感のあるカットでプードルの中では大型のスタンダード・プードルなどに向いているかも知れません。
また犬らしい、鼻先の長いタイプのプードルに似合うスタイルです。
コンチネンタルクリップ
コンチネンタルとはヨーロッパ大陸風、クリップはカットの方法です。
もとはヨーロッパで活躍した、プードルのカット方法としては原点とも言えるスタイルです。
顔と胴体の後ろの方の毛をバリカンなどで切り、足と尾の先、それにおしりの部分に丸く毛を残します。
もとは狩猟犬で水に落ちた獲物を取りに行く事の多かったプードルは、毛が邪魔にならないようにしながら、重要な心臓や関節を保護するためにこのようなカットをされるようになったと言われています。
これ以外にもパピー・クリップやイングリッシュ・サドルグリップなどが、伝統的なカットの方法とされています。
これらのカットから派生して、今のような多彩なプードルのカットができてきたわけですね。
いろいろなカットが考案され少なくなりましたが、ドッグショーなどで今でもその姿を見ることができます。
ブーツカット
プードルはどちらかというと顔や頭のスタイルが多いですが、これは足のスタイルです。
名前の通り、足の毛をだんだんと太くなるように残し、ブーツを履いたようにするカットです。
足の付け根を細く、足先に行くほど太くするそのカーブを調整すると、よりブーツらしくなりかわいらしいシルエットとなります。
そのかわいさから最近ではよくみかけるスタイルです。
足の毛のカット方法なので他のスタイルと組み合わせて楽しむこともできます。
ただし、汚れやすい足先の毛が多くなりますので、特に外に出かけるような場合は普段のお手入れが重要です。
サマーカット
名前の通り、夏向けに毛を短くしたスタイルです。
どちらかというと暑さなどに対する実用的なカットなので特徴的な装飾性などはなく、これがサマーカット、とはっきりと決まっているわけではありません。
夏場暑いときにプードルが楽に過ごせるようにというスタイルです。
ある意味プードルにとっては一番良いカットといえるかもしれません。
人間にとっても日頃のブラッシングの手間が省けます。
しかし、やはりいろいろなカットで気に入った表情を見つけるのがプードルの楽しみです。
そのため、季節限定であまり一般的ではないかもしれません。
プードルの様々なヘアカットを知ろう
これ以外にもプードルには多くのスタイルがあります。
例えば長い毛を利用して他の犬種のシルエットに似せるようなカットもあります。
また、日々新しいプードルのカット方法、クリップが生み出されています。
そのため、これらのスタイルについてはトリマーなどによって若干イメージが違う場合があります。
プードルのカットをする場合には理想のスタイルに近づけるようにトリマーの方とよく相談するようにしましょう。