成犬のしつけ方4つ。成犬でもしつけはできる

譲渡会や知人の引っ越しなどで、成犬を譲り受けることがあります。

また、子犬の時に時間が取れなかったなどの理由でしつけができていないこともあります。

こういった成犬になった犬には、どのようにしてしつければ良いのかご紹介します。

散歩のときにできるしつけ

まず、一番初めにできることは、散歩のときに主従関係を教えることです。

犬は、野生の世界では集団で行動します。

この時に、1匹リーダー格の犬がいて、その他の犬はリーダーの犬に従って行動を共にしています。

もし、リーダーに従えない場合はその集団から追放されてしまう、とても厳しい世界に生きています。

私たちの身近にいるペットとしての犬も、本能として主従関係を気づく能力を持っています。

この時に、飼い主=リーダーであるという認識を犬に持たせないと、この先どんなにしつけを行ってもうまくいきません。

理由は、自分がリーダーで飼い主などの家族(人)が従者、つまり言うことを聞く者として認識するからです。

この間違った認識を訂正するのにピッタリなのが、散歩です。

では、散歩でどうやってこの関係を構築するかというと、散歩ルートを人間のその時の気分で決めるのです。

そして、犬が自分よりも先に歩いたら止まる、もしくは方向転換する、犬が止まって動かない時は、多少強引でも引っ張って歩くことを指示します。

散歩中にルートが複数あれば毎回ルートを変えます。

これは、一見犬を混乱させるようですが、主従関係ができるのは早いです。

理由は、犬は自分の思い通りに散歩できないからです。

自分の思い通りにならない環境が続くと、犬は自然と自分がリーダーではないことを理解してくれますので、良い主従関係ができていきます。

ただし、主従関係ができたら、必ず一般的な散歩に変更してあげてくださいね。

DVDでしつけ方法を身につける

成犬のしつけはやはり、子犬と比較すると難しくなります。

また独学でしつけをすると、変なクセがついてしまうというケースもあります。

そのため成犬のしつけをきっちりやっていくにはプロのドッグトレーナーの力を借りるというのが手です。

とはいえ、ドッグトレーナーの方に預けるというのは費用もかかりますし、何日も家に愛犬がいないというのも寂しいですよね。

そうなると中々ハードルが高いものになります。

しかし、現在はそうした中でトップのドッグトレーナーがしつけ方法を伝えるDVDが販売されています。

DVDでは、家庭でどうやってしつけをしていくのかが実例を元に解説されているので、それを見ながらやることで成犬のしつけをすることができます。

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普段の生活でできるしつけ

犬は本能的に低音が苦手です。

これは、例えば雷が鳴った時に犬が落ち着かない、花火大会に連れて行った犬が迷子になった、工事現場の重機の音が苦手、といった具合に普段の生活に表れています。

理由は、犬は低い音に対しては不安を抱き、ストレスになるからです。

このことを逆手にとって、しつけを行います。

悪いことをしたら、いつもとは違う低い声で怒る、逆に悪いことを止めたり良いことをしたら、少し高めの声で褒めてあげる。

このように使い分けをすると良いでしょう。

ただし、悪いことをした犬を怒るタイミングは、必ず現行犯に限ります。

現行犯ではない状況で犬を叱ってしまうと、犬はその時に行っていることに対して怒られていると勘違いするからです。

当たり前ですが、犬には言葉の意味はほとんど通じていてません。

ですので、時間が経ってから怒ると、人が起こりたい内容と犬がとらえた内容にギャップが生じてしまうのです。

褒めるときは、おやつなどのご褒美を準備しておくと効果的です。

この時に与えるおやつは、犬がおいしいと感じそうなものを少量ずつ与えます。

もちろん、体のことも考えて、カロリーの低いものにしましょう。

最近ではしつけ向けに開発されているおやつもあるので、そういったものを利用すると効果的です。

そして撫でてあげます。

撫でるときは、「いい子だね」や「グッド」などの決まった褒め言葉を毎回何度も使います。

この、一見「飴とムチ」にも見えるギャップが、さらなる主従関係を気づくとともに、犬にも人間との生活の中での善悪を理解させることができます。

しつけの際に手は出さない

犬のしつけをしていると、なかなか言うことを聞いてくれずに思わず手が出てしまうことがあります。

しかし、犬に手を出すのは、しつけにとって逆効果になることがありますので注意が必要です。

犬は叩かれるなどの飼い主に手を出されると、初めは叩かれたくないと思って、問題行動をやめたり言うことを聞いてくれるようになることもあります。

しかし、犬にはストレスが溜まっていくので、ある日突然言うことを聞かなくなったり、逆に飼い主を恐れすぎたりすることがあります。

こうなってしまうと、しつけどころではなくなってしまいます。

ですので、生命に関わるよほどのことがない限りは、手を出して叱るという行動は避けてください。

おやつを利用して「待て」を覚えさせる

主従関係ができてきたらやっておきたいこと、それが「待て」を覚えさせることです。

「待て」を覚えさせると、その他のしつけは格段とやりやすくなります。

では、どうやって覚えさせるかというと、おやつを利用するのです。

犬はおやつを見たらすぐに食べられると初めは思っています。

これを、人間が立った状態でおやつを見せて「待て」とコマンドを出し、少しでも落ち着いたら褒めながら与える。

次のステップは飼い主が決めた時間(10秒程度)落ち着いた状態を保てたら褒めながら与える。

この次のステップは時間を少し延ばすといった具合でしつけていきます。

この「待て」の訓練を毎日行うことで、犬は「待て」というコマンドを守ると良いことがあると思い、覚えてくれます。

最大で2~3分程度の「待て」のコマンドができるようになったら、次はおやつなしで「待て」の訓練をさせます。

ちゃんと「待て」ができたら、おやつがなくてもしっかりと褒めてあげることが重要です。

ちなみに、この他のコマンド(「おすわり」、「お手」など)を覚えさせる場合でも、同じように最初のうちはおやつを併用して行うと、スムーズにしつけができるようになりますよ。

成犬でもしつけられる

一般的には「子犬の時のしつけが重要」と言われていますが、老犬で何か病気や障害を持っていない限り、しつけることは可能です。

しつけは人間社会で犬が生きていく上での最低限のルールですので、時間がかかってもしっかりとしつけましょう。

そうすることで、飼い主も犬も、幸せな生活が送れるようになります。