もし家で飼っている犬が洗剤を舐めてしまったら、どうするべきでしょうか。
私たちよりも体が小さく、化学洗剤は体にはよくないというイメージがあります。
何かのアクシデントで誤飲したり、興味本位やいたずらをしたりしているうちにうっかり…なんてこともあるでしょう。
こうした犬が洗剤を舐めてしまった緊急時の対処法についてご紹介します。
まずはしっかりと犬の状態を観察する
舐めてしまった洗剤やどのくらいかという量による部分もありますが、ちょっと舐めたり飲んだりする程度では心配いりません。
一般の家庭で日常的に使う食器用の洗剤や、洗濯用の洗剤ならよっぽどの量でない限り大丈夫です。
洗剤には色や香りが着いているので、犬にとってのどうしても興味の対象になってしまいますよね。
小型犬でもスプーン一杯くらいの量なら、大事に至ることは少ないので安心してください。
もちろん、業務用や希釈液などの濃いものには注意が必要になります。
舐めてしまったり誤飲をしたときには、しっかりと犬の状態を観察するようにしましょう。
焦ったりせずに症状を見極めて、適切な対処方法を取るようにすることが大切です。
犬が洗剤を舐めるとどんな症状が出るのか
洗剤を舐めたり飲んでしまったときに考えられる症状は幾つかあります。
飼い主としていちばん心配なのは、アレルギーや中毒症状によって死亡してしまうようなことですよね。
中毒を起こしている場合、軽い症状であれば、よだれを垂らしたり、嘔吐をしたりします。
しかし、痙攣を起こしたり、呼吸困難に陥りチアノーゼを起こすと非常に危険な状態です。
こうした中毒症状は、誤飲をしてから15〜60分くらいで起きてきます。
重要なのは、このような症状は誤飲してからすぐに起こるわけではないということです。
そのため、しっかりと様子を観察することが大切になってくるのです。
もちろん、犬が意識を失っていたり、明らかに危険な状態であればすぐに動物病院へ連れて行きます。
しかし、誤飲したからといって必ずしもこうした症状が出るわけではないというのは覚えておきましょう。
中毒症状がない場合には?
はっきりした中毒の症状が起きなくても、不安であれば動物病院へ相談するようにしましょう。
この段階で心配なことは、強い洗剤の場合には、口の中や喉が炎症を起こしていたりするという状態です。
急に食欲がなくなったり、口や喉を痒がって掻くような素振りがあれば要注意です。
こうした場合には、吠えたりや呼吸の荒さといったものがサインがになっていたりします。
また飲み込んだものによっては、その後になって肝臓などに大きな負担をかけるものがあったりします。
こうした肝機能などへの悪影響はすぐにはわかりません。
普段は使わない強力な洗剤や、業務用の特殊なものなどの場合は、念のため獣医さんへ相談しておいたほうがよいと言えます。
2、3日様子を見る
誤飲してしまっても、主だった中毒などの症状がない場合もあります。
ちょっと舐めてしまったからと言って、極端に心配になる必要はありません。
しかし、犬は私たちの目が届かないところで何をしているかわからないですよね。
どのくらいの量を舐めてしまったかもはっきりしないこともあります。
ですので、その後の異変がないかとしばらく観察するようにしましょう。
中毒のような症状や他の異変がなければ、水や犬用のミルクなどを与えて、2、3日様子を見るようにしてください。
それでも特に変化がなければ、中毒や炎症の可能性というのはかなり少ないと言えます。
たくさん水を飲ませるのは危険
犬が洗剤などを誤飲した時に焦ってやってはいけないことがあります。
それが、水を大量に飲ませて吐かせるということです。
「体内に吸収されてしまう前に、吐き出させたほうがいいのでは…?」と思うかもしれません。
もし、痙攣などの急性の症状が出ていれば、すぐに動物病院へ連れて行くようにしてください。
しかし、そうではない場合、無理に吐かせるのは逆に危険な行為になります。
水や吐瀉物が気管支に入ってしまい、そこから炎症を起こすこともあります。
様子見で水やミルクをあげるのは、主に口の中や咽頭、胃などの粘膜の保護が目的です。
飼い主さんが落ち着いて行動しないといけないという事を、あらかじめわきまえておきましょう。
犬が洗剤をなめた時の対処法を知ろう
私たちが日常的に使っているような洗剤であれば、ちょっとやそっとの量では問題ありません。
こうした洗剤にはそれほど強い毒性はなく、またアレルギーを引き起こすような物質も多くはありません。
嘔吐や痙攣などがないか、まずはしっかりと観察して、病院に行くべきかどうか判断しましょう。
意外に平気でケロっとしていたりすることもあるので、それほど心配する必要はありません。