愛犬のまばたきが多くなっていることに気づいたなら、原因を突き止めて対処する必要があるでしょう。

しかし犬のまばたきはただ目の違和感だけでなく、気持ちを伝えるときにも見られる行動の一つです。

症状と心境を正しく理解するために、犬のまばたきに隠された理由を知っておきましょう。

退屈のサイン

寝そべってリラックスしているように見えるけれど、まばたきだけは忙しなく繰り返しているようなら、犬は退屈で暇を持て余している可能性があります。

やることがなにもないけれど、眠る気分でもない。

そんなとき犬の視線はあらゆるところに向けられ、まばたきは普段よりも回数を増やします。

興味のあるものや注目するものがあると、犬はまばたきを控えて凝視するのが一般的です。

特に楽しそうな仕草を見せないでまばたきばかりをしているなら、現在の環境への不満を表しているのかもしれません。

まばたきだけで済めばいいのですが、犬の退屈はストレスになり、やがて物に当たったり攻撃的になったりする危険もあります。

そういった転位行動に発展させないためにも、犬が楽しめるアイデアは常に用意しておきましょう。

時間の許す限り遊んであげれば、退屈で仕方のない生活から犬を抜けださせることができます。

緊張をまぎらわしてる

環境の変化や嫌いな音などによって、犬は緊張して体を強張らせることがあります。

そういった突然の緊張状態は、もちろん犬の心身に悪影響となるでしょう。

少しでも気持ちを楽にするために、犬はまばたきを増やして緊張をやわらげようとしているのかもしれません。

苦手な犬を相手にしたときや、飼い主に対して何か失敗をしてしまったとき、隠しきれない緊張がまばたきという形で表に出てしまっているのでしょう。

犬の緊張が見て取れたら、飼い主はそれを取り除いてあげる必要があります。

ゆっくりと近づいて優しく声をかけるだけでも、犬の気持ちは軽くなるかもしれません。

また何が犬を緊張状態に陥らせたのかを把握し、可能であるなら犬の生活圏から排除してあげましょう。

敵意のない証

犬同士が互いの優劣を争うとき、相手の目を睨みつけて威嚇する様子を見ることがあるでしょう。

その場面でまばたきが多くなるようなら、その犬は相手に対して自分の敗北を認め、優位を譲っていると考えられます。

こういった感情の伝え方をカーミングシグナルといい、犬同士が接触するとたびたび目にすることがあるでしょう。

強敵と無駄な争いをしないために、言葉をもたない犬が編み出した処世術なのかもしれません。

カーミングシグナルは犬と人の間でも成立します。

犬が恐がっているようなとき、人間側がまばたきを繰り返すことで、敵意のないことをアピールできます。

まだ犬が環境に慣れない場合、積極的にまばたきを見せて犬の警戒心を解いてあげると上手くいくかもしれませんよ。

異物を取り除こうとしている

犬種によっては目に異物が入りやすく、頻繁なまばたきによってゴミや埃を取り除こうとしているのかもしれません。

まばたきの量と涙が増えて、目やにが目立つようなら、一度獣医への相談も考えてみてください。

目に入りやすいものが何なのか、しっかりと確認しておくことも大事です。

散歩中の砂が原因なら、風の強い日は散歩コースを変えましょう。

家の中の埃や細かなゴミが原因と考えるなら、毎日の掃除とゴミを出さない生活を心がけてください。

長い毛やまつ毛なども、犬によっては目に入りやすく危険なものとなるでしょう。

意外なものが原因となって、犬の目を傷つけている可能性があります。

飼い主は前例や周囲の意見だけを参考にするのではなく、あらゆるものを対象として対策を取るようにしましょう。

そのためには犬の行動を観察すること、生活スペースを常に清潔に保つことがポイントとなります。

片目だけのまばたきには注意する

両目でのまばたきには、犬の感情が込められている場合が多いのですが、片目だけのまばたきは、異常のサインである可能性があります。

はっきりとした違和感があるからこそ犬は片目を動かし、まばたきによって抵抗しているのかもしれません。

白内障や角膜炎、ドライアイなどの病気が心配されるので、早めに病院で診察してもらいましょう。

まばたき以外にも目の周りが赤くなったり、腫れたりといった症状が見つかるかもしれません。

まばたきの多さが目についたら、普段の行動にも気を配ってみてください。

食事の量が減少していませんか。

視力が落ちていると感じる行動はないでしょうか。

些細なことでも病名をつきとめるヒントとなる場合があります。

関係ないようなことでもしっかりと観察しておけば、犬の健康を取り戻す近道になるかもしれません。

犬のまばたきが多い時には要注意

犬にとっての目は気持ちを伝える大切な器官です。

まばたきで表現する感情や異常を、飼い主はどんなときでも正確に素早く察知してあげてください。

まばたきによって、気づけなかった不備や不満を把握したら、すぐにでも改善に取り組みましょう。

犬からの気持ちを見逃さないためにも、毎日きちんとコミュニケーションを取ることが大事です。