世界各地には、その地方で独自の犬種として発展した犬たちがたくさん存在します。

今回取り上げるバーニーズ・マウンテン・ドッグもそうした犬種のひとつです。

古くから現地の人々の生活に寄り添いつつ、厳しい環境に適用してきたたくましい犬です。

そんなバーニーズ・マウンテン・ドッグの大きさや、子犬からの成長の過程について詳しく紹介してみたいと思います。

1.バーニーズ・マウンテン・ドッグとは

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、スイス原産の大型犬です。

名前に「マウンテン・ドッグ」とあるように、古くから山岳地帯などで人間と生活してきました。

活躍の場は放牧犬として家畜の移動を先導したり、自ら荷車を引いたりしていたそうです。

「バーニーズ」という名前は、スイスのベルン地方にちなんでつけられています。

ベルン地方はとても寒い場所で、冬は一面が不快雪に覆われるような厳しい環境にあります。

そうしたところでも耐えうるようなたっぷりの被毛と、大きな体が特徴の犬です。

文明の発展とともに、その数を減らしていた時期もありますが、最近では家庭犬としてすっかり定着しています。

ゆるいウェーブのかかった艶のある被毛は、とても上品で落ち着いた印象を与えるでしょう。

日本でも大型犬として安定した人気のある犬種です。

2.成長したバーニーズ・マウンテン・ドッグの体の大きさ

寒い地方に住んでいたり、山岳地帯に住む犬というのは、共通して体が大きい傾向にあります。

これは険しい道でもビクともせず、厳しい寒さに耐えるために、こうした特徴を持つようになったと考えられています。

バーニーズ・マウンテン・ドッグもその例に漏れず、非常に力強い体躯を持っています。

大人になったバーニーズ・マウンテン・ドッグの体重は、35kgから45kgにもなります。

大きなものでは50kg以上になることもあり、とてもがっちりとたくましい体つきになります。

柔和な表情をしていますが、体は全体的に厚い筋肉がついています。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの場合、オスよりもメスの方が一回りほど小さいことが多いです。

ですので「あまり大き過ぎる犬はな…」という方は、メスの犬を探すのも良いかもしれません。

それでも、とてもパワフルで貫禄はじゅうぶんにあります。

3.バーニーズ・マウンテン・ドッグが生まれてからの子犬の成長

バーニーズ・マウンテン・ドッグは大型犬ですので、しっかりと体が大きくなるのには多少時間がかかります。

概ね体の大きさが安定するようになるまでには、生まれてから1年半くらいの時間が必要です。

小型犬に比べると、その成長のスピードはゆっくりだと言えるでしょう。

生後3ヶ月くらいの子犬の体重は、だいたい3〜5kgくらいです。

しかし、ドライフードを食べるようになると、その食欲の旺盛さもあり、あっという間に大きくなります。

みるみる体は大きくなり、生後半年くらいで10〜15kgにまで成長します。

生後半年を過ぎると、徐々に成長や体重の増加のペースは緩やかになってきます。

それでもゆっくりと成長して、生後1年から1年半くらいで、体重は20〜30kgくらいになります。

だんだんと成長は落ち着いていますが、体の成長とともに力強さが増してくるようになるでしょう。

4.バーニーズ・マウンテン・ドッグが大人になってからの体の変化

犬でいう生後1年半から2年くらいのときというのは、人間でいえば20歳を過ぎた頃です。

犬のめざましい成長にはびっくりしますが、まだまだ大人として成熟しているわけではありません。

この時期を過ぎた頃から、ようやく犬種特有の特徴がよく出るようになります。

もともと、山道や雪の中を荷を引いて歩いていたようなタフな犬です。

そのため、胸や足にはたくましい筋肉がつき、体の厚みが増してくるでしょう。

被毛に隠れて分かりにくいのですが、大人になってもこうした体つきの変化があります。

また、長毛種で、たっぷりとした被毛と、少しウェーブのかかった毛が特徴のひとつでもあります。

飾り毛などの特徴もはっきりと出てくるのは、2歳を超えたくらいからでしょう。

艶のある毛も、大人になってから量が増えてきて、だんだんと犬の風格を際立たせるようになります。

5.バーニーズ・マウンテン・ドッグの飼育と成長で気を付けるポイント

バーニーズ・マウンテン・ドッグは体が大きく、寒さには強い犬です。

しかし、人の役に立つことを喜びと感じ、人といっしょにいることを好む性格です。

ですので、屋内飼いが基本と考え、しっかりと小さな頃からしつけをしておくようにしましょう。

性格はといえば、飼い主にはとても従順で、良きパートナーとなるでしょう。

しかし、一途とも言える性格で、見知らぬ人にはあまり懐かないシャイな部分も持ち合わせています。

そのため、子犬の頃にはしっかりと社会性を育てるよう意識することも大切になってきます。

また、体の大きな犬に共通しますが、胃捻転などを起こしやすい傾向があります。

特に体の成長が著しく、非常に活発な若年期や壮年期には注意する必要があると言えます。

エサを短時間にかき込むような食べ方に気を付け、食後しばらくは激しい運動を控えるようにしましょう。

バーニーズ・マウンテン・ドッグの成長を知ろう

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、古くから人のパートナーとして過ごし、とても穏やかな性格とタフな体を持っています。

家の中では、どちらかといえば寡黙で、おとなしく過ごすことを好みます。

こうした愛嬌だけではない性格の特徴は、ある意味では野性味があると言えるかもしれません。

慣れていない人からするとびっくりするような大きさに成長しますが、とても魅力の溢れた犬のひとつではないでしょうか。