年老いたハムスター

大切な家族であるハムスター。

毎日元気で可愛い姿を見せて飼い主の心を癒してくれます。

しかし、個体差がありますが、どのハムスターも老化を避けることが出来ません。

1日でも長く元気でいてもらいたいというのは、どの飼い主も願うことです。

ハムスターの老化のサインにはどのようなものがあるのでしょうか。

毛並みが悪くなった

年を取ると、ビタミンなどの栄養が上手く摂取出来なくなることにより、毛並みが悪くなります。

また、お腹や手足の毛が抜け、薄くなります。

ハムスターは毛繕いをすることにより、体を清潔に保ちますが、年を取り、運動機能が低下するのも毛繕いがしづらくなるのも原因のひとつです。

老化により抜け毛が増えたり、抵抗力が低下することにより、感染症にかかり皮膚病を引き起こすしたりすることもあります。

健康維持と感染症の予防のため、ケージ内の衛生管理は若いときよりも念入りに行いましょう。

なお、足りなくなった栄養を補うために、カロリーの高いエサを与えるのは、ハムスターの体に負担がかかるため、逆効果です。

若いときのツヤツヤとした美しい毛並みに戻ることは出来ませんが、野菜中心の食生活に変えることで、毛並みの老化を緩やかにすることが出来ます。

エサを食べる量が減ってきた

年を取ると内蔵機能、特に胃腸が弱ってきます。

それに伴い、消化機能も若いときに比べて落ちていきます。

カロリーの高いエサは消化がしづらくなるので、成長期や若いときに与えていた脂質やたんぱく質の多いハムスターフードから、シニア用のハムスターフードと野菜中心の食生活に切り替えましょう。

塩分の摂りすぎも腎臓に負担をかけるので、若いとき以上に気を付けてあげましょう。

また、歯やあごが悪くなり、エサを食べなくなる場合があります。

ハムスターは体が小さいため、食欲が落ちるとエネルギー接種が難しくなり、すぐに弱ってしまいます。

命に関わることなので、早急に動物病院を受診し、獣医師の指導を仰ぎましょう。

なお、歯やあごが弱っていない場合は、わざわざエサを柔らかくしてあげる必要はありません。

柔らかいエサを与えることにより、歯を削ることが出来ず、不正咬合を引き起こす恐れがあるからです。

足取りがおぼつかなくなってきた

高齢のハムスターを飼っている飼い主に話を聞くと、「エサを両手で持って食べるときに、フラフラするようになってきた。」、「毛繕いのときにバランスを取るのが難しくなってきた。」という声を聞きます。

老化に伴い、運動機能も低下するため、足腰が弱ります。

さらに、バランスを取り、正しい姿勢を取るのが難しくなります。

また、高齢のハムスターは、背骨が曲がり、前屈みの姿勢をとります。

転倒や段差でのつまづきも多くなります。

骨も脆くなっているため、転倒して骨折する恐れもあります。

ケージ内をリフォームし、バリアフリー環境を整えてあげましょう。

例をあげると、階段があるタイプのゲージなら、階段の裏に木の板を張り付け、隙間に足を引っかけたり足を踏み外さないようにしてあげます。

エサ箱やトイレに高さがあるものを使用しているなら、浅くて段差がないものに変えます。

足への負担を減らすために、ケージに入れる床材も多めに入れましょう。

回し車で遊ばなくなった

好奇心いっぱいで、回し車が大好きなハムスターも多いと思います。

ですが、気がつくとあんなに好きだった回し車で遊ぶ回数が減ってきた。

これも老化の症状のひとつです。

ハムスターも人間と同じく、年を取ると体の機能が衰え、自分の思うように動かなくなるようになります。

ハムスターは自分では模様替えは出来ません。

回数は減ったけど回し車で遊ぼうとする場合は、回し車の位置や回し車自体を高齢ハムスター用に変えてあげましょう。

回し車が高い位置に設置してある場合は、低い位置に設置し直してあげましょう。

隙間があるタイプの回し車を使用している場合、隙間に足を引っかけて骨折する恐れがあるため、隙間がないタイプに変えてあげましょう。

瞳が白っぽく濁ってきた

最近ハムスターの目が白っぽい気がする…。

目の中の結晶体(レンズ)が濁って見える症状を「白内障」と言います。

これも老化が原因で起こる目の疾患です。

白内障に、効果的な治療法は存在しません。

また、ハムスターの目は小さすぎて、手術することが出来ません。

糖尿病や内蔵疾患の合併症で発症していることもあります。

中には、遺伝によって白内障を発症しているハムスターもいます。

親や兄弟で白内障を発症している個体がいる場合は、発症リスクが上がるため、注意が必要です。

白内障は結晶体の一部から徐々に白くなり、完全に白くなると失明します。

糖尿病が原因の白内障は、適度な運動と栄養バランスの良い食事で予防出来ます。

元々ハムスターは視力に頼って生きていないため、失明しても鼻や耳を頼りにして生きていけますが、耳や鼻など他の器官に疾患が出ないとも限りません。

年を取った今こそ生活の質を下げないためにも、気を付けてあげましょう。

ハムスターの老化のサインを読み取ろう

年を取り動きが鈍くなったり、若い頃には出来ていたことが出来なくなった姿に戸惑いを覚えることがあるかも知れません。

ハムスターは元来補食される側の動物であり、体調が悪くなったり、病気などが原因で痛みが生じたりしても我慢してしまう傾向があります。

飼い主が気が付いたときには、もう手遅れの状態のときもあります。

少しでも長く幸せな一生を送るためにも、飼い主の細やかな管理、何かあったときは、信頼出来る動物病院で診察してもらうことが不可欠です。

最後の日が来るまで一生懸命生きているハムスターと共に生きる。

それが、飼い主の出来ることなのではないでしょうか。