小さな体のハムスター、彼らはとても好奇心旺盛でいつも動き回っていますよね。
そんなハムちゃんがいきなり後ろにひっくり返ってしまったら、愛くるしい一方で、こちらは一瞬大丈夫かなとハラハラしたりもします。
そこで今回はハムスターのひっくり返る理由についてご紹介します。
反射的に驚いたため
唐突に大きな物音を立てたり何かをぶつけてしまうと、びっくりしてひっくり返ってしまうのがよくあるケースではないかと思います。
ひっくり返ったまましばらく静かに動かないでいるのは、びっくりしたハムスターが身動きが出来なくなってしまった為です。
この場合、ハムスターはまもなく起き上がって今までの動作に戻ります。
特に注意する必要はありませんが、あまり急過ぎる行動は敏感なハムスターにとってストレスにつながりかねません。
掃除する際のケージの扱いやエサをあげる際の手の差し出し方に、ハムスターを驚かせる事のないよう心掛けたいものです。
身体能力によるもの
ハムスターは手を使うのは別として、動きはリスやハリネズミ等他の小動物のように器用ではない為、バランスを崩して倒れる事があります。
回し車やうんていをしている時によく転倒し、立ち上がろうとしたり、物を持ち上げようとしたりした反動で後ろに倒れる事は日常茶飯事です。
特に生まれたばかりの赤ちゃんや年の若いハムスターなどは、ケージの中で歩いている最中、何度も転んだりひっくり返ったりして、親ハムスターにくわえられて巣に引き戻されるといった様子を見る事があります。
また、室内を散歩中、ハムスターが勢いよく走っていて転倒する事、それは人間で言うしりもちと同じ動作です。
ガラス製のケージの場合、よじ登ろうと企んで滑り落ちたりもします。
護身術として
ハムスターは外敵から身を守るための最終手段として、自分のひっくり帰った姿を見せる事があります。
ハムスターが仰向けになった状態で鳴いて威嚇する等の行動を伴う場合、ハムスターが怒っているためだと考えられます。
野生においては他の動物に簡単に捕食されてしまう立場にあるからですが、これは人間に対しても同じ事で、ひっくり返ると言うよりも仰向けの状態にのけぞって鳴いているようなら、ハムスターが飼い主をかなり警戒し怒っているからです。
これはハムスターの不機嫌の表れとみる事が出来ます。
匂い付けの為
ハムスターが意図的に場所を変えて何度もひっくり返ろうとする事があります。
ハムスターの嗅覚は人間の何十倍もあり、彼らにとって匂いは、お互いを認識したり、食物を探ったりする上で大変重要な役割を果たします。
例えば、砂遊び等の時や床材を交換した等の心当たりがあれば、それは寝心地が良いか確認する為であったり、或いは自分の匂いを付ける為であったり。
それを行うために、倒れては起き上がってを繰り返す個体もいます。
よくその行動を「バク転」と題して、ハムスターが遊んでいるのではないかと勘違いされます。
通常ハムスターの臭腺の内のひとつが背中の左右側に位置する為、仲間のハムスターが増えて来ると、縄張り意識で自分の匂いを付けようと必死に倒れては起き上がる事を繰り返すのです。
脳や耳の病気
ハムスターの視力は弱く、その機能の一部を耳で代用している面があります。
転倒する等のバランス感覚を失うという事は、平衡感覚を司る耳に異常が生じている可能性があります。
ハムスターの耳の疾患には中耳炎や内耳炎が疑われます。
また三半規管は、耳だけではなく脳にも関係しています。
よって、脳炎の場合にも同じような症状が考えられます。
動きがいつもよりおぼつかなかったり、クルクル回転する動作を何度も繰り返したり等の仕草が伴っていたら、それは単にひっくり返ったのではなく、病気に起因した行動であると考えられます。
また、ハムスターはしょっちゅう腫瘍を抱えるので、炎症だけを引き起こしたものとは限りません。
よくひっくり返るハムスター、見守る事が大切
ハムスターの機敏さは本能的に備わったもので、彼らが野生で身に付けた動作の一部がまさに「ひっくり返る事」と言って良いでしょう。
ハムスターの行動はいつも私たちを癒してくれ、そんな姿につい遊んでいるのだろうと思ってしまう場面があります。
しかし、ハムスターもそれなりの知恵を持って生存に勝ち残った身です。
その行動の本質を知っていれば、ハムちゃんの心理を捉える事ができ、飼い主としてもっと親密な関係を築く事が出来ます。
しかしもっとも、病気に関しては、表面上は日常のそれと分かりづらい行動が目立ちます。
幼少であれば母ハムが、老齢であれば自分自身生命の終わりを分かってふらつきや不具合をケアしていますが、最も元気な育ち盛りの異常は見過ごしがちです。
いつもと変わらない中に異変を感じたら、直ぐに飼い主の方から自発的ケアを施して下さい。