とても可愛い仕草で飼い主を癒し、今では不動の人気ペットとなったハムスター。
その数ある可愛い仕草の中でも、ハムスターが物を食べる仕草が大好きという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
さて、ハムスターは雑食なので何でもよく食べますが、栄養バランスを考えて「にぼし」を与える方もいると思います。
そこで今回はハムスターににぼしを与える際の注意点ををご紹介します。
何の為ににぼしを与えるのか
さて、何の為ににぼしをハムスターに与えるのかという質問には、ほとんどの飼い主さんが、「栄養のため」とお答えになると思います。
では、それは何の栄養の為でしょうか。
人間の場合は、カルシウムを摂取する目的でにぼしを食べる事が多いですよね。
しかし、ハムスターに関してはカルシウムではなく、動物性たんぱく質を補うことがその目的となります。
野生のハムスターは生きた昆虫を食べて、動物性たんぱく質を補給しています。
そのため、ペットのハムスターもミルワーム等の生きたエサが良質な動物性たんぱく質の補給源ではあるのですが、「生理的にムリ」という飼い主の方も多いとは思うので、にぼしで動物性たんぱく質を補うようにしましょう。
たんぱく質が足りないと、脱毛や成長不良、共食いの原因になり得ますので、少し意識して与えます。
カルシウムに関してはハムスター用のペレットを主食としているのであれば、特にカルシウム不足の心配は要りませんし、むしろカルシウムの過剰摂取は結石の危険性を増やしてしまいます。
特に水をあまり飲まないハムスターの場合は注意が必要ですので、しっかりと飼っているハムスターの特徴を把握しておきましょう。
減塩、塩分無添加、塩不使用のにぼしを与える
普通のにぼしには、塩分が多く含まれています。
人間が食べてもおいしく感じるぐらいですから、人間よりはるかに小さいハムスターにはとても味が濃く感じられることでしょう。
いくら仲良しで可愛がっているとはいえ、飼い主と同じにぼしを与えてはいけません。
では、どうすれば良いのでしょうか。
実はハムスターに限らず、ペット用にぼしには塩分控えめの商品が用意されています。
ペットショップのエサのコーナーをよく探してみましょう。
にぼしのパッケージに「減塩」「塩分無添加」「塩不使用」などの文字が書いてある物があります。
名前の通り、それらは安心してハムスターにも与えることができます。
しかし、あくまで塩分に関してのみの安心ということは覚えておいてください。
また、残念ながらペット用のにぼしは、人間用の物に比べて丁寧なつくりでは売られていません。
品質劣化の心配もありますから、おおよそ1ヶ月以内に使い切れる量を購入するのがオススメです。
にぼしを与える時期と量に注意
にぼしだけに限った話ではないのですが、当然ながら与え過ぎには注意が必要ですし、与えるに適した時期があります。
前述のように、ハムスターににぼしを与える目的は動物性たんぱく質を補うことが目的です。
では、ハムスターにとって、動物性たんぱく質が多く必要となる時期はいつ頃なのでしょうか。
これは人間と同じで、成長期、妊娠中、子育て中です。
ハムスターの成長期は、赤ちゃん期を過ぎて自分でエサを食べられるようになってから概ね生後半年程度まで。
妊娠中や子育て中にも動物性たんぱく質は必要ですが、注意点があります。
それは、飼育ケージの掃除が頻繁にはできないことです。
そのため、ミルワームなどの生のエサは腐る心配があり、この時期の動物性たんぱく質の補給としては適しません。
その点に関して言えば、にぼしは腐る心配も少ないので、妊娠中や子育て中のハムスターに適したエサと言えるでしょう。
成長期を過ぎ、維持期に入ったハムスターには、与える量を若干減らし、高齢期に入ったらもう少し減らしましょう。
にぼしでハムスターと幸せな毎日を
そのポイントは「目的は動物性たんぱく質の補給」、「無塩、減塩、塩不使用等の表記のある安心できるにぼし」、「特に成長期、妊娠期、子育て期に意識して与える」の3つです。
ただ、ハムスターはかなり個体差のある生き物ですから、にぼしが嫌いというハムスターもいるでしょう。
そんなハムスターには、細かく砕いて他のエサと混ぜたり、別なエサで動物性たんぱく質を補うなどしていきましょう。
ですが、あまりにガチガチに考える必要はありません。
飼い主にとっても、ハムスターにとっても、安心してのんびり暮らせる毎日を送ることが一番の幸せです。