ハムスターに対して「砂浴び場って本当に必要?」「遊び道具なら、まわし車があるし」「砂が飛び散って掃除が大変そう…」そう消極的に考えてしまうかもしれません。
しかしハムスターが砂浴びをするのには、ちゃんと理由があるのです。
ここではその主な理由をご紹介します。
体をキレイにするため
ハムスターは野生では乾燥地帯に暮らしていたので、水を浴びる習慣がありません。
すぐに乾かすなど注意すれば入浴させることも可能ですが、無理な入浴は望ましくありません。
体が小さいため体温調節が苦手で、毛も乾きにくいので、水に浸かると急激な体温の低下から健康を損なうことが多いのです。
「でも、お風呂に入れないと不潔じゃない?」
いいえ、そんなことはありません。
ハムスターはとってもキレイ好きな動物です。
砂浴び場はハムスターの「お風呂」です。
ハムスターは砂に体をゴシゴシこすりつけることで、毛についた汚れや嫌なにおい、余分な脂、寄生虫などを落とします。
砂浴びは感染症や皮膚病の予防に繋がるほか、毛並みを整える効果もあります。
短毛のハムスターは、砂浴び場を用意すればブラッシングの必要がありません。
無理に入浴させなくても、ハムスターは砂浴びをすることで体を清潔にして、いつでも衛生的に保つことができるのです。
体を冷やすため
ハムスターは寒さが苦手な動物ですので、冬にはペット用ヒーターを利用するなどの工夫が必要なことは有名かと思います。
しかし、実は夏にも注意が必要です。
体温が上がりすぎると、ハムスターは体調を崩してしまいます。
かといって急激な温度変化も苦手ですので、「冷やしてあげないと」と冷房の風を直接当てたりしてはいけません。
では、どうしたら良いのでしょうか。
対策用に大理石のプレートなどの専用グッズも売られていますが、ケージに置いても使用してくれないことがあります。
使ってくれればそれで良いのですが、なかなか使ってくれない場合には他の対策を取る必要があります。
こんなとき、普段から使っている砂浴び場があれば安心。
触ってみれば分かるかと思いますが、砂の中は、ひんやりとしています。
なので、砂浴び場があれば、ハムスターは砂を掘って中にもぐることで体温を下げることができます。
猛暑の夏には深めに砂を入れた砂浴び場を作ってあげると良いでしょう。
運動不足やストレスを解消するため
前項でも触れたとおり、ハムスターは野生では乾燥地帯に暮らしていました。
ペットとして人に飼われるようになった現在でも、砂地に生きていた頃の本能は残っています。
本能に従って思いっきり穴を掘ったり、ゴロゴロと砂浴びをしたりすることは、ハムスターのストレス解消に大きく貢献します。
本来10~30平方メートルという広大な縄張りを持っていたハムスターにとって、狭いケージ内での暮らしでは運動不足になりやすく、ストレスも溜まりやすくなります。
運動不足は回し車でも解消が望めますが、それだけではやっぱり心配ですよね。
ハムスターはストレスにとても弱い動物です。
与えるエサの栄養バランスや、環境、体重管理などに十分気を遣っていても、ストレス過多から体調を崩してしまうことがあるほどです。
ストレスによって一緒にいられる時間を縮めることになってしまっては悲しいですから、うまく解消させてあげたいですね。
爪の伸びすぎを防ぐため
ハムスターの爪は一生伸び続けます。
野生のハムスターは日常的に穴を掘っているので、爪が伸びすぎることはありません。
しかし飼育下では、爪の伸びすぎに寄るトラブルがままあるのです。
ですが砂浴び場があれば、砂浴びのときに穴を掘ったりして爪が摩耗しますから、爪が伸びすぎるのを自然に防止することができます。
副次的な効果ですが、ハムスターの健康においては大事な効果です。
爪が伸びすぎてしまうと、毛づくろいの際に皮膚や眼球を傷付けてしまったり、ケージの網目に引っかけて指を痛めてしまったりします。
その傷から他の病気に感染したりしたら大変です。
しかし、飼育初心者がハムスターの爪を上手に切るのは難しいこと。
まず、多くのハムスターは爪切りを嫌がりますのでじっとしていてくれません。
その上ハムスターの爪には血管が通っているので、誤って深く切りすぎると血が出てしまいます。
定期的に獣医さんに切ってもらうのも良いですが、やはり日頃から伸びすぎないように気を付けてあげるのが一番でしょう。
ハムスターが砂浴びをできる環境を作ってあげよう
以上、紹介したとおり、砂浴びはハムスターにとってとても大切なものです。
砂浴びをしている時は手出しをせずに、そっと眺めるだけにしてあげましょう。