犬にバナナをあげるというのは、あまり聞いたことがないかもしれません。

ただ闇雲にバナナをあげれば良いというものではなく、気を付けるべきことはああります。

そこで今回は犬にバナナをあげる際の注意点についてご紹介します。

犬はバナナを食べ過ぎると下痢をしてしまう

バナナには整腸作用があり、犬の便通を良くしてくれることが分かっています。

このため、便通が悪くなりがちな犬にとっては効果的なのですが、限度というものがあります。

あまり与えすぎると、かえって下痢を引き起こしてしまい、犬の体力を消耗させてしまうのです。

これは、バナナにお腹を冷やす効果があることにも関連しています。

人間も寝冷えなどでお腹を冷やすと下痢をしてしまいますよね。

同じことが犬にも起きるのです。

バナナの食べ過ぎでお腹を冷やしたあげく下痢をするというのは、ペットの体調管理に気を付けなければならない飼い主としては避けたいことです。

ただ、下痢といっても、バナナをどのぐらい食べれば起きるかについては個体差があります。

どのぐらいが適量なのかは犬によって違うので、そのあたりを見極めながら、最初は少しずつあげるのが良いでしょう。

カリウムの過剰摂取にならないよう注意

バナナにはカリウムが多く含まれており、体内のナトリウムを排出して血圧を下げるのに役立ってくれます。

特に犬は塩味を感じることができませんので、味の濃いドッグフードによって知らず知らずのうちに塩分の過剰摂取になってしまう可能性もあります。

そういう意味では、カリウムは犬にとって必要なものではあるのですが、これにも限度というものがあります。

カリウムを取りすぎると、高カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があるのです。

特に、加齢で腎機能が弱ってしまっている犬の場合、カリウムを取りすぎた場合に体外に排出しにくくなってしまっていますので、高カリウム血症になりやすくなっているのです。

人間でも腎機能が衰えている人は、カリウムの多いスイカなどを食べてはいけないと言われています。

高カリウム血症の主な症状は脚のしびれや不整脈、吐き気などです。

放置すると命にかかわるケースすらある危険なものです。

こうしたことにならないように、バナナを与えるときは犬の状態をしっかりと見極めておく必要があります。

高齢犬の飼い主は注意が必要です。

付け加えると、健康な犬でもカリウムを摂取しすぎると「おもらし」をしてしまうことがありますので、こちらも注意が必要です。

果物アレルギーのケースがある

犬によっては、ラテックス(天然ゴム)アレルギーを持っている場合があります。

実はバナナの分子構造は天然ゴムと同じため、天然ゴムアレルギーを持っている子は、バナナを食べるとアレルギーを起こしてしまう可能性が高いのです。

実際、人間にアレルギーが存在するように、犬にもアレルギーは存在します。

例えば「畑の肉」といわれ、犬にとっても良質なタンパク質を含む大豆にしても、アレルギーがある子は食べることができません。

こればっかりは体質の問題なのでどうしようもないのです。

バナナについても同じことがいえます。

いくら犬が甘いものが好きでストレス解消に役立つといっても、バナナに整腸作用があるといっても、血圧を下げる効果があるといっても、アレルギーがあったのではそんなメリットは帳消し以下になってしまうのです。

天然ゴムアレルギーによって引き起こされるのは吐き気や湿疹などで、重いものになると痙攣や呼吸困難を引き起こして死んでしまうケースすらあるのです。

もし、あなたの愛犬に天然ゴムアレルギーがあることが分かったら、絶対にバナナを与えないようにしてください。

一度に大量に与えないのがコツ

犬の体に問題が起きないようにするためには、バナナを一度に大量に与えないのがコツです。

少量ずつ与えていけば、どのあたりで便が必要以上に緩くなるか、どのあたりでカリウムの取りすぎによる「おもらし」が起きるかが把握しやすいのです。

また、少量ずつ与えるようにしていれば、たとえアレルギー症状が出ても軽いもので、命に関わるようなことにはならないでしょう。

犬は甘いものが大好きなうえに、咀嚼するのが苦手です。

好きに食べさせていると、高確率で食べ過ぎになってしまいます。

飼い主としては愛犬の体調を考え、バナナは少しずつ与えていくのが良いのではないでしょうか。

犬の体調を見ながらバナナをあげよう

犬はバナナを食べても問題がないケースがほとんどですし、バナナを与えることで色々なメリットがあります。

ただ、与えすぎたり、体に合わなかったりしたときのリスクも存在します。

少しずつ与えて様子を見るのが、最も良いのではないでしょうか。