犬は成長に合わせて様々な面で変化していきます。

そして、高齢になるとその変化が表に出てきます。

そうすると、今までのようにしていたことが、反対に負担になるかもしれません。

そこで今回は、犬が高齢になったときの注意点をご紹介します。

食事を変える

愛犬が高齢になってくると歯が弱くなってきます。

成犬の時は固いものや油が多いものも食べれますが、高齢になってくると硬いものがかじれなくなったり、油ものが多すぎるとお腹を壊したりしてしまいます。

人間の歯と同じように歯肉炎、歯槽膿漏なども引き起こします。

好物だからといって硬いものを食べさせていると、歯茎に負担がかかってしまい炎症を起こしてしまいます。

そうなると、硬いものをかじっていた方のほっぺたの部分が膨らんできます。

これは、中で炎症を起こして膿が溜まってしまうせいです。

結果、全身麻酔で手術を行いほっぺたに穴を開けて膿を取り出す手術をします。

しばらくの間ご飯も食べれなくなりますし、治るまで時間もかかりますので、高齢になったら硬いものは与えないようにしましょう。

また、成犬の時のように栄養が多くは必要でなくなります。

シニア犬用のご飯も市販でありますので、愛犬が食べやすいように柔らかめのご飯やおやつを与えるようにしてあげましょう。

視力の低下、耳の聞こえが悪くなる

高齢になると視力も落ちていきます。

また、白内障や緑内障にかかりやすくなり、視界が見えにくかったり放置しておくと全く見えなくなったりしてしまいます。

愛犬が物にぶつかったり、何かを探すような様子をしている場合には、視力が落ちてきているのかなと疑ってみて下さい。

また、飼い主が名前を呼んでも気がつかなかったり、大きな音がしても振り向かなかったりする場合には、耳が遠くなった、もしくは聞こえていない状態です。

治療をして少しは良くなる場合もありますが、年齢の為仕方のない事なので、そういう状況になったら愛犬が危険にならないようにサークルを用意してあげたり、愛犬が歩く場所に物を置かないようにしたあげたりしましょう。

また、ご飯も自分では食べれなくなってきますので、飼い主が食べさせてあげないといけなくなります。

初めのうちは慣れていないので愛犬も食べるのを嫌がったりしますが、栄養を取るために必要なので、少しずつ時間をかけて食べさせてあげるようにして下さい。

目や耳が悪くなった場合には愛犬も今まで見えていたものが見えなくなり、今まで聞こえてたものが聞こえなくなるので不安を覚えてきます。

臆病になったり攻撃的になったりする事もあると思います。

飼い主も今までと同じ接し方では通用しなくなりますので、愛犬に急に触らない、なるべく一人にさせないなど、愛犬が穏やかに過ごせるようにしてあげましょう。

病気にかかりやすくなる

犬種や若い頃からでもなりやすい病気などはあるのですが、高齢になってくるとますます病気になりやすくなります。

心臓病や肝臓病、腸や胃などの内臓系の病気、悪性のしこりや体重減少、また、足や腰も弱くなってきますので、骨折や打撲などにも気をつけてあげなければいけません。

足や腰が弱くなると歩くのが困難になってきます。

お散歩の時間を短くしたり、室内でも段差の上り下りをさせたりしないなど、怪我の元になるのを防いであげてください。

心臓病は乾いたような咳をし始めます。

呼吸も苦しそうになります。

毎日お薬を飲ませる事になりますが、なるべく興奮させたりしないように注意してあげてください。

肝臓や腎臓など内臓系は症状が表れ始めた時には、すでにかなり悪くなっている場合がほとんどです。

体にも、いぼやしこりなどが出てきます。

良性のしこりなら問題はないのですが、しこりの大きくなるスピードが速い場合にはガンなども考えられます。

また、泌尿器も弱くなりますので、おしっこが出にくくなったり血尿が出たりなどする場合もあります。

少しでも異常が見受けられたら、早めに病院に行き診てもらうようにして下さい。

部屋の温度に気をつける

高齢になると自分で体温調整するのが難しくなってきます。

真夏の暑さや真冬の寒さは体に物凄く負担がかかり、大変危険です。

暑がってるからといってエアコンが効いている部屋に長時間いると体が冷えてしまいますし、寒がってるからとこたつやヒーター、電気毛布などの傍や中に長時間いると、低温やけどを起こしてしまう危険性もあります。

日中の日差しも危険です。

日に当てるのは短時間にして、直射日光が当たらないように気をつけてあげましょう。

こまめに愛犬の様子を見ながら、室内の温度を変えてあげるようにして下さい。

そして、外で飼っている犬の場合には、高齢になってきたら、可能であれば室内で過ごさせるようにしてあげましょう。

もしそれが不可能なのであれば、犬小屋に暖かい毛布を置いてあげたり、なるべく風が入らないようにしてあげたり、愛犬も飼い主がいるのをいつでも確認出来るように犬小屋の置き場所を工夫をしてあげたりするのも良いでしょう。

高齢犬とはできるだけ一緒にいてあげよう

人間も犬も高齢になると、色々な所が衰えてくるのは当たり前の事です。

寝ている時間も長くなりますし、若い時のようにおもちゃやおやつなど楽しかった事にも興味が薄れてきます。

少しでも長生きしてもらう為にも、普段からなるべく一人にさせないようにして、落ち着いて過ごせる居心地の良い場所を作ってあげて下さい。