犬を呼んでも反応が遅くなったと感じたり、大きな声や音を出さないと気づかなくなったと感じた時は、犬の耳が遠くなっている合図です。
犬の耳が遠くなる原因はさまざまですので、今回はその原因についてご紹介します。
犬の耳が遠くなったのは、中耳炎・外耳炎が原因
犬の耳の病気の中で最も多いのが、中耳炎・外耳炎です。
人間でもよく耳にする病気ですが、細菌感染によって耳に鼻水や膿が溜まってしまうのが中耳炎で、鼓膜の外側で炎症が起こる病気を外耳炎と言います。
外耳炎は耳掃除などで耳の中を傷つけてしまったことが原因などでなってしまうことも多く、繊細な器官である耳は頻繁に病気になる可能性があります。
中耳炎・外耳炎にかかっているのにも関わらず、治療を受けさせずに放置してしまうと、膿がどんどん溜まっていってしまい、耳が聞こえなくなったり遠くなったりする可能性が高いです。
また中耳炎・外耳炎が原因となって起こる内耳炎という内耳部分に炎症が起こる病気が原因でも耳が遠くなることがあります。
内耳に腫瘍ができることで耳が聞こえにくくなることもあるので、中耳炎・外耳炎を放置しないように早めの治療を心がけましょう。
犬の耳が遠くなったのは、老化のため
人間も年をとると耳が聞こえにくくなるものですが、犬も同じで老化で耳が遠くなることがあります。
全ての犬にあてはまるわけではありませんが、10歳をすぎて耳の病気ではないのに、物音に反応しなくなることがあります。
他にも今まで怖がっていたり嫌がっていた音がしても反応しなくなったり、インターフォンの音などに反応しなくなった場合は老化による難聴が考えられます。
ただ犬の聴力を測定するのは獣医師でも非常に難しいことですので、どのくらい聞こえているかを人間のように細かく判定することはできません。
生活の中でどの程度聞こえているのか、飼い主が犬の様子を見ながら判断していく必要があります。
特に治療方法もないので聞こえづらいことで危険なことがないように(散歩時の車や自転車など)、気をつけてあげる必要があります。
犬の耳が遠くなったのは、ケア不足であるため
これはとても単純な原因ですが、意外と多いのは耳垢が溜まってしまって聞こえづらくなっているということです。
トリミング犬種は定期的にトリミングに出す際に耳掃除などもマメにおこなってもらえるのですが、そうでない犬種の場合は、トリマーなどのプロの方にケアをしてもらう機会がありません。
また、飼い主自身が犬の世話について詳しくない場合もあります。
その場合は耳垢もたまりにたまってしまい、固まってしまって耳栓のような状態になってしまう場合もあります。
外耳炎などになって症状があらわれれば異変に気付きますが、そうでない場合は反応の鈍い犬だということで片付けられてしまう場合もあります。
犬の耳掃除は素人にはとても難しいのでプロの方にお願いするのが適切ですが、犬を飼う人には耳のケアは全犬種に必要であることを知っておいてもらいたいと思います。
犬の耳が遠くなったのは、異物が侵入していたリ鼓膜が破れているため
これは稀なケースではありますが、犬の耳に異物が侵入していたリ、そのことが原因で鼓膜が破れてしまっている場合にも耳が遠くなるケースがあります。
犬の耳に入ってしまう可能性のある異物は、植物の種や虫、あるいはシャンプー時の泡や水などが考えられます。
これらの異物が入ってしまった場合は、犬が違和感を感じて頭を振ったり、耳を地面に擦りつけたりする行動も見られますので、比較的異常に気が付きやすいと言えます。
耳の違和感と同時に聞こえが悪くなるので、動物病院へ行って異物を取り除いてもらうようにしましょう。
異物がなくなれば聞こえも元に戻りますので安心です。
犬の耳が遠くなったのは、ストレス性難聴障害のため
人間も大きなストレスを受けると耳が一時的に聞こえなくなる人がいますが、犬も同様に強いストレスによって難聴となり、耳が遠くなることがあります。
この場合はストレスの原因となるものを取り除いてあげることで症状も改善していきますが、耳が聞こえなくなるほどのストレスを受けたことを考えるとそう簡単なことではありません。
もともとの犬の性格やストレスを受けやすい体質なのかどうかにもよりますが、神経質でストレスを受けやすい犬だと感じる場合は注意が必要です。
1番良いのはその犬が強くストレスを感じる状況を作らないことですが、少しずつならしてあげて生きやすいように環境に慣れさせる方法もあります。
獣医師と相談しながらその犬にとって一番良い方法を探っていく必要があります。
犬が耳が遠くなる原因は多数なので、ある程度の心当たりを見つけておこう
以上のように犬の耳が遠くなる原因は多数あります。
老化か病気くらいかなと思っている人がたくさんいると思いますが、異物やストレスといった可能性も考えられます。
日頃から犬の行動や性格を十分把握しておく必要があります。
飼い主がある程度の原因を絞れていれば、動物病院での治療もスムーズになります。
毎日の犬とのコミュニケーションをしっかりととりながら、聞こえの状態を把握してあげて下さい。