犬がおしっこを沢山する時の原因とは。まずは病気を疑おう

最終更新日:2016年2月24日

犬がおしっこを沢山する時には、同時に水を飲む量も多くの場合増えています。

そのため、一緒に飲水量も注意して観察してあげる必要があります。

では、おしっこを沢山する時には、どのような原因が考えられるでしょうか。


1.腎不全

腎臓は尿を作るのが主な仕事で、不必要な物質の体外への排泄、必要な物質の再吸収、水分の調節をしています。

しかし、腎臓に異常を生じると、正常な尿を正常に体外へ排泄することが難しくなり、必要な物質や水分までも排泄されてしまいます。

そのため、腎臓に異常を生じると多くの場合、尿量が増え、飲水量も増えます。

腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があります。

急性腎不全は尿路結石、腎毒性物質の摂取、重度の脱水や心拍出量の減少など、様々な原因により引き起こされます。

早期に原因疾患を治療すれば回復することもありますが、対応が遅れれば腎蔵の機能を回復することが難しくなります。

また、一部のブドウ摂取により腎不全を起こすことが指摘されているので、気をつけましょう。

慢性腎不全は腎蔵自体の機能が低下し、通常の治療では元の機能に回復することはありません。

慢性腎不全の原因は様々ですが、急性腎不全から移行する場合もあります。

慢性腎不全では、残っている腎蔵の機能をこれ以上失わないようにしていくことが治療になります。


2.クッシング症候群

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)とは、腎蔵の頭側にある副腎という臓器から過剰にホルモンが分泌される病気です。

副腎皮質ホルモンが過剰に出ることで、様々な症状を起こします。

多飲・多尿がその一つで、他にも食欲亢進、お腹の張り、脱毛などが見られます。

また免疫機能が低下することで、様々な病原体に対して弱くなります。

原因は下記の3つが考えられます。

1)脳の下垂体と呼ばれる部分が腫瘍になることで、副腎皮質ホルモンの分泌を刺激する場合

2)副腎そのものが腫瘍化することで、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される場合

3)副腎皮質ホルモンの過剰投与によるもの

クッシング症候群の治療は、薬物療法、外科療法、放射線療法が主なものです。

原因や症例によって、適切な治療法を選択する必要があります。

3.糖尿病

動物の体では、糖分を主なエネルギーとして取り入れていますが、糖分を取り入れる際に重要な役割を果たすのが膵臓から分泌されるインスリンです。

糖尿病ではインスリンが不足することで糖分が取り入れられず、尿中に糖が多量に排泄されてしまいます。

糖尿病では多飲多尿などの典型的な症状がみられます。

犬の糖尿病ではインスリンがほとんど分泌されていない事が多く、インスリンの注射療法が必要になります。

また食事管理も重要で、繊維質に富んだ食事を与えることで、栄養分がゆっくり吸収され食後の高血糖を防ぎます。

特に、ミニチュア・ピンシャー、プードル、ダックスフント、ミニチュア・シュナウツァー、ビーグルなどは遺伝的な因子も関連があるため、注意が必要です。


4.子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは、子宮内に膿が溜まってしまう病気です。

一般的には5~6歳以上の未避妊雌の未経産の犬に多くみられます。

また細菌感染も関与しており、そのほとんどが大腸菌と言われています。

典型的な症状は、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、腹部の張り、外陰部の腫れや膿の排泄がみられる事があります。

ただし、膿の排泄がない場合、飼い主による発見が遅れ、より重症化するケースもあります。

治療は、卵巣・子宮摘出が一般的とされています。

また避妊手術を前もって行うことで、病気の予防に繋がります。

5.尿崩症

尿崩症とは重度の多飲多尿を示す病気で、尿量を調節するホルモンの脳における産生異常(中枢性尿崩症)や、腎蔵での反応性の異常(腎性尿崩症)によって起こります。

中枢性尿崩症は、原因不明のものや生まれつきのものが一般的です。

適切な治療を行うことで、症状の改善が見られます。

しかし、腎性尿崩症では腎蔵自体に障害があるため、治療が難しい場合も多いと言われています。

また、自由に飲水できる環境も必要で、飲水量が多いからといって、与える水を制限してはいけません。


6.高カルシウム血症

高カルシウム血症は、骨や腎蔵からのカルシウム再吸収や消化管からのカルシウム吸収の亢進によって引き起こされます。

高カルシウム血症を引き起こす主な原因には、リンパ腫による悪性体液性の高カルシウム血症、腫瘍の骨転移による骨融解、副腎皮質機能低下症、慢性腎不全、ビタミンD過剰症、原発性上皮小体機能亢進症があります。

また高カルシウム血症が持続することで、全身に影響を及ぼし、多飲多尿、元気食欲の低下、便秘、衰弱、発作を起こすこともあります。

重度の高カルシウム血症では、不整脈が生じることもあります。

治療は、原因の基礎疾患に対して行うことが重要です。

しかし症状が重篤な場合には、まずは状態を安定化させることが優先になります。

犬がおしっこを沢山する原因を知ろう

犬がおしっこを沢山する原因について、代表的な病気をいくつか挙げていますが、そもそもおしっこを沢山する、お水をたくさん飲むということが異常なことと飼い主が認識していない場合もあります。

また多飲多尿という症状は共通でも、様々な病気の可能性もあります。

まずは持続する多飲多尿という症状が、何らかの病気のサインかもしれないという認識を持つことが大切です。

それには飼い犬の尿の色や量、飲水量などの日頃の健康状態を把握することが、とても大切になってきます。

そういったことが、病気の発見や早期治療へと繋がっていきます。

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