犬を洗うとき、どんなシャンプーを使っていますか?
人間用のシャンプーで代用できないのはもちろんですが、犬用シャンプーもメーカーや商品によって様々な特徴があります。
種類が多すぎて迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、犬用シャンプーを選ぶ際のポイントをご紹介します。
犬の皮膚に負担をかけない低刺激のもの
犬は人間よりも皮膚が弱く湿疹になりやすいため、洗う頻度は月に1、2回程度で、シャンプーは低刺激のものにしましょう。
身体をキレイにするというと、菌を殺してしまうようなイメージをしがちですが、皮膚を健康に保つ常在菌や油分までなくしてしまっては意味がありません。
成分の強いシャンプーや洗いすぎは、かえって肌に負担をかけて、フケや皮膚病の原因になってしまいます。
特に子犬や皮膚の弱い犬種には、なおさら配慮するようにしましょう。
シャンプーはアミノ酸系で弱酸性の、食品にも使われるような成分のものが好ましいと言えます。
犬が興味津々な様子で口に入れても安心です。
ダニやノミ取りに効果のあるもの
ダニは血を吸うだけでなく、アレルギー性皮膚炎やダニ麻痺症といった症状を引き起します。
犬だけでなく人間にも被害を与えるので、お子さんのいる家庭はなおさら注意したいものです。
ダニやノミは、季節に関係なくどこにでもいるものです。
犬と触れ合っているときやブラッシングの際に、毛に小さな虫がついていることに気が付くかもしれませんが、目に見えるものは全体のごく一部にすぎません。
犬猫用のノミ取りシャンプーもいくつか発売されているので活用しましょう。
香りがあまり強くない無添加・無香料のもの
人間の数万倍から1億倍も嗅覚が鋭い犬にとって、匂いの強いものは不快な存在です。
人間にとっては良い香りでも、犬は香水やヘアスプレーといった科学製品の匂いも苦手としています。
犬用シャンプーのなかでも、なるべく自然由来の材料を使った香りの強くないものを選びたいところ。
皮膚のことを考えても、防腐剤や香料の使われたシャンプーは避けるようにしましょう。
エチケットも兼ねて消臭効果のあるもの
動物だから仕方がないとはいえ、犬の臭いが気になるという方も多いでしょう。
人間でいうワキガのもとになるアポクリン汗腺が全身にあるため、犬は人間よりも体臭がキツくなりがちです。
特に、パグやブルドッグのようにしわの多い犬や、コーギーやポメラニアンといったダブルコートの犬は汚れが溜まりやすく、臭いも強くなる傾向にあります。
お客さんやご近所さんへのエチケットとしても臭いには気を付けたいものです。
お口やお尻のケアだけでなく、消臭効果のあるシャンプーで全身の臭いもなるべく抑えるようにしましょう。
水が苦手な子には流さなくていいタイプのものを
シャンプーが苦手な子や毛の多い犬種は、洗ってあげる飼い主さんにとっても大変です。
生後3か月以内の子犬やケガをしていて身体を洗えない犬にもオススメなのが、洗い流さないタイプのシャンプーです。
ムース状の泡を出して軽くなじませ、タオルでふき取るだけで良いので、水が嫌いな犬だけでなく、体力のない老犬のストレスも軽減できます。
シャンプータオルという、厚手のウェットシートのようなタイプもあります。
病気やケガで長期間洗えない場合や、ドッグランなどにお出かけする際のエチケット用にも便利です。
シャンプーほどの洗浄力は望めないので代用にはなりませんが、洗わない時期に使ってみてはいかがでしょうか?
ノンシリコンのシャンプー
ツヤツヤした滑らかな毛並みを見たりなでたりするのも、犬を飼う上での楽しみの一つと言えます。
一般的なシャンプーに配合されているシリコンは、毛の組織をコーティングしてツヤをよくする効果がありますが、皮膚にはあまり良くありません。
長期間シリコンのシャンプーを使用することで毛穴にシリコンが蓄積され、ダメージを与えてしまいます。
シャンプーを選ぶ際は、ノンシリコンのものも考えてみてください。
ノンシリコンのリンスインシャンプーもありますので、毛ヅヤにこだわるなら使ってみるのも良いでしょう。
皮膚病の種類に合わせた薬用シャンプー
普段のお手入れ用のシャンプーとは別に、アレルギーや湿疹といった皮膚の病気を治すための薬用シャンプーがあります。
症状の出ている患部、あるいは全身を薬用シャンプーで薬浴することで快方を目指すものです。
薬用シャンプーにも、脂質溶解性のものや保湿性のものなど、様々な種類があります。
抗菌タイプやアトピー専用のものまであるので、かかりつけの獣医さんの支持も聞いて、犬種や疾患のタイプに合わせた薬用シャンプーを選びましょう。
犬のためにシャンプーを選ぼう
種類によっても肌質や毛質が異なっているので、一概にどのシャンプーが一番とは言えません。
大事なペットに使うものなので、まずは犬の皮膚を刺激しないかどうか、ノミやダニに効果があるかどうかを基準に選んでみてください。
また、季節や犬の体調、肌のコンディションによっても使い分けてみましょう。