犬はよく異物を誤飲してしまいます。
特に1歳くらいまでの時期には好奇心旺盛なため、床に落ちている物などを食べたがります。
ちょっとしたゴミ程度あればあまり気にしなくても良いのですが、中には飼い犬の生死に関わるような物を誤飲してしまうことがあります。
そんな誤飲すると危ない物の中で、犬が比較的誤飲しやすい爪楊枝を誤飲した際の対処方法についてご紹介します。
飲み込ませないように注意する
爪楊枝は先が尖っていますから、場合によっては内蔵に刺さってしまうという恐れもあります。
もしも、犬が爪楊枝を口にした時点で気がついたり、爪楊枝を噛んで遊んでいるのを見つけてしまったような場合は、飲み込ませないというのが一番の危険回避の方法ではないでしょうか。
まず気をつけたいことが、慌てないということです。
犬が口にしてはいけない物を口にしている場合、ついつい慌てて駆け寄って取り上げようとしてしまいます。
しかしこれは逆効果です。
犬は自分が口にしているものを取り上げられそうになると、逆に急いで食べてしまおうとすることがあります。
ですから、犬が爪楊枝を口にしているのを見つけた場合は、まず慌てずに様子を見て見ましょう。
そして、思わず犬が好きなおやつなどで興味を引くようにしましょう。
しつけという意味では問題があるかもしれませんが、犬の命に関わるようなことですので、致し方ないでしょう。
また、犬が口の中に手を入れて嫌がらないような場合は、大きく口を開けさせて、奥歯のあたりに手を入れて固定することで飲み込ませないという方法もあります。
ただ、犬が興奮している場合などは強く噛まれるかもしれませんので気をつけなければなりません。
ピンセットで取り出してみる
爪楊枝に口の中に入れている状態では收まらず、もしも爪楊枝を飲み込んでしまったらどうしたら良いのでしょう。
先が尖って危険な爪楊枝などを誤飲してしまった場合は、内臓に刺さってしまうような事態は避けなければなりません。
飲み込んでしまったとしても、喉の辺りで詰まっているような場合がありますので、この時点で対処することができれば大事には至らないでしょう。
爪楊枝などを飲み込んでしまったような犬を見つけた場合、奥まで飲み込ませてしまわないように、身体を固定しましょう。
そして口を大きく開けさせて口の中、喉元などをよく見てみましょう。
運良く爪楊枝を見つけることができたのなら、ピンセットを使って取り出してみましょう。
爪楊枝を押し出してみる
喉のあたりなどで爪楊枝を見つけることはできるけれど、ピンセットで取り出すことができない。
そんな場合は無理やり押し出して見るという方法もあります。
小型犬で持ち上げることが可能な場合は、脚の付け根を持って逆さに持ち上げて背中のあたりを手で叩いてみるのです。
大型犬で持ち上げることが難しいような場合はどうすると良いのでしょうか。
犬を横向きに寝かせてください。
そして肋骨のあたりを下の方からぐっと押し上げると良いようです。
ただ、あまりこのような対処に飼い主も犬も慣れていないような場合は、思わぬ怪我などに繋がる可能性もあります。
決して無理はしないようにしましょう。
食塩水などで無理に吐き出せない
犬が異物を飲み込んでしまった場合の対処方法として、薄めたオキシドールや食塩水を利用して吐き出させるとという対処方法があります。
このような方法はチョコレートや玉ねぎなど、犬が食べてはいけないような物を食べてしまった場合、胃の中から吐き出させるために利用する対処方法です。
爪楊枝などの先が尖った物を飲み込んでしまったような場合には、あまり効果がないと思われます。
それどころか、オキシドールも食塩水もあまり犬の身体にとっては良くない物です。
これらを利用することで思わぬ悪効果が出てくる可能性もありますので、十分に気をつけるようにしましょう。
病院へ連れて行く
爪楊枝のような危険な物を誤飲してしまって、犬の口は喉元から取り出すことができなかった場合は、やはり病院へ連れて行くのが安心でしょう。
犬の胃は意外と丈夫ですから、少し様子を見てみると排泄物と一緒に出てくるというケースも確かにあります。
しかし、これはたまたま良い結果に繋がったというだけかもしれません。
様子を見ている内に腸まで爪楊枝が達してしまい、腸に突き刺さってしまうという可能性もあります。
爪楊枝はレントゲンに写りませんので、病院に行っても意味がないと考える方もいるかもしれません。
しかし、専門家の診察を受けることで、大事に至らないよう適切な処置を下してくれるはずです。
爪楊枝を無理に取り出そうとしないことが大切
爪楊枝など危険な物を誤飲させないように飼い主は十分気をつけなければなりません。
しかし、ちょっとした不注意から誤飲させてしまうような場合もあるでしょう。
もしも飼い犬が爪楊枝を誤飲してしまったら、慌てずにできる範囲での対応をし、決して無理はせずに、必要な場合は病院へ連れて行くという事を心がけましょう。