猫は犬に比べて目のトラブルが多いと言われています。

特に、子猫のうちは免疫力が低いので、些細なことが原因で大きな病気につながってしまうことがありますから、油断できません。

子猫に目やにが出ている時は、病気とは関係ない場合と、病気のサインである場合があります。

具体的な見分け方と、考えられる病気についてご紹介します。

新陳代謝による目やに

目やにとは、新陳代謝で古くなった細胞や、目の中に入ったゴミが涙と一緒に押し出されて固まった老廃物です。

赤褐色で、寝起きに目の端や目尻に少量つく程度であれば健康な代謝によるものと考えられますので、心配は無用です。

しかし、目やには放置していると不潔なので、気が付いたら拭き取ってあげてください。

アルコール成分の含まれていないウエットティッシュか、湿らせたガーゼで優しく拭き取ると良いでしょう。

ペット用のウエットティッシュも便利です。

猫風邪(猫の上部気道感染症)

子猫は免疫力が低いので猫風邪にかかりやすいです。

ヘルペスウイルスやクラミジア、猫カリシウイルスなどに感染することによって発症します。

主な症状はくしゃみや鼻水、目やに、咳などです。

よだれが多くなることもあります。

細菌感染による目やには色が濁り、黄緑や白っぽくなり、量も明らかに増えます。

放置すると、感染したウイルスによって結膜炎や角膜炎を併発することがありますので、必ず病院を受診してください。

猫風邪はくしゃみや鼻水を介して他の猫に感染するので、症状のある猫は隔離しなければいけません。

同居猫が複数いる飼い主は特に注意してください。

同居猫全部に感染してしまう可能性があります。

猫風邪の原因となるウイルスや細菌感染は混合ワクチンを接種することで予防できます。

子猫が生まれたら早い段階で予防接種を受けさせましょう。

結膜炎

結膜炎を発症すると大量の目やにが出て、瞼がくっついて目が開かなくなることがあります。

一般的には猫風邪の原因ウイルスやマイコプラズマウイルスの感染が疑われますが、目に何らかの異物が入って結膜を傷つけた場合も発症します。

また、ハウスダストなどのアレルゲンが目に入ったことで、アレルギー反応を起こしていることも考えられます。

結膜炎にかかると結膜が充血して腫れ、痒みや痛みを感じるため前足でしきりに目をこするようになります。

大量に涙が出るので常に目の周辺が汚れてしまいます。

他の猫にも感染する病気なので、同居猫がいる場合は隔離し、至急病院で治療を受けさせましょう。

角膜炎

角膜炎は角膜に炎症を起こす病気ですが、放置すると視力が低下したり失明したりすることがあります。

猫風邪の原因ウイルスに感染したことや、何らかの刺激物が角膜を傷つけたことが原因で発症することが多いです。

結膜炎から炎症が角膜に及んでしまったことが原因になることもあります。

また、猫同士のケンカで角膜に傷を負った可能性もあるでしょう。

角膜炎になると、大量の涙と汚い目やにが出て、光を眩しがり、痛みと痒みのために前足でしきりに目をこする動作をするようになります。

目をこするとさらに症状が悪化してしまうので、至急病院で治療を受け、目をこすらないようにエリザベスカラー等の器具を装着すると良いでしょう。

鼻炎

鼻炎になった場合も目やにが出ることがあります。

主な原因は、猫風邪の原因ウイルスに感染したことや、ハウスダストなどのアレルギー反応が起きたことが考えられます。

初期の段階では透明な水っぽい鼻水が出てくしゃみをする程度ですが、重度化すると膿混じりの粘ついた鼻水が出るようになり、鼻が詰まるので口呼吸することが多くなります。

また、目やにや鼻水で顔が汚れるようになります。

放置すると副鼻腔炎になってしまう恐れがあるので、早めに治療を受けましょう。

早期治療をすれば短期で簡単に治りますが、重度化すると完治まで何週間もかかってしまいます。

白内障

白内障にかかると視力が低下し、走るとよく物にぶつかるようになります。

目の奥の水晶体が白っぽく濁る病気で、先天性のものもあれば外傷による後天性のものもあります。

後天性の場合は、猫同士のケンカによって目に傷を負うことが原因で発症することが多いです。

飼い主が猫の目が白っぽくなっていることにはっきり気づく前段階で、涙や目やにの増加、目の充血、発熱や食欲不振などが見られます。

特に、猫の目の奥がモヤモヤと霞がかっているように見えたら要注意です。

白内障の治療は、点眼薬などを使った内科治療が中心ですが、重度化している場合は外科治療が必要になる可能性があります。

しかし、視力が戻るかどうかは明確ではないので、医師とよく相談してください。

目やにから推測される病気を知っておこう

猫は目の病気にかかりやすい生き物ですが、子猫のうちに予防接種を受けることで予防できる病気もたくさんあります。

また、複数の猫を同居させる場合は相性を考慮することで、無駄なケンカを予防して外傷を減らすことができます。

目やには何らかの病気の兆候として表れることが多いので、色や量がおかしいと感じたら病院を受診するようにしてください。

早期治療することで重度化を防ぐことができるでしょう。