うさぎが人間の畑に潜り込み、レタスをむしゃむしゃとほうばる。
これこそが多くの人が抱く、うさぎのイメージではないでしょうか。
でも実際には、うさぎにレタスを与えることは良くないとも言われています。
レタスの栄養分
レタスには様々な種類がありますが、スーパーなどでよく売られている一般的なアイスバーグ・レタスにはほとんど栄養分がないとされています。
レタスの栄養分を見ると、その95%が水分、そしてタンパク質はたったの1%未満です。
カルシウムやビタミンも極めて少ないのがレタスです。
こうした食べ物を頻繁にうさぎに与えてしまうと、当然それだけでお腹がいっぱいになってしまいます。
栄養分が十分に摂取できないまま、満腹感だけを得る。
これはうさぎにとって良くないのは明らかです。
そしてこの水分の多さもネックになります。
水分をあまり多く摂取してしまうと、うさぎの消化器官に負担がかかるので注意が必要です。
ただし、水分補給という観点から、適量のレタスをあげることはむしろうさぎのためになるでしょう。
レタスをあげるのであれば、状態をよく見極めて与えるのが良いでしょう。
冷たいレタスは要注意
レタスはちぎって手軽にあげられることから、飼い主さんは頻繁にケージの中にレタスを入れてしまいがちです。
うさぎがむしゃむしゃとレタスをほうばる姿はかわいいですし、それを楽しみにしているうさぎの姿を見たいと思うのが飼い主さんの心理でしょう。
ただ、冷蔵庫から取り出したばかりのレタスはうさぎにとっては非常に冷たく、水分の多さと同様、胃に負担がかかってしまいます。
また、ちぎったレタスは痛みが早いので、ケージの中にそのままの状態で放置しておくと、ばい菌が繁殖しやすいため注意が必要です。
レタスを適度にあげることはさほど問題ではありませんが、あげるのであれば、冷蔵庫できんきんに冷やしたものはあげないこと、そして長く常温で放置しておくことには気をつけましょう。
レタスは眠気を誘う?
レタスには栄養価がないとお伝えしてきましたが、意外なことに、レタスにはラクチュコピクリンという難しい名前の成分が含まれています。
これは眠気を誘う成分で、大量に摂取しなければ問題がないとされていますが、催眠や鎮静の効果があるために、「レタス阿片(あへん)」と、なんとも不気味な呼び名もあります。
実際に、レタスを食べてうさぎがぐったりとしたり、眠ってしまったりするということはあまり報告がないですが、ラクチュコピクリンは中枢神経系に作用します。
これは小さな個体であるうさぎのような動物には決して良くありません。
レタスを切ると、白い液体が出ますが、これがそのラクチュコピクリンです。
こういった成分が含まれていることを覚えておくと、あげすぎにブレーキがかかるかもしれません。
レタスは主食ではなくスナックとしてあげる
うさぎの主食は牧草とペレットです。
人間の感覚からすると、サプリメントのようなペレット、そして無味乾燥な牧草だけだと、味気ないのではないかと心配になりがちです。
やはりうさぎには人参、うさぎにはレタス、と、ついついフレッシュな野菜をあげたくなってしまいます。
しかし、うさぎの健康を考えれば、やはり牧草とペレットという組み合わせを徹底することが必要です。
どうしても野菜をあげたいときには、主食としてではなく、スナック感覚で少量を与えるのが良いでしょう。
レタスをあげたいのならその種類を見極める
先に述べたように、一般的なレタスであるアイスバーグ・レタスにはあまり栄養価は期待できません。
しかし、スーパーの野菜売り場を見渡してみましょう。
最近では色や形が豊富な、バラエティーに富んだレタスが売られています。
うさぎにレタスをあげるのであれば、レタスの種類に少し注意を向け、栄養価の高いものをあげてみませんか。
色の濃いロメイン・レタスやちりちりとした形状が特徴のサニー・レタスなどが比較的栄養価が高く、良いとされています。
レタス以外では、例えばケールやコリアンダー、クレッソンなどもうさぎが摂取しても問題ない葉っぱ類なので、お医者さんやペットショップと相談の上、試しにあげてみてください。
うさぎにレタスをあげる場合には注意しよう
うさぎにはレタスが必要でしょうか?
水分を補給させるという目的以外に、うさぎが退屈しないように、あるいはうさぎの歯の発達のためにレタスのような葉っぱ類をかじらせることは決して悪いことではありません。
ただ、うさぎの健康を考えると、絵本や映画の中のうさぎのイメージとは違い、葉物を頻繁に食べることはそれほど必要でもません。
水分の多さやばい菌の繁殖の可能性、そして栄養価のなさを考慮すると、やはり適量を考えて清潔な環境を保ちながらスナック感覚でレタスを与えるのがベストだと思われます。