小さなお友達、ハムスター。
もちろんハムスターにも感情や気持ちがあります。
ハムスターはとても小さな生き物なので、猫や犬よりも気持ちがわかりにくいと感じることもあります。
しかし、よく観察すれば、ハムスターの気持ちを読み取ることができます。
回し車で走っているときは、本能
ハムスターと言えば、回し車です。
黙々と走り続けているとき、ハムスターはいったいどんな気持ちなのでしょうか?
ハムスターは、実は一日に何キロも走る生き物。
自然界で暮らすハムスターには、たくさんの外敵が待ち受けています。
よって生き残るために走ることが重要で、走ることはハムスターにとって、遺伝子に組み込まれた本能です。
本能というものは、生活の場に作用されません。
ですから、たとえペットとしてケージで飼われていても、ハムスターは走る本能を常に持っています。
エサを探すため、敵から逃げるため、理由はなんであれ走ることがハムスターの日常です。
ですから、回し車で走るハムスターを支配しているのは、気持ちというよりは本能です。
人間も走っているときは、あまりものを考えていないものです。
安心して、好きに走らせておいて問題ありません。
鳴き方の違いによる気持ち
注意深く観察していると、ハムスターの鳴き方には違いがあります。
注意して聞き取ってあげることが大切です。
・「短くキュッ」
甘えているときや、お腹が空いた、もっと遊びたいなどの欲求をアピールする鳴き方です。
慣れてきたら、一番よく耳にする鳴き方です。
この鳴き方が出てきたら、飼い主に心を許していると言えます。
・「低くキュキュキュ」
機嫌が悪い時の鳴き方です。
食事を邪魔されたり、イライラしていることをアピールしています。
この場合は、構い過ぎず、そっとしておいてあげましょう。
また、多頭飼いでこの鳴き方をしているときは要注意。
ケンカの前触れの可能性があります。
ケージを分けてあげるなどの対策をオススメします。
・「しゃっくりのようなキュ」
この鳴き方は要注意です。
何かの病気にかかっているか、体調不良の恐れがあります。
あまり続くようであれば、速やかに動物病院で受診してください。
耳が寝ているときと立っているときの気持ちの違い
ハムスターの耳は、気持ちが表れやすい器官と言えます。
耳が立っているときは、警戒心を強めているときです。
耳を大きく立てることで、より遠くの音まで聴き取ろうとしています。
身近に危険が迫っていないかを判断しているのです。
一日のうちで何度も耳を立てる行動が目立つ場合は、ケージを音の少ない別の部屋に移してやるなどの考慮が必要です。
人間にとっては些細な音でも、人間の4倍とも言われるハムスターの聴覚にとっては、大きなストレスになりかねなません。
逆に耳が寝ているときは、安心している状態です。
一日のうちで耳が寝ている状態が長いほど、リラックスできる環境であるといえます。
お腹を見せて寝転んでいるときの気持ち
ハムスターがお腹を見せて寝ているときは、安心しきっている証拠です。
飼い主を信頼し、生活にストレスがないことの証だと言えます。
この環境をキープしてあげることが、飼い主の仕事となります。
ストレスのない環境を作ってあげることができたら、忘れてしまわないようにその状況を写真に残したり、ノートに記録しておくと良いでしょう。
ハムスターは環境の変化に敏感です。
ストレスが溜まっていると感じたら、ノートを見返して、環境を整えてあげましょう。
視線に表れる気持ち
視線にも、ハムスターの気持ちは表れます。
飼い主と頻繁に目が合うようであれば、心を開いている合図です。
逆に飼い主と視線を合わせずいつも横を向いていたり、常にお尻を向けていたりする場合は、まだ信頼関係が築けていないと言えます。
特にエサを食べているときの視線は、気持ちを良く表していて、お尻を向けて食べるようであれば、飼い主からエサを隠そうとしている表れです。
エサを食べるハムスターは可愛いものですが、エサの時間はなるべく触ったりせず、そっと見守ってあげると良いでしょう。
ケージをかじっているときの気持ち
イライラしているときやストレスを感じているとき、ハムスターはケージをかじります。
お腹が空いているときのアピールとしてケージをかじることもあり、このときは、すぐにエサを与えてはいけません。
これはケージをかじればエサをもらえると、ハムスターが学習してしまうからです。
エサを与えるなら、ケージを噛み止んでから、少し間をおいて与えることをオススメします。
また、外へ出たい気持ちのアピールとしても、ケージを噛むことがあります。
この場合、かじるケージの方向=進みたい方向です。
外に出して遊ばせてあげると良いでしょう。
家具の隙間や通路の遮断をしっかりと確認し、ハムスターの安全を確保してあげることを怠らないでください。
ハムスターの気持ちを汲み取ってあげよう
表情からは読み取りにくくても、よく観察しさえすれば、ちゃんとハムスターの気持ちを掴むことができます。
時間をかけて、ゆっくり信頼関係を築いていくことが大切です。
コツは、決して焦らないこと。
こまめに気持ちを読み取ってあげることが、素敵なハムスターライフへの第一歩です。