ハムスターを見ていると、器用に物を持ったり、走り回るときもうまくものを避けてぶつからないようにしているのが分かります。
このような行動ができる目は、高機能なのかと思いきや、実はあまり視力は良くありません。
それでは、ハムスターの目は一体どの位良いのでしょうか。
ハムスターの目の構造
人間の目は前向きに平行に付いています。
ですから、正面が良く見え、上下左右まんべんなく見えるのが特徴です。
人間の視野はおよそ150度から170度と言われています。
それに比べてハムスターは目が斜め横についているため、正面はもちろん、約270度の視野があると言われています。
首の角度も含めれば見えない死角がないと言われています。
しかし、ハムスターは音に敏感ですし、1つのことに集中しやすい性格です。
後ろでもすぐにわかるのかというとそうではなく、音のする方や気になるものがあるとそこばかり気になるので、近づいても気づかないことが多々あります。
ですので、いくら視野が広いとは言え、急に後ろからや横から触るよりも、正面から声をかけてあげる方が驚かさずに済みます。
ハムスターは近くのものしか見えていない
ハムスターは視野は広いですが、見える奥行きは狭いです。
30センチ程度までしか見えていないと言われています。
人間でいうと極度の近眼です。
しかし、30センチ以内であっても、くっきりはっきりと見えている訳ではありません。
形までは認識できず、影のようなシルエットとして見えているようです。
ですから、飼い主も大きな影です。
しかし、嗅覚と音の判別が優れているので、ニオイや声などの音で判別しているのです。
飼い主が手を差し伸べても、黒い影が近づいてきているのがハムスターの世界です。
近くしか見えていないので、その分を他の感覚でカバーしているのです。
ハムスターに立体感覚はない
ハムスターの目は上向きに付いていますので、上を見るのは得意ですが、下は見えていません。
そのためによく段差で転んだり、登ったところから落ちてしまったりします。
高いところに登った時に、そこから乗り出して危なっかしい、鼻でクンクンしているようなしぐさを見たことがあるかもしれません。
これは下が良く見えないので、目以外のことで確かめようとしているのです。
ハムスターは立体的に物を見ることができませんので、平面的な世界で物を見ています。
お散歩などをさせる時などは、できるだけ物をおかないで、安心できる空間にしておくと良いでしょう。
逆に上は良く見ています。
これは上からの敵、つまり鳥などを察知するために発達したと考えられています。
ハムスターは下が見えていない、さらに広くぼんやりの視界です。
モノクロの世界
目には色を認識する部位があります。
人間は特にこの部分が他の生物に比べて優れているので、多くの色を認識できてカラフルな世界で見ることができます。
しかし、ハムスターはこの部分は発達していないため、2色、白と黒くらいしか見えていないと言われています。
つまりモノトーンで見ているのです。
この2色の濃淡でものを認識して、判断して動いているのです。
ですから、ただでさえよく見えていないのに、さらにぼんやりとしか見えていません。
黒い部分は影のように見えますので、飼い主のことも顔はわかってはいないのです。
ハムスターの見え方はカラーのないモノクロの世界です。
暗くてもよ~く見えてます
色の認識は苦手なハムスターですが、明るさをチャッチする目の部位は発達しています。
少しの光でもよく見えるので、人間では暗くて何も見えない、動けないようなところでも行動できるのです。
ですから、暗い土の中で穴を掘って暮らすことに適しています。
夜行性であることもあり、この目は大きな武器になります。
暗くて人間は見えていなくても、ハムスターからするとしっかりと飼い主は見えていますし、何も不自由はしていませんので、夜はちゃんと暗くしてあげる方が良いのです。
ハムスターの目は暗さに対しては適応能力が高いです。
視力は悪いけどへっちゃら
ハムスターの目は弱いです。
ですが、そのマイナス部分は嗅覚や音の聞き分け、ひげの感覚など、体全部で補っているので問題ありません。
人間からすると見えなくて大変そう思いがちですが、ハムスターはよく見えていなくてもへっちゃらです。
器用に生活しています。
しかし、目が弱いのは事実ですので、白内障が多くなります。
老化によっておこりやすいですので、その点は気を付けてあげましょう。
ただ、目に頼っている割合がごく少ないのですので、白内障になっても大きな問題にはなりません。
そのくらい目は元々見えていないのです。
ハムスターの目の悪さを知ろう
ハムスターの目は見える距離や色彩認識、見え方など、多くの部分で弱いと言えます。
しかし、その分視野が広かったり、暗いところでも大丈夫だったりします。
しかし、基本は目は悪くて他の部分でカバーしているので、それに配慮して飼うことが大切です。