犬が水を飲まないと「何か病気だろうか?」と心配になりますね。
水を飲まないときにはどんな理由があるのでしょうか?
病気が原因の場合と、そうでない場合の両方についての理由をご紹介します。
1.骨の病気や外傷で体が痛い
椎間板ヘルニア、関節炎、変形脊椎症、膝蓋骨脱臼、骨折などといった症状があると水を飲まなくなることがあります。
体をかがめて水を飲む体勢を取ると痛いので、つい水を飲むのが億劫になってしまいます。
こうした場合、地面に置いたボウルから水を飲まなくても、高い位置にある給水器からは飲むことがあります。
野生の犬は弱点を見せると敵に負けるので、犬は体に痛みがあっても本能的に隠そうとします。
犬が痛みを訴えなくても飼い主が変化に気づいて察してあげましょう。
歩き方がおかしい、散歩を嫌がるようになった、動きが鈍くなった、あまり動かなくなった、といった変化があると、こうした体の症状が疑われます。
2.内臓や口腔の病気
泌尿器系、肝臓、すい臓など内臓の病気になると水を飲まなくなることがあります。
感染症や胃腸炎が原因の場合もあります。
ジステンパー、犬パルポウイルス感染症、ケンネルコーフ、コロナウイルス性腸炎、レプトスピラ症、その他の病気や中毒のことがあります。
こうした場合、水を飲まないだけでなく、食欲不振、元気喪失、下痢、嘔吐、発熱などの症状も現れます。
深刻な病気のケースもあるので、いずれの場合も獣医師にみせて必要な治療をしましょう。
歯周病、口内炎、舌炎、口内の良性・悪性の腫瘍など、口内に病気があると、食べたり飲んだりすると痛みを感じるので、エサを食べなくなったり水を飲まなくなります。
アレルギー反応で口内や舌に炎症を起こした場合も、やはり水を飲まなくなることがあります。
犬の口を開けさせてチェックして、異常があれば獣医師に相談して必要な手当てを受けさせましょう。
また日ごろから歯磨きなど口腔のケアはきちんとしましょう。
3.高齢による代謝の低下
犬が年取って新陳代謝が低下すると、発汗量や尿量が減り、飲む水の量が少なくなります。
高齢であまり運動をしない犬の場合は特に飲む水の量は少ないです。
しかし水を全く飲まなくなるようなら、様子を見守った方が良いでしょう。
水を飲まないだけでなく、何も食べない、寝床から出ない、動かない、呼びかけに応じない、呼吸が止まっていることがあるようなら、老衰で最期を迎える兆候かもしれません。
できるだけ傍にいて、最期を看取ってあげましょう。
4.運動量や気温の変化
犬を散歩に連れて行かなかったりして運動量が少ないと、発汗量も少なくなるので、飲む水の量が少なくなります。
病気や怪我などで一時的に運動ができなくなったときも、飲む水の量が少なくなります。
また気温が下がると発汗量が減るので、あまり水を飲まなくなります。
飼い主の都合で運動不足になるのは犬の心身に良くないので、必要な量の運動は必ずさせるようにしましょう。
5.排泄できないから水を飲まない
室内飼いで、外に出たときにしか排泄ができない状態だと、排泄を我慢するために水を飲まなくなることがあります。
従順でしつけられたことは必ず守る律儀な犬が、このような行動を取ることがあります。
これはかわいそうな状態で、体に良くないので、室内にもトイレを作るなどして、好きなときに排泄ができるような環境を作りましょう。
6.食べ物から水分を取っている
ウエットフードや手作りフードは、ドライフードに比べると多くの水分を含んでいるので、あまり水を飲まなくても十分な水分を取ることができます。
そのため自然に飲む水の量が少なくなります。
ドライフードからこのようなフードに変えると、急に水を飲まなくなることがありますが、犬が元気なら心配はいりません。
おやつに野菜や果物など水分が多いものを与えたときも、飲む水の量が少なくなります。
7.水や容器に原因がある
水が新鮮ではなかったり、水が汚染されている場合に水を飲まなくなることがあります。
犬の嗅覚は鋭敏なので、人間にはわからない臭いを察知します。
水を入れる容器が汚れていたり、容器のコーティング剤や塗料の臭いが原因のこともあります。
また水を入れる容器が浅すぎたり深すぎる、飲みにくい位置に置かれている、という場合も飲まなくなります。
犬の様子を見て、水や容器を取りかえたり、位置を変えてみましょう。
特に水が汚染されていたり有害なものが入っているわけでなくても、犬にとって水の臭いが気に入らないという場合があります。
そのようなときには、水に少量の果汁を入れたり肉や野菜のゆで汁を入れて香りづけをすると、よく飲むようになることがあります。
犬にキレイな水を飲ませたくても、ミネラルウォーターを飲ませると、ミネラル過剰になって結石の原因になるのでオススメできません。
犬が水を飲まないときの理由を探ろう
犬が水を飲まないときには、病気が原因の場合とそうでない場合があります。
病気が原因の場合は、ただ水を飲まないだけではなく他の症状もあるはずです。
犬の様子をよく見て、病気かどうかを確かめて、もし病気のようなら獣医師に連れて行って治療を受けさせましょう。
そうでない場合は、犬の飼育環境を見直して、改善するところがあったら直していきましょう。