犬の嘔吐とは、食べたものが胃腸で多少消化されたにも関わらず、何らかの原因で吐き出してしまうという症状です。
愛犬が突然嘔吐したら、ものすごく焦りますよね。
そこで今回は、嘔吐の原因はどんなものがあるかをご紹介します。
食べ過ぎ
犬が嘔吐を起こす一番多い原因がこれです。
食べ物の食べ過ぎや、また腐ったもの、刺激が強いものを食べた時に嘔吐が起こることが多いです。
犬の食事はきちんと計量して、栄養学的に定められた必要量を与えれば十分です。
喜ぶからと言ってあげすぎたりしないようにした方が良いでしょう。
また人が食べる食べ物は犬には刺激が多かったり、塩分なども多かったりしますので与えすぎない方が賢明だと言えます。
嘔吐の原因は食べ過ぎが一番多いのですが、これだけではありませんので、食べ過ぎで終わらすのではなく、嘔吐が続く場合は動物病院で診察してもらうことをオススメします。
胃捻転
胃捻転も嘔吐の原因としてよくみられるものです。
嘔吐は胃に原因があることも多いのですが、胃捻転もよく見られます。
胃捻転は胃が捻じれて正常な機能を保てなくなる病気です。
これは非常に危険で命に関わります。
大量の食べ物を一気に食べて、水を飲む。
その後に運動などをすることにより胃の中でガスが発生し、この病気になったりします。
また研究では、カルシウムの取りすぎでも胃捻転が起こることがあると報告されています。
カルシウムを過剰に与えることはしないようにした方が良いでしょう。
この病気を予防するためには、食事をゆっくり食べさせることと食後に運動をさせないことと、カルシウム分を食事の他に与えないことが大事です。
肝疾患
肝臓がダメージを受けて、機能が低下した状態のことです。
こうなると慢性的な嘔吐を繰り返すことがあります。
肝臓は生体にとって非常に大切な器官で、多くの仕事をこなしています。
必要なたんぱく質の生産、血糖値の調節などです。
この肝臓の機能が低下すると体が非常にだるくなり、健康を害します。
食欲はなくなり、元気もなくなり、下痢を起こすこともあります。
肝疾患を起こす原因は、様々ですが、問題のある化学物質例えば除草剤などが体内に入った時や、ウイルスや細菌が体内に侵入した時、熱射病にかかった時などが挙げられます。
病院での治療は必須です。
膵炎
膵臓の炎症でも激しい嘔吐が起こります。
膵臓もとても重要な器官です。
食べ物の脂肪分やたんぱく質をうまく消化、吸収できるように食べ物を分解する酵素を出しています。
もう一つ、食べ物の糖分(グルコース)を体内に取り込むためのホルモンであるインスリンを分泌する機能も持っています。
この膵臓に炎症が起こって正常に機能しなくなると、嘔吐を初めとして色んな症状が起こります。
膵炎の原因は色々とあるのですが、最近ではドッグフードに原因があるのではないかと提唱する獣医師もいます。
ドッグフードはやはり人工物ですので、それを消化するために膵臓が働きすぎて膵炎を発症するという説です。
膵炎にかかると、激しい嘔吐や腹痛などが起こります。
腎不全
腎臓がうまく機能しなくなっても嘔吐が起こります。
腎臓は、体内の細胞液の電解質の濃度を調節したり、代謝老廃物を尿に変えて体外に排出したりする機能を持っています。
他にも重要な機能を持っており、生体になくてはならない重要な臓器になります。
腎不全には急性のものと慢性のものがあります。
急性は化学物質やレーズンなどの中毒でもおこりますし、抗生物質や薬などの中毒でも起こります。
こちらは非常に症状が急で、すぐに処置しないと死亡します。
しかし、急性の場合は嘔吐が起こりません。
嘔吐を起こすのは、慢性の腎不全になります。
慢性腎不全の原因は、リンが多くてカルシウムの少ない食事です。
これが腎臓にダメージを与えて、引き起こします。
その他にも糖尿病や自己免疫性疾患によっても起こります。
慢性腎不全が起こると、嘔吐を起こします。
診断は血液検査などで行います。
病院での治療は必須になります。
パルボウイルス感染症
この感染症は子犬や若い犬に感染しやすいです。
パルボウイルスは子犬の口から直接感染します。
土などを舐めて感染することがあります。
パルボウイルスが体内に入ると、ウイルスは増殖し、腸の内側を攻撃します。
腸の組織は破壊されて、食べ物を食べても消化することはできずに、嘔吐します。
激しい嘔吐で胃の中が空になっても黄色い胆汁を吐きます。
また、トマトジュースのような下痢も起こします。
治療は根本的になく、対症療法になります。
パルボウイルスに感染させないためには、予防ワクチンの接種がとても有効ですので、動物病院での注射を必ず受けるようにしましょう。
嘔吐の原因を見つけよう
他にも嘔吐を起こす原因は多くあります。
素人判断で対処することなく、嘔吐がみられたら動物病院に連れていき、プロである獣医師に診断を受けて適切な治療をすることをオススメします。